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32話 ある意味ザマァなヤツ


挿絵(By みてみん)


【祝4団体王座初防衛】

という事で、井上尚弥王者が見事に最強の挑戦者ネリを撃破したので、テンションブチ上がりでこんな時間ですが2話目を投稿しました!


一見お馬鹿な間話風ですが、今後の展開に少し関連するので、お楽しみ頂けると嬉しいです!




備土(ビツチ)瑠奈(るな)(元嫁)視点》

 


「お〜い、ルナァ!

 ちょ、1万出せや!」


「うっせぇっつの!

 もう、残り2千円しかねぇっての!つーか、5万も渡したのにもうスった訳!?」



 区役所から帰る途中で寄ったパチ屋でスロットを打ってる最中、少し離れた島で打ってたコーキが金をせびりに来やがった。



 ハァ……マジでウンザリだわ……



 コーキと付き合い始めた頃、コイツはまだ配管工の仕事をしていて稼ぎもそこそこ良かった。

 だからコイツに乗り換えたっつーのに、3ヶ月前に会社の車で飲酒運転して事故ってクビになったんだよな〜!

 マジで使えねえわ、コイツ!


 コーキにイラついた気分を落ち着ける為に、タバコに火を点ける。



「フ〜……やっぱこういう時はタバコに限るわ…」



 思えば、雄貴は面白味の無い地味メンだったけど、クソが付く真面目クンだった。

 ギャンブルはやらないし、酒も付き合い程度しか飲まない。

 工場から帰ったらアタシに目もくれず、真っ先に桐斗を抱きに行くのがウザかったけど、そこそこ稼ぎも良かったし、少なくとも今みたいに金に困る事は無かった。



「あぁぁ!イラつくわ!!

 何なのアイツ!?

 隣の家のクソガキを連れ込みやがってよっ!!」



 ふとこの間の夜の事が頭を過って、アタシは思わず乱暴にレバーを叩いた。



「あの、お客様。

 タバコは喫煙室でお願い致します。それから、台を乱暴に扱うのはおやめ下さい」



 人がイラ付いている時に、クソったれな店員がアタシに注意して来やがった。



「うっせぇなぁ!!

 アタシは客だぞ!!金を払ってんだから、ウザい事言ってんじゃねぇっての!!」


「ですが、先程から台を叩いたり、おタバコをお吸いになっているようで、周りのお客様にも大変ご迷惑になりますから。

 マナーを守ってお楽しみ頂けないのでしたら、ご退店願いますが」



 コイツ、マジでウゼエんだけど。

 ムカついたアタシは席を立って真っ向からクソ店員を睨み付けた。



挿絵(By みてみん)



「はぁ!?テメェ、客であるこのアタシを追い出そうってワケ!?

 マジでムカつくんだけど!!

 コーキィ!!ちょ、コーキィ!!」


「…お連れ様でしたら、店内に落ちているメダルを拾って回られていらして、何度注意してもお辞めにならないので、5分程前にご退店頂きました」



 チッ!マジかよ、アイツ!

 生意気な店員如きボコせねえとか、マジで使えねえんだけど!!

 何か周りの客からムカつく目で睨まれてっしさぁ!!



「ああ!!ムカつくわ!!

 こんなパチ屋もう二度と来ねえからな!!どうせ、こんな店直ぐに潰れっから!!」



 アタシは店員を怒鳴り付けると、フロアに咥えていたタバコと一緒に唾を吐いた。

 ムカつきが収まらないアタシはパチ屋を出て、そのまま近所のコンビニへ行った。

 ストロング系の缶チューハイとタバコを買って、コンビニ横のコインパーキングの奥で酒をあおって、タバコに火を付ける。




「何でアタシがこんな目に遭わなきゃ行けないのよ!!

 ふざけんなよ、マジで!!

 言っとくけど、アタシは小学生の頃から男にモテて来たんだかんな!!

 死ねよマジでクソパチ屋の分際でよぉ!!」




 アタシは心の中の苛立ちを大声で叫んで、コインパーキングの機械に蹴りを入れた。



 ゴガッ!



 い、痛いんだけど!マジふざけんなって!



「ああ!イラつく!!

 それもこれも全部雄貴のせいだ!!アイツがアタシの事を女として見てくれないから、こんな惨めな生活を送んなきゃいけないんだ!!」



 確かに桐斗を捨ててコーキの所に転がり込んだのは、少しだけアタシにも非はあるのかもしんない。

 だけど、そもそもがアタシを女王のように扱わなかった雄貴のせいでああなったんだ。アイツが99パー悪いに決まってる!!



「よぉ、ルナ。こんなとこに居たのかよ。

 俺も酒飲みてえから、500円くれや」



 アタシのイライラがマックスの所に、クズ野郎(コーキ)がやって来て小銭をせびって来た。

 アタシは仕方無しにパチスロでスッた残りの金をコーキに渡す。



「ぷはぁっ!

 つーかよぉ、さっきオメエが言ってたみてえに、オメエの元旦那が(アク)じゃね?

 俺らがこーして生活保護の申請が通らなかったのも、全部あのヘナチ◯野郎が(アク)だからじゃね?」



挿絵(By みてみん)



 コーキはストロング缶を呑み干すと、酒臭い息で分かり切った事を言って来やがった。



「あ?んな事知ってるっつーの!

 だからいしゃりょー寄越せっつったのに、アイツ無視しやがってさぁ!」


「マジかよ!

 フツーいしゃりょーってヤツを払うだろうがよ!

 そもそもあのヘナチ◯、こないだの生パイチンだかで6億稼いだらしーじゃねえか。

 俺らに5億献上するのがジョーシキじゃね?」


「でも、弁護士だかを雇ったりする金なんて無えし」


「カカカッ!弁護士なら何とかなるって!

