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1話②
「ただいま」
陽向が帰ってきた。
「おかえり」
そう言って、僕は陽向に抱きつく。
陽向はモテるからな。それも無自覚に。
陽向を僕は絶対に離したくないから、色々と努力してる。
「今日のメニューはね、さつまいもとシーフードのシチューと、アスパラの豚肉巻だよ」
「うん、ありがとう」
高校生の時は、料理なんか出来ずに、いつも僕の分の、お弁当も陽向が、作ってくれていた。陽向は今も可愛いが、高校生の時はもっと可愛いかった。もう少し言えば、幼稚園の頃は、カッコよかった。だって、幼稚園の頃の陽向は、僕を守ってくれる、優しい王子様だったんだから。
だけど、何故か、陽向は、僕と初めてあったのは、高校生の時だと思っているようだ。