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オフコラボ配信

 【オフコラボ】一狩り行こうぜ【ハル/ショータ】


 「うーっす、こんはるー、ショータのお兄ちゃん系配信者ハルでーす」


 「あ…こんはるです。弟ってことになっちゃったみたいですショータです」


*コメント*

:きちゃ

:こんはるー

:誰?

:誰よそのおん…女? 男?

:オフコラボってマジ?大丈夫?

:ショータくんきゃわ

:ハル様今日もかっこいい好き♡

:あたしのお兄ちゃんが取られちゃう

:てぇてぇ…のか?

:男性×男装は脳がバグるんよ


 「どうだー? てぇてぇだろー?」


 ショータくんの後ろから抱きつくと、身長差があるので、俺の胸の辺りにショータくんの頭がくる。


 あ、なんか良い匂いするな…

 とか考えてしまうとやっぱり女の子なんだと意識してしまいちょっと恥ずかしくなるが、コラボといえば尊い(てぇてぇ)関係性を仄めかすものだろう。


 「わわっ、ちょっとハル…お兄ちゃん! 聞いてないよ!」


 「いいじゃーん、ちなみに今日は朝からショータくんと一緒だよ。お昼も一緒に食べたしさっきまで一緒にゲームしてて、配信終わったらまた一緒にご飯だよー」


*コメント*

:てぇてぇ

:てぇてぇ(血涙)

:羨ましい…

:壁になって二人を見守りたい

:もうラブラブじゃん

:死にたくなってきた

:てぇてぇ…

:わたしも男装しようかな…


 「じゃあさっそくゲーム始めて行こうか、今日は狩ゲーのドラゴンをハンティングするワールドやっていくよー」


 「さっきも一緒にやってたんだけど、お兄ちゃんはボクより上手だからね。手伝ってもらうんだ」


 「おー、いいぞーショータ。お兄ちゃんに任せろー」


*コメント*

:ハル様ゲームできるの?

:男の子も狩りゲーとかするの?

:マ? ショータくんかなりやり込み勢だよね?

:こんな優しいお兄ちゃんがいるわけないだろ良い加減にしろ!

:ハル様のお兄ちゃんムーブ好き♡

:そんな上手いの?

:これ結構難しいゲームだけど大丈夫?

:ファ!?

:ガチ廃人ビルドで草

:プレイ時間www

:えぇ…?

:火力全振りじゃん

:いややりすぎぃ!

:これは期待


 ログイン画面のプレイ時間と、ログイン後のアバターの装備を見てコメント欄がざわつき出す。


 ふはは、気分が良いぜ。


 「うし、じゃあ今日はね、昨日配信されたばっかりのイベントクエスト『極光を束ねし禁忌の竜』をやっていきまーす」


 「ボクは昨日ソロで何回か試したんだけど負けちゃったんだよね、お兄ちゃんは初見みたいだけど大丈夫かな?」


*コメント*

:超高難度クエストじゃねーかw

:それ四人前提のクエストよ

:敵の体力がプレイヤー数で変わらないクソ調整

:二人で倒せるの!?

:初見は無理よ

:そもそも公式発表のクリア率が現時点でプレイヤーの3%未満だって

:倒せたらマジで凄い

:ちょw公式がTmitterで反応してるw

:開発「みんなで見に行こう(配信URL)」

:ええんか…?


 「お? 開発も見てるってマ? 開発者さーん面白いゲームを世に出してくれてありがとうございます!お礼にこいつを初見でぶっ飛ばしたいと思いまーす!」


 「え? お兄ちゃん何回かやればいけるって話じゃなかったっけ…初見でいくって本当に? ボクも足引っ張りそうなんだけど」


 「大丈夫だいじょーぶ、配信切るまでは初見の体でいくから、じゃ早速出発するよー」


*コメント*

:ノリが軽すぎるw

:初見の体は草

:初見(n回目)

:自由すぎる

:ショータくんは双剣使うのね

:ガード不可武器で大丈夫か?

