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朝起きたらそこは


 翌朝、目覚ましもかけずに寝たせいか、時計に目を向けると既に10時を回っていた。


 さすがに寝過ぎたかとも思いはしたが、これもニートの特権だななんて考えながら、口元を綻ばせて起き上がる。


 何気なく身を起こした先にある鏡にはとんでもない美少年が映っていた。


 「は?」


 …いや、いくら自己肯定感が高いとは言っても、そこまでナルシストなワケじゃない。


 本当に見知らぬ美少年だったのだ。


 一気に目が冴えて、ベッドを抜け出し姿見へ歩み寄ると、どう考えても20代後半のアラサーに足を踏み入れていたはずの男ではない。


 歳は18くらいでも通用しそうな若々しい見た目だったが、顔のパーツをよくよく見るとどことなく若い頃の自分の面影があるように思えた。

 さすがにこんなにも整ってはいなかったが。


 服を捲ると、「引き締まった」と「鍛えあげられた」の中間くらいの細マッチョ。


 なんというか、ザ・理想の俺って感じだ。


 いったい全体自分の身に何が起きているのかは分からないままだったが、理想の自分の美しさに、ついつい鏡を見入ってポーズなんかを決めてしまっていた。


 「いやいやいやいや…」


 こんなことしてる場合じゃないだろ…


 現代の科学でも説明が付かないようなことが自分の身に起きている。


 寝室を出て、何か手がかりが無いか調べることにした。



◇◇◇


 まず、自分の身分証を見る限り、名前は高梨春樹と変わりなかったが、生年月日が後ろに数年ずれており、数えてみるとちょうど20歳ということだった。


 その後、不動産の登記や銀行口座、証券口座なども一通り確認したが、それらの資産は変わらずで一安心だった。


 結局、多少若返ってイケメンになったってだけでデメリットらしいものは今のところ見当たらない。


 念のため、このような不可思議な現象が俺だけに起きているものなのか、それとももしかしたら世界的に起きていたりする可能性もあるかもしれないと思い、ネットニュースを見てみることにした。




 ──これ、アレだ。貞操逆転世界だ。

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