27話 雪乃ちゃんとデートしたかったんですけど!? ①
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今回はリョウちゃんママイラストを載せました。
イラストのような恰好は嫌いじゃない………むしろ好き!!という方は是非ブクマ登録と高評価をお願い致します!!
「ゆ、雪乃ちゃん…その…おデ…おデ…」
「へ?オデ?」
「そ、その…
お、おデートしませんかっ!?」
「ひゃ、ひゃい!?」
彩音も訓練に励むようになって5日が経った本日。
JSAの訓練施設で朝の特訓を終えた俺は、ガチガチに緊張しながら雪乃ちゃんに声をかけた。
今日は姉貴と婚約者の皆川さんが桐斗を上野の動物園に連れて行ってくれると言う。
姉貴の婚約者の皆川颯太さんは優しさが服を着て歩いているような人で、桐斗もめちゃくちゃ懐いている。
そのご厚意に甘えまくった俺は、勇気を振り絞って雪乃ちゃんをおデートに誘ったのだ。
「あ、あわわ…ユーキさんとおデート…
で、でも、朝練後で汗が凄いし、下着もスポブラとかで……あ、でも、そういう流れになったら汗をかくから…はぅう…」
「ちょ、ちょっと落ち着こう。
何もこのまま行く訳じゃないから、一度家に帰ってゆっくり身支度をしてからで良いんだ。
そ、それに、その…最初のデートで雪乃ちゃんが考えているような事は…その…しないと思うし。
昨日徹夜でお上品な街に生まれ変わったSHIBUYAをリサーチしたから、サ!
11時頃に迎えに行くから、それまでに準備をシクヨロ!」
「は、はうう…わ、私ったら、暴走してしまいました…
し、渋谷でデートだったら、ま、待ち合わせとかダメですか?
わ、私、デ、デートとか初めてで、ま、待ち合わせとか憧れているので…」
「2人とも、中学生のようですわね」
「「………!!!」」
俺が勇気を振り絞って雪乃ちゃんを誘っていると、先程までバテて床に這いつくばっていた彩音がツッコミを入れて来た。
コイツ、マジでムカつくんですけど。
「そもそもユーキ様は結婚してらしたのに、何故おデートの誘い方がぎこちないんですの?」
「う、うるさいな!
デ、デートなんて、結婚する前に元嫁と数える程度しかした事が無いんだ!
悪いか!?」
「へ?ユーキ様程の美男子が、前の奥様としかおデートをされた事が無いんですの?」
「あ?俺が美男子とか訳分からん事を言うな。
冴えないブサメンだと言われて来た俺にケンカ売ってんのか!?」
俺は思わず声を荒げてしまった。
だってそうだろう?俺はこれまで身内以外の女性から容姿を褒められた事が無い……筈だ。
ガキの頃は可愛いとか言われたが、そんなもの大体の子供は可愛いと言われるものだ。
高校卒業後に初めて付き合ったのが元嫁で、その元嫁からはブサメンだの面白味のない男だの、私だからあなたみたいな男と付き合ってやってるんだからだの、否定的な事しか言われて来なかった。
生配信のコメ欄で俺を『イケメンニキ』だのと呼ぶ連中は、ブサメンの俺の事を馬鹿にしているだけだろう。
桐斗は奇跡的に俺にも瑠奈にも似ないで、超絶可愛いお顔に産まれてくれたのがとても幸運だったよなぁ……
「ほ、本気で自分をブサメンだと思ってらっしゃるのですか?」
「ユ、ユーキさん……それ、めちゃくちゃ嫌味ですよ?
他の男の人の前でユーキさんがそんな事言ったら、刺されても文句言えないです……」
な、何故か雪乃ちゃんまで加わって来たぞ?
これ以上、容姿の事に触れられたく無いのだが……
「良いですか?ユーキさん!」
「ひゃ、ひゃい!」
「何処の馬鹿な女がユーキさんの綺麗なお顔を貶したのか知りませんけど、コレを見てもそんな事が言えますか!?」
何故か怒った様子の雪乃ちゃんはそう言うと、DLSアプリの掲示板を見せて来た。
そこには、『イケメン探索者ランキング20XX part.4216』というスレッドが表示されている。
……スレタイの下には……
【最新版】イケメン探索者TOP10
殿堂入り【神城雄貴サマ】 26,712票
1位:ホーク高嶺サマ 542票
2位:ヘクター・バニングス 488票
3位:東堂寺英サマ 396票
4位:ジェ・ヨン 378票
5位:AYUM@サマ 369票
6位:横入り安生サマ 271票
7位:高林隼人サマ 244票
8位タイ:ベイツ・ストラドリン 216票
8位タイ:グッバイ滝本サマ 216票
10位:イ・テウォン 174票
「ああ!アユマットさんが5位に入ってる!!凄え!!
やっぱ、アユマットさんは男前だもんなぁ」
「ちょっと、食い付く所間違えてますよ!!
ユーキさんがぶっち切りでイケメン過ぎて、殿堂入りしているんです!!
2万票を越えてるんですよ!?」
「え?………ホントだ………
………うん、コレは同姓同名の別人だわ。うん、そうだよ………」
「あああ!!もう!じれったい!!