:ハル様はボウガンなのか

:ボウガンって玄人向けなイメージ

:しかも取り回しが悪いヘビィじゃん

:大丈夫?


 いくら初見のモンスターが相手とは言っても、シリーズを通してやってるとモンスターの骨格からある程度の攻撃パターンは読める。

 後は実際に攻撃を観察しながら当たり判定の範囲やモーションのフレーム数、予備動作や連続攻撃のパターンを覚えてしまえば、相手の隙というものが浮かび上がってくる。

 生きた生物と違い、ゲームのモンスターというものは人間にデザインされており、倒し方というものが予め想定されているものだ。


 「うーん、まぁ楽勝かなー」


 口では軽口を叩きながらも集中して敵の攻撃を回避しつつ、ヒットエフェクトから判断した弱点に攻撃を当て続ける。


*コメント*

:上手すぎる

:ファーwwwww

:エイムやば

:ぬるぬる敵の頭に追尾する照準怖すぎw

:激しい指捌きがえっちですね…

:これで初見ってマジ?

:敵がかわいそうなくらい怯んでる

:こんだけ怯むとショータくんもやりやすそうね

:私が戦った時と違いすぎるんだけどw

:こいつこんな怯むのw

:火力全振り装備で弱点叩き続ければ理論上そうなるやつを本当にできるやつがあるか

:なんか敵が弱く見えてきた(錯覚)

:私の弱点も攻撃して♡


 「おっ、ショータくんナイス麻痺たすかるー」


 ショータくんの双剣に付与された麻痺属性で敵に状態異常の麻痺が入った。

 敵が麻痺から復帰するのに合わせて頭に榴弾をぶち込んで流れるようにスタンさせる。


 「お兄ちゃんもナイススタンです! 畳み掛けるぞー!」


 弱点に総攻撃を仕掛けるとスタンからの復帰で敵の頭角がへし折れて、そのまま怯みダウンし更に攻撃チャンスが生まれる。


 「おー、いいね! ピタゴラスイッチじゃん」


*コメント*

:もうやめてあげてよぉ!

:ピタゴラスイッチは草

:麻痺→スタン→角破壊ダウン

:お手本のようなピタゴラ

:画面の切り替えどうやってるんだこれ

:謎の技術

:もう敵がかわいそうになってきた

:強すぎる

:え?

:あ

:おぉ!

:きたあああああああああ

:あれ?敵死んだ?

:クリア?

:早すぎるw

:88888888888

:おめでとー

:おめでとうございます


 「ありゃ、倒しちゃったか呆気ない。というわけでクリアタイムは…14分47秒ですね。対戦ありがとうございました」


 「えぇっ!? ボク昨日ソロで50分戦っても角すら折れずに時間切れだったんだけど?」


 「ふふふ…これが兄弟の絆の力ってやつよ」


*コメント*

:どうなってんのw

:私が見たクリア動画だと4人で20分かかってたんだけど

:マジで上手かったというか上手いの次元超えてた

:もしかして敵のドラゴンメスだった?

:メス竜もオスには弱かったと

:兄弟ってすげー(純粋)

:公式も困惑してるぞw

:開発「あれ…?このクエスト簡単すぎ…?」

:リプ欄阿鼻叫喚で草

:ハル様に苦手なものってあるの…?


 「というわけでかなり尺余っちゃったから後は適当に高難度クエの周回して素材集めでもしようかな?」


 「ボクとしてはこのクエストの攻略で今日の配信終わる想定だったんだけどね…」

初レビュー頂いてました。

嬉しいです。ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 現実にもいるタイプの妙に登録者少ないえぐいRTAするタイプの人じゃん。登録者こっちは多いけど
[良い点] 簡単過ぎ?という勘違いからどんどんと有り得ない程難しい物が生まれ、それを攻略した者が現れる…無限ループが生まれる訳だなw 音ゲーもそうやんな
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