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24話 愛息を人質に取られたんですけど!?


ブクマ登録や高評価を頂き、本当に感謝しております!

という事で、感謝の2話目投稿です。

あと、17話にヘビさんの挿絵を追加しました。

まだブクマしていない方は、是非ブクマ登録や高評価を宜しくお願い致します!!


 


「ボク、じてんちゃブンブンれきるんらよ!」

「あら、そうなの?キリトくんは凄いのねぇ」



 桐斗との自転車練習の後、俺達はJSA本部にパーティー申請にやって来た。

 受付に行くなり、桐斗は得意顔でお姉さんに自慢している。そんな桐斗に破顔するお姉さん。

 褒められた事で、桐斗はご満悦である。



 序盤で俺が色々と目立ってしまった事で、桐斗も今や皆んなのアイドルとなっている。

 特に女性人気が凄まじく、将来女誑しにならないか心配な程モテモテだ。



 桐斗の自転車自慢が一頻り終わった所で、俺は本題のパーティー登録の手続きを行った。

 書類にサインをして、探索者活動や配信等で得た収入の分配率についてを決めるだけなのだが…



「その手続き、ちょっとお待ち下さいませんこと?」



 突然背後から声をかけられた。

 振り返ると、昨日散々掻き乱した柊彩音が立っていた。



「いや、待たない。

 では、分配率は50:50で頼むよ」


「む、無視しないで下さいまし!!

 美鈴さん、その書類は不備がございますので、決して受理してはなりません!!」


「あ、ピンクママら!ピンクママァ、ボクね、うんとね。じてんちゃブンブンしたの!」


「あらあら、キリトちゃんはもう自転車に乗れるんですのね?

 ホラ、ママの所にいらっしゃい?うんと撫で撫で致しますわ」


「わぁい!ピンクママァ」


「あ、桐斗!ソイツの所に行ってはいかん!」



 俺は咄嗟に桐斗を止めたが、既に桐斗はとてとてと彩音の所に向かっていた。

 彩音は笑顔で桐斗を抱き上げ、サラサラな黒髪を優しく撫で撫でする。



「ふふふ。人質を取りましたわ。

 桐斗ちゃんを返して欲しかったら、私をパーティーに入れて下さいまし」


「ひ、卑怯だぞ!貴様!」


「キィたんの純粋さにつけ込むなんて、やり方が汚いです!

 早くキィたんを解放して下さい!キィたんのママは私なんですから!」



 彩音の白昼堂々の犯行に、俺と雪乃ちゃんは猛抗議をした。

 まぁ、雪乃ちゃんのママ宣言は先走り過ぎだが、ゆくゆくはそういう関係になりたいと考えているので突っ込まないでおこう。

 それより、今は桐斗の奪還が優先だ。



「お!イケメンニキが爆乳美女2人と痴話喧嘩をしているぞ!」

「マジだ!まさか、浮気がバレたのか!?」

「ぐぬぬぬ…雪乃ちゃんと彩音様の2人の爆乳を独り占めするとは…」

「リア充のイケメンニキは死ね!」

「いいなぁ、私もユーキ様のハーレムに入りたいなぁ…」

「アンタはペチャパイのブスだから無理じゃん?

 ウチはFカップだから、ユーキ様ハーレム入り待った無しね」

「何よ!アンタの方がブスじゃない!」

「は!?ウチ、学生時代からモテて来たんですけど!」



 くっ…外野が騒動を嗅ぎ付けて好き勝手言い放題でやがる…

 それよりも今は桐斗の事だ。



「俺は雪乃ちゃんとしかパーティーを組む気は無い!

 雪乃ちゃんと距離を縮めて、ゆくゆくは結婚前提の真剣なお付き合いをするんだ!

 貴様が入る余地は無い!」


「はぅぅ…わ、私がユーキさんと結婚前提で…

 あ、あんな事やこんな事とか…いやん、ユーキさん、そんな事しちゃらめぇ!!」



 な、何故か雪乃ちゃんが暴走し出したぞ?