 俺がヤンチャしてた頃のパイセンがアッチ系の世界でイわしてっからさぁ、パイセンの知り合いの弁護士しょーかいして貰えばラクショーっしょ!」



 コーキはそう言うと、スマホでパイセンとやらに電話をかけた。


 嫌な予感しかしなかったけど、雄貴から金を取れるんなら何だって良い。


 アタシは電話を切ったコーキに案内されて、新宿の胡散臭いビルへと入って行った。




 ◆◇◆◇◆




小島(こじま)幸樹(こうき)さんと備土(ビツチ)瑠奈(るな)さんでしたか?



 ………



 ……貴方達は人を馬鹿にしてるんですか?」



 表に看板すら無い弁護士事務所に着いたアタシ達は、藻栗という弁護士に自己紹介をして事情を説明した。

 そして、帰って来た答えがコレだ。



「は!?別に馬鹿になんてしてねぇし!」


「備土さん、浮気をしたのは元旦那さんじゃなくて、アナタなんですよね?」


「だから、それは雄貴が子供の事ばっかり構って、アタシを女として見なかったから…」


「へぇ?で?

 元旦那さんは具体的にアナタにどんな仕打ちを?

 言葉や暴力によるDVでも?」


「DV?は良く分からないけど、別に暴力とかは無いケド…」


「はぁ、そうですか。

 では、アルコールやギャンブルの依存性など、夫婦生活を営むに当たって重大な社会性の欠陥を持ってましたか?」


「いや、アイツは別に酒もギャンブルもやらないケド…」


「備土さん……



 ……あんまり人を怒らせてはいけませんよ?



 私はコレでも暇じゃ無いんです。

『尾痔屋会』の肺仙(パイセン)さんの紹介だったから相談料を取らずに話を聞いてみたら、クソみたいな逆恨みで慰謝料を取るだぁ!?


 馬鹿にすんのも大概にしろよ、クソアマァ!!」



 弁護士がいきなりブチギレて、アタシもコーキも思わずビビってしまった。

 このオッサン、本職の弁護士をしているせいか、凄みっつーかそういうのがヤバい。



「そもそも、訴える相手が神城雄貴だぁ!?

 テメェら、あんな超大物相手に吹っかけるような裁判を起こすとか頭沸いてんのかぁ!?


 メディアの注目を集めるだけ集めて、中身がスッカスカな訴状で慰謝料請求!?


 テメェら一回死ね!!いや、一万回死ね!!

 んな事すりゃぁ、テメェらみてえなイカれた若僧が叩かれるだけじゃねえ!担当弁護士までボロクソに叩かれるだろうが!!」


「い、いや、で、でも、何つーか、それっておかしくないっすか?

 フツー夫婦が別れたら、旦那が元嫁にいしゃりょー払うっつーのがフツーなワケで…」


「……ハハハハハッ!


 ……オメエの脳みそはノミ以下しか無えのか?

 何が普通だか知らねえが、そりゃあ旦那に相当な落ち度が有って別れた場合だ!!


 慰謝料の意味も知らねえクソ馬鹿なテメェに分かり易く教えてやる!!


 フツーはなぁ、妻の浮気が原因で離婚になったら、旦那が妻又は妻の浮気相手に慰謝料を請求するんだよッ!!

 つ・ま・りっ!テメェがその女の元旦那から慰謝料を請求される側なんだ!!


 さっき聞いた話じゃぁ、テメェはその女が既婚者と知っていて手ぇ出したらしいなぁ?

 しかも、旦那と別れて俺と一緒になれっつったんだろ!?


 フツーに考えて、テメェが神城雄貴にいしゃりょー200まんえんを払うのがフツーなワケだ!!」



 コーキがアタシの代わりにジョーシキ的ないしゃりょーの事を弁護士に言ってくれたケド、このイカつい弁護士は更に馬鹿でかい声を張り上げてコーキをボロクソ言った。


 でも、そっか……浮気した方が浮気された方に払うのがいしゃりょーっつー事ね……だったら……



「ならさぁ、あのメスガキ。

 ユキノっつーガキから浮気の慰謝料取れば良くね?」


「はぁぁぁぁぁぁっ………



 オメエも脳が腐ってるんじゃねえかって位バカだな!?

 良いか?オメエが元旦那と離婚したのはいつだ?」


「去年の4月だけど…」


「で?元旦那が清川雪乃を自宅に連れ込んだのは?」


「???3日前だけど、それがナニ???」


「それがナニじゃねえ!!

 テメェと離婚して一年以上経ってんのに、他の女を連れ込んだ事が浮気になるワケ無えだろ!!



 ……つーか、俺、雪乃ちゃんの大ファンだったから、神城雄貴とデキてるって知ってマジでショックなんですけど……

 ……いや、しかし……東京をスタンピードから救った英雄が相手なら当然っちゃあ当然か……



 いや、そんな事はどうでも良い!

 とりあえず、オメエら馬鹿2人に何を言っても無駄なのは分かった!!

 神城雄貴を訴えるとか馬鹿な事をほざいてねえで、さっさと帰って小学校の勉強からやり直せ!!


 それからもう二度と俺の前に顔を見せるな!!

 次会ったら、マジで東京湾に沈めんぞ!!」



 弁護士のオッサンはそう言うと、アタシとコーキの襟首を凄い力で掴んで事務所の外へ突き飛ばした。



 いしゃりょーを取れない事を知ったアタシ達は金が底を尽いて、歌舞伎町から北千住まで歩いて帰るハメになった。



 マジでクソ怠い……コレも全部雄貴のせいだ……。




試合最高でしたね。

ネリは怖い相手で、序盤は特に要注意だと思ってはいましたが……


ともあれ、最高に面白い試合でした!


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