21話 何だか混乱して来たんですけど!?
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「と、突然やって来て、何が旦那様ですか!
ユーキさんに馴れ馴れしく近寄らないで下さい!」
「あら、其方の貴方は…確かダンジョン内でユーキ様に抱き付いてらっしゃった痴女ですわね?」
「な、な…痴女じゃ有りません!
あ、あ、アレは…し、親しい男女間のゴニョゴニョ…」
うわぁ、何か豪華そうなカーペットの上で2人の爆乳美少女が睨み合いをしている…
コレは巻き込まれない内に逃げるべきなのか?
俺が状況を伺っていると、桐斗がとてとてと近付いていくでは無いか。
「おねぇたん、パパのおともらち?
ゆきのねえたんのおともらち?」
「あら、可愛い貴方はキリトちゃんですわね?
私はお友達ではなくて、キリトちゃんのママですわよ?」
「ママ?おねぇたんはママじゃないもん!
ママはきんぱつなんらもん!」
「細かい事は良いから、いらっしゃい。
ママに抱っこさせて下さいな」
「ちょっと!キィたんに近寄らないで!」
雪乃ちゃんの制止も虚しく、桐斗は自ら彩音に抱っこされに行った。
「うわぁ、ホントら!ママのにおいがすりゅ!」
「うふふ。可愛いキリトちゃん、今日からママと一緒にねんねしましょうね?」
「わぁい!ママとねんねすりゅう!」
桐斗はあっさりと爆乳お姉さんに陥落した…
それも仕方がない事だろう。
先月実の母親である瑠奈と会った時、最初はテンション爆上がりだった桐斗が、3時間後に帰って来た時には寂しそうに俯いていた。
話を聞いてみると、瑠奈は桐斗と会っていた間はずっとスマホを弄っていて、桐斗が話しかけてもめんどくさそうにあしらっていたみたいだ。
あれ以来、桐斗はママに会いたいと言わなくなった……。
子供は大人の反応に敏感だ。
特に桐斗のように優しい子は余計に大人の反応を伺って来る。
彩音のように優しい笑顔で長い時間抱きしめてくれる女性をママと感じてしまうのも当然だろう。
俺は桐斗に遠慮をさせたく無いので、息子が気の済むまで甘えさせる事にした。
一時的な愛情表現など虚しいかも知れないが、父親の俺がしっかりと桐斗に向き合って愛情を注げば良い。
「だから、勝手にママとか言わないで下さい!
キィたんのママは私なんですから!
ホラ、キィたん。私がママだもんね?」
「え?ユキノねぇたんもママ?」
「う、うん!そうだよ!
いつもお姉ちゃ…ママとお散歩したり遊んでるもんね?
ほら、ママが抱っこしてあげるからいらっしゃい」
な、何で雪乃ちゃんまでママ宣言をするんだ!?
だが、確かに雪乃ちゃんは姉貴の次に桐斗の面倒を見てくれている。
でも、いつも近くにいるだけに、ママだと誤認してしまうのはなぁ…
実母よりも遥かに頻繁に会ってくれる雪乃ちゃんをママ認定してしまうと、俺もついつい彼女の存在に甘えてしまうかも知れない。
それは余りにも都合が良すぎ…あ、桐斗が抱き付いた…
「あぁ…ゆきのねぇたんもママのにおいがしゅりゅ…
ママぁ、ママぁ……」
「ほら、ママの可愛いキィたん。いつもママと一緒だからね」
ちょ、ちょっと桐斗のヤツチョロ過ぎないか?
イカン!こんな時、父親としてどうするのが正解なんだ?
そもそも、桐斗が母親と離れ離れになってしまったのは俺の至らなさが原因だ。
だが、息子が求めているとは言え、仮初の優しさを与え続けるのは桐斗の為にならない。
彩音のように一時の優しさを与えられるだけならば、桐斗だって彩音に依存をしたりはしないだろう。
寧ろ、子供は色々な人からの優しさに触れる事で、他の人への思い遣りを持つようになると俺は思っている。
俺の知り合いにも幼少期に親からの愛情や周りからの優しさを受けなくて、思春期に非行に走ったヤツは結構いたしな。
それでも、雪乃ちゃんにママのように甘えるというのはまた話が違う気がする。
距離が近すぎる雪乃ちゃんを母親と誤認すると、桐斗はどんどん雪乃ちゃんに母としての愛情を求めるだろう。
心優しい雪乃ちゃんはそれでも桐斗を可愛がってくれるだろうが、いつかは母親では無い事を知る時が来るし、その時桐斗も大いに傷付いてしまうだろう。
そもそも都合良く雪乃ちゃんに母親役を押し付けるなんて、彼女に対して失礼な話だ。
俺が彼女と恋仲になって結婚するなら話は別だが…ん?俺は雪乃ちゃんの事をそもそも異性として見ているのか?
て言うか、雪乃ちゃんはどうしてママだと名乗りを上げたんだ?
ヤバい…混乱して来た…
取り敢えずこれ以上拗れる前に、さっさとづらかろう。
「さて、色々誤解されてるみたいなんでそこはおいおいって事で、今日はこれから桐斗とどうぶつさんの鳴き声クイズをしなきゃならんから、帰りますね。
ほら、桐斗。いつまでもお姉ちゃんに甘えてないで、パパとどうぶつさんクイズをしよう」
「いや!ママもいっちょにどーぶちゅたんくいじゅしゅるの!」
「そうよね!ママとしてキィたんとどうぶつさんクイズ頑張らなきゃだね!
じゃ、赤の他人さんとはここでお別れという事で」
「あら?心外ですわね。
私も今日からキリトちゃんのママなのですから、ご一緒にクイズを致しますわ。
ねぇ、キリトちゃん?」
「うん!ぴんくままもいっちょ!」
くっ…雪乃ちゃんはまだ良いとして、何故初めて会った彩音までついて来るんだ?
何か2人の間にバチバチとした何かがスパークしている感じがして、俺が口を挟んじゃダメな雰囲気がヒシヒシと伝ってくるしヨォ!!
結局謎の女性特有の圧に屈した俺は、彩音を含めた4人で帰る事になったのだった……。
いつもお読み頂きありがとうございます!
本作主人公はマイホームパパ兼格闘技オタクという設定なので、緩い日常、訓練、ダンジョン探索が交互に続く感じを考えております。
一応、新キャラの柊彩音は今後も本筋に関わって来ますので、ゆるい感じでお楽しみ頂けると幸いです。
明日は投稿お休みにさせて頂き、29日から再開予定であります。