 ダメだ…完全に妄想の世界に入り込んでいる…

 こうなったら、俺1人で何とかするしかない。



「神城君、私からのアドバイスだ。

 彩音を君達のパーティーに入れたまえ」



 受付カウンターの奥からヒョイと現れたJSA会長が、急に俺達のゴタゴタに割り込んで来やがった。

 この野郎、横暴にも程があるぞ!



「はぁ?何で協会が探索者のパーティー編成に口を出して来るんだ?

 しかも、公私混同じみた事を言いやがって」


「いや、公私も少しは混同しているが、コレは君達パーティーにとっても得しかない話だ。

 此処では伝えられない情報もあるので、場所を変えよう。

 美鈴君、2階の会議室にキリト君の大好物のマンゴープリンと、人数分の飲み物を持って来てくれ。

 私はいつものミネラルウォーターを。君達は何が良い?」


「俺、エスプレッソをダブルで」

「ボク、おれんじじゅーしゅ!」

「そ、それじゃあ私はダージリンティーで」

「私はハーブティーを所望しますわ」



 皆んな好き勝手に注文したものだから、美鈴さんはいそいそとメモを取る。

 受付のお姉さんがカフェ店員扱いで可哀想だが、会長が俺達に好きな飲み物を聞いて来たのが悪い。



 会長のせいにしつつ、俺達は会長に付いて2階へと移動した。




 会議室は100人程が座れる広い部屋で、椅子もテーブルも高級な物だと一目で分かる。

 ダンジョンビジネスは人命がかかっている分、儲けも破格というのは分かっていたが、先日の会長室といい、JSAもかなり潤っているようだ。


 俺達が広い会議室の隅っこに座り、飲み物とマンゴープリンが運ばれたタイミングで会長が口を開いた。



「さて、先ずは私が彩音を君達のパーティーに参加させたい理由の一つ目から話そう。

 Sランクの神城君とAランクの雪乃君がパーティーを組んだ場合、パーティーランクはAランクとなる。

 しかし、もう1人Sランクである彩音が入れば、Sランクパーティーとなるんだ」


「いや、別に俺も雪乃ちゃんもAランクで良いが?」


「ふう…君らはSランクパーティーの待遇を知らないからそんな事が言えるんだ。

 良いかい?ソロのSランク探索者も公共施設の割引や税金の引下げなど優遇されて居るが、パーティーのSランクはそれだけじゃない。

 家族へのサポート体制が破格なんだよ。


 君はキリト君を命よりも大切にしている。

 幼い子供がいる探索者はJSAが提携しているセキュリティ万全なセレブ専用託児施設に預ける事が可能だ。

 しかも、仲の良いお友達5人までは同じ託児所に入る事が出来る。

 送り迎えは完全防弾、防魔法仕様のバスで、護衛として3名の元探索者が同乗しているから、安全面も抜群さ。


 又、遠征した場合のホテルもセキュリティ万全な超高級ホテルに宿泊出来るし、JSA専属のメイドを3名まで付ける事が可能なんだよ。

 つまり、キリト君を遠征先に連れて行った時、戦闘能力が確かで子供の世話に慣れた女性がキリト君の事を守ってくれるという訳だ」


「良し、その条件飲んだ!

 キリトの安全が確保出来るなら、喜んで条件を飲もう!」


「チョロっ!チョロ過ぎますよ、ユーキさん!

 何か裏が有るとか考えないんですか!?」



 雪乃ちゃんの言葉を聞き、俺はハッとした。

 確かに、俺のウィークポイントを真っ先に付いて来るとか、何かしら魂胆が有るのかも知れない。



 それに、柊剛造は界隈では黒い噂が絶えない。

 政治家や有力者と裏でズブズブだとか、大臣と繋がりのある企業に優先的にダンジョン資源を流しているとか。



 俺は目の前のオッサンを疑ってかかる事にしたのだった。



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