28話 雪乃ちゃんとデートしたかったんですけど!? ②
ブクマ登録と高評価を頂き、本当にありがとうございます!
GWも休まないよう執筆したいと思ってますので、まだブクマしていない方は是非ブクマ登録をお願い致します。
若干筆が進まなくなっているので、モチベを上げる為にもお願いします!!
「お願いします!!
キリちゃんパパ!!ウチの人を助けて下さい!!」
リョウちゃんママが目に涙を溜めて俺に頭を下げた。
話を要約すると、リョウちゃんパパが所属する『ラッキー・パンチライン』というCランクパーティーが、Cランクの荻窪ダンジョンで生配信中にダンジョン異常が発生。
7階層でBランク魔物のマッドゴーレムに襲われて、パーティーが散り散りになったようだ。
パーティーを組んでいる場合、魔導ドローンは一台しか使わない。
リョウちゃんパパはドローンの撮影範囲から離れてしまい、安否も定かでは無いらしい。
パニックになったリョウちゃんパパ以外のメンバーはリョウちゃんパパを助けに行く為、一度生中継をストップしたようで安否が不明の状態なのだとか。
当然、リョウちゃんママは直ぐにJSAに連絡を入れたが、フリーのAランクパーティーに依頼をかけるまで、1時間はかかると言われたそうだ。
パパのピンチに居ても立っても居られなくなったリョウちゃんは、パパを助けに行くと言って家を飛び出し、リョウちゃんママは部屋着のままで息子を追いかけて今に至る。
「ゴメン、雪乃ちゃん。
デートはまた今度で良いかな?俺、これから荻窪ダンジョンに行って来る!」
「キィたんのお友達のパパが危ないのに、黙って帰るなんて出来ません!私も行きます!
私用のスペアの装備品を出して貰って良いですか?コンビニの更衣室を借りて着替えて来ます!」
俺は緊急時に備えて雪乃ちゃんから渡されていた予備の装備品をアイテムボックスから取り出し、雪乃ちゃんに手渡した。
受け取った雪乃ちゃんは急いでコンビニに入って行く。
「リョウちゃん、リョウちゃんママ。
俺と雪乃ちゃんはめちゃくちゃ強いから、任せてくれて大丈夫だ。
今から猛ダッシュでダンジョンに行くから、お家に戻ってパパの帰りを待っててくれないかな?」
俺は未だに泣きじゃくるリョウちゃんの頭を撫でながら話しかけると、2人は頷いて家の方へと引き返して行った。
……て言うか、リョウちゃんの家は此処からちょっと離れていた筈だが、リョウちゃんママはワガママ過ぎる体にTシャツ一枚で良く平気だな……
……今もお尻のお肉さんが裾から少しコンニチワしているし……
いや、煩悩に囚われている場合では無い!!
雪乃ちゃんが着替え終わる迄に、もう一つやっておかなくてはならない事がある。
それはJSAへの救援報告。
ダンジョン異常発生時に救援に行く場合、市街地で能力制限の魔導具を外したり、魔導ドローンを緊急モードにするにはJSAの許可が必要になる。
俺は速攻でポッケからスマホを取り出して、緊急ダイヤルアイコンをプッシュする。
『はい。JSA東京本部、緊急対策課の谷口です』
「ID42424217の神城と、42424218の清川だが、今からダンジョン異常が発生した荻窪ダンジョンに向かう。
魔導具の力制限解除と、魔導ドローンの非常サイレンの使用許可を頼む」
『はい、神城さんと清川さんですね……え!?お2人は『ガチ勢』の!?
す、すみません!『ガチ勢』は驚異度A以上のダンジョン異常以外での救援活動は認められません』
返ってきた答えは意外なモノだった。
何だよソレ!?
人の命がかかっているのに、驚異度とか関係ねえだろ!?
「ふざけんな!!今ダンジョンに居るのは俺の知り合いだ!!
そんなお前らが決めたルールなんてどうでも良いだろうが!!」
『で、ですが、『ガチ勢』はSランクパーティーの中でも特別だから、柊会長が下らない救援には出すなと…』
クソ!あのクソジジイが!!
マジで何考えてんのか分からねえな!!クソジジイが!!
