表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦場洋琴  作者:
1/3

00

 辺りを包む乾いた土煙。時折鼻を刺すのは、銃口から上がる煙と焦げた肉の臭い。隣にいたはずの仲間が気付けば足元に転がっている。銃声に混じらぬ程の大声で名を呼ぶが返事はない。

「――……ッくそ!」

 (かつ)ての英雄だと? ふざけるな。(きら)びやかな栄光だって、磨かなければくすみ、いつしか滅ぶではないか。畜生、何が勇衛士(ゆうえいし)だ。何が英雄だ。何が栄光だ。死んでしまったら全て無くなってしまうではないか。

 死骸と成り下がった友の迷彩柄をした軍人用ズボンのポケットから乱暴に銃弾を剥ぎ取った。彼が愛用していた機関銃は、撃たれたと同時に彼方へと吹き飛び無残な形でくたばっている。

「……スミス、ティスト、モルト、ラフロ……」

 今までの戦時で死んだ仲間の名を呟きながらライフルの薬室に実包(じっぽう)を一つずつ装填していく。己の身を隠すためのコンクリートの壁もそろそろ限界のようだ。預けている背からヒビが段々と拡がっていく感触を感じる。



 ――生き残れるだろうか、自分は。否……生き残らなくてはならない。



 戦場には合わない、洋琴(ピアノ)の繊細な音が耳奥に響いた。彼女は、俺を許してくれるだろうか。

初めまして。(つばめと申します。

戦記物という事でかなり緊張していますが、最後までお付き合い戴ければ、と思っております。

では、行ってらっしゃいませ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