良いですか!?ユーキさんはホントにお顔が美男子なんです!!
キィたんもユーキさんに似てるから、あんなに可愛いんですよ!?
私は、ユーキさんのカッコいいお顔も、優しくて気取らない所も、キィたんを大切にしている所も、めちゃくちゃ強い所も、配信では偉そうなのに普段は低姿勢な所も、全部大好きなんです!!」
や、やばい…雪乃ちゃんがめっちゃ顔を真っ赤にして怒ってる……て言うか、めちゃくちゃ恥ずかしいんですけど……
「う、うん…ご、ごめん……じゃあ、俺もこれ以上容姿にコンプレックスを持たないようにするよ……
……そっか……雪乃ちゃんは俺をそんなに好いてくれていたのか………う、う、う、嬉しいな………」
「はわわ……す、す、すみません!
ちょ、ちょっとムキになってしまって……
……でも、ユーキさんを……す、す、好きなのは本当ですから!!」
「ハァ……私の入る隙間は無さそうですわね……
もう!いつまでも人前でイチャイチャしないで下さいまし!!
さっさと、帰って待ち合わせでもデートでも好きにすると良いのですわ!!」
俺と雪乃ちゃんが赤面しながらモジモジしていると、彩音にめっちゃキレられた……。
俺と雪乃ちゃんは気まずくなり、そそくさと其々の家に帰るのだった……。
◆◇◆◇◆
「あ…」
「あ…」
服に無頓着な俺が精一杯のオシャレ服(姉貴に選んでもらって買った服)を着込んで家を出ると、我が家の目の前でめちゃくちゃ可愛いワンピース姿の雪乃ちゃんと遭遇した。
一応渋谷のセン公前に約束の30分前に着くように出たんだが……。
ま、待ち合わせの意味が……
「あ、き、清川さんのお嬢さん、き、奇遇ですね……」
「ぷっ……ふふふ……
清川さんのお嬢さんって、よそよそしくないですか?
待ち合わせは残念ですけど、私達は気が合うって分かってちょっと嬉しいです。
じゃあ、一緒に渋谷に行きましょうか」
か、可愛いんですけど!
何!?そのお口の前に可愛らしいグーを持って来るスタイル!?
俺はドキドキする胸を抑えるように一つ深呼吸をして、雪乃ちゃんと並んで五反田駅へと歩く。
「そ、その…水色のシャツ……爽やかで素敵です……」
「あ、うん……あ、ありがと。
その……ゆ、雪乃ちゃんも、す、凄くその…か、可愛い……バッチリ可愛い、うん……」
初夏のモワッとした空気の中、時折香って来る雪乃ちゃんのシャンプーとかリンスとか、トリートメント的な、そんな甘い香りにドキドキしながら、俺は極力クールな受け答えに努めた。
何故だろう?戦闘訓練とかは普通に話せるし、ここまで照れないのに、プライベートで会う時はいつもドキドキする……。
俺は生まれて初めて体感する妙な感覚と、雪乃ちゃんとデート出来る幸せを噛み締めながら足を運ぶ。
もち、デート中でも一切油断はしない。
いつどのタイミングで魔物に襲われても、直ぐに雪乃ちゃんを守れるように体勢を整えながら、細部まで神経を巡らせながら歩いているのだ。
「あ!!ヤベエ!!
イケメンキニとユキノちゃんだ!!」
「あ!!マジだ!!」
「ヤベ!ちょ、2人の距離近くね!?」
「バッカ!!察しろよ!!
あ、デート中すんませ〜ん!写真とか良いっすか!?」
幸せ気分で歩いていると、コンビニの前でたむろしていた大学生っぽい馬鹿そうな5人組に声をかけられてしまった……。
コイツらのすんませんは全然申し訳無さが微塵も感じられない。
俺がイラっとしながら断りを入れようとしたその時だった……。
「涼太!!待ちなさい!!家に戻りなさい!!」
「いやぁぁあ!!パパぁぁあ!!
うぁぁぁあん!!パパぁぁあ!!」
突如聞き覚えのある女性の声と、幼児の泣き声が聞こえて来た。
あ、アレはもしかしなくても……桐斗の託児所友達のリョウちゃんとリョウちゃんママじゃないか。
リョウちゃんママは余程慌てていたのだろうか、ワガママな体にTシャツ一枚という悩ましい格好をしている。
何か、ただ事では無い雰囲気を感じるな……。
「おお、リョウちゃん。リョウちゃんママ。
そんなに走ってどうしたんだい?」
「あぁ……キリちゃんパパ……
この子が……その……」
「うぇぇえ!!キリトくんのパパぁぁあ!
ボクのパパをたちけてぇぇぇえ!!」
俺が声をかけると、リョウちゃんはギャン泣きしながら俺の足にしがみついて来た。
確かリョウちゃんパパも探索者をしていたはず……この間、桐斗を託児所に送りに行った時、今度コラボしましょうなんて話をしていたっけ。
リョウちゃんだけでなくリョウちゃんママまで目に涙を溜めている所からも、リョウちゃんパパに何かあったんだろう。
俺は雪乃ちゃんと泣いてるリョウちゃんを窘めながら、ムッチリと色気のある体型を誇るリョウちゃんママから話を聞くのだった。