「なら、今すぐあのジジイに伝えろ!!
救援許可を出さなければ彩音をパーティーから追放する!
そうなりゃあ、俺らはAランクだ!救援活動に何の問題も無い」
『は、はひ!しょ、少々お待ちを…』
電話口の人はただ指示に従っているだけだから可哀想だが、リョウちゃんパパの命が懸かっている。
かなり強めの口調で脅しをかけさせて貰った。
正直、彩音も中々見所が有るので追放する気なんて更々無いが、取り敢えずあのタヌキ野郎の出方次第なので最悪の場合は仕方ない。
『お、お待たせ致しました!
今回は特例という事で、救援許可が降りました!
GPSで神城さんの現在地は特定してますので、JSAからもドローンを飛ばして、荻窪までの道中は緊急サイレンを鳴らしておきます』
「サンキュー!さっきは凄んじまって悪かった。
これから最短ルートで行かせてもらう!」
俺は通話を切ると力制限の魔導具を解除して、魔導ドローンを緊急モードに設定した。
それから程なく着替え終えた雪乃ちゃんと簡単にルートを確認して、一気に加速する。
今の俺と雪乃ちゃんが本気を出せば、時速100キロでの走行が可能だ。
ドローンは最高時速120キロで飛ぶので、俺達よりもやや前をサイレンを鳴らしながら飛んでいる。
探索者が緊急サイレンを鳴らす=ダンジョンで緊急事態が発生したという事は殆どの人が知っている。ウチの桐斗ですら『ビービーら』と言って道の端に行くくらいだ。
当然、周囲の人達や車両は道を開けてくれる。
周囲が開けた事を確認してから、俺と雪乃ちゃんは車道を直走る。
ある程度加速した所で大きくジャンプして、手頃な4階建ての鉄筋コンクリートの建物の屋上へと着地。
そのまま走って次々と建物の屋上へと跳躍する。
偶にバードストライクしそうになるが、鴉にぶつかった所で傷一つ負う事は無い。
まぁ、衛生的によろしく無いのでぶつからないようにはしているが。
ううん……やはり雪乃ちゃんのヒップは素晴らしい……
俺は先行する雪乃ちゃんのヒップに釘付けになった。
あ、いや!悪い意味じゃない!良い意味でだ!
大臀筋から大腿二頭筋、そして下腿三頭筋のバランス的な?そういう意味合いで釘付けになった迄で、決して下衆な感情で見た訳では無い訳ですよ……うん……
俺は良い意味で雪乃ちゃんの背後に付いて、風の抵抗を良い塩梅にしながら建物の屋上から屋上へと移動して荻窪ダンジョンへと向かうのだった。
◆◇◆◇◆
「優先するのはリョウちゃんパパ達の救出だ!
道中魔物とは極力戦わずに、スピード重視で行こう!」
「ハイ!」
ダンジョンに入った俺は雪乃ちゃんに簡単に指示を出して、超スピードで7階層へと向かう。
リョウちゃんママから話を聞いてから到着まで20分弱。
その前からダンジョン異常が起きている事を考えると、恐らく30分は経っている筈……
「……という事で、失礼雪乃ちゃん!」
「ひゃうっ!いやん、ゆ、ユーキさん…」
俺は雪乃ちゃんをお姫様抱っこすると…
「【モード:アクセル】!!」
URスキル【モードセレクター】で敏捷性を爆上げするモードを使ってダンジョンを疾走した。
道中魔物は一切無視。
Cランクダンジョンの浅い階層の魔物に追い付ける程、【モード:アクセル】は温く無い。
普通にDランク魔物がゴロゴロしている所を見るに、今回はダンジョン変遷では無くて一纏めにダンジョン異常とされる現象のようだ。
探索者講習で教わったが、1ランク上のダンジョン魔物が現れる事は度々起こるらしい。
ただ、2ランク以上上の魔物が出た場合は、オーバーフローの予兆だったり、スタンピードの予兆という事だ。
荻窪ダンジョンは駅チカ物件で、周りに飲食店も多い。
民間人の被害が出そうな災害の予兆が今の所は出ていない事が唯一の救いか……
俺はそんな事を思いながら、猛スピードで7階層へと向かうのだった。




