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9話①


「ヒナ?」


「ん?何?」


「あのさ、こんな所で、のんびりしてて良いのか?」


「……」


「早く帰らなくて良いのか?って事だよ」


「……」


「今日、伊集院が、理事長室に来てただろ?」


「あぁ、そうみたいだね」


「あれ、様子見に来たんじゃないか?」


「ん?別に、前理事長なんだから、理事長室に来ててもおかしくないだろ?」


「まぁ、そうなんだが……」


でも、絶対、あれは、様子を見に来たんだと思うけどな……


最近、ヒナは、帰りに必ず俺の家に寄ってから、帰る


早く帰れる時でも、俺の家で、時間を潰してから帰る


まるで、早く帰るのが嫌みたいに……


「何かあったのか?」


「……」


「一緒に暮らしているんだからさ…もっと、会話した方が良いんじゃないか?一人で、色々考えてないでさ…」


ヒナは、一見、物をハッキリ言わないように見えるが、結構、意外と、ハッキリ、物を言う。それなのに…伊集院に対しては、それが無いように見える。それは、伊集院も同じで、お互いが、ハッキリと、言わないから、十年も離れ離れになってしまったんだと思うんだがなぁ…


ホント、二人共、学習しないなあ…
















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