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転生先は異世界でした

申し訳ありませんが、今回も品のない展開が続きます。

 随分、大きくなりました。

 生後3か月、くらいかな。だんだん数えるのが面倒になってきた。


 我が事ながら、赤ん坊の成長の早さに驚くね。

 もうね、寝て起きると身体が大きくなっているのが分かるくらいなんだよ。碌に動いていないのに、身体が食事をしっかり要求するだけあるよね。

 ゆったりと寝られていた揺り籠もすっかり手狭になって、ベッドに引っ越しました。


 この3か月、色々あったよ。

 具体的に言うと、乙女の矜持が粉々になりました。


 食べればその分排泄物が溜まる。当たり前の事。おっぱいしか飲んでいない私も、例外じゃない。

 はじめの内は良かった。

 ほとんど起きていられないから、寝ている間に粗相して、気が付く前にお世話係の人達が処理してくれていたみたい。気が付いてはいたけど、考える事を避けていた。

 この時点で乙女としてどうなんだと思わなくはなかったけれど、精神衛生上ダメージはまだ少なかった。


 でも、成長と共に起きていられる時間が増えると、そうも言っていられなくなった。

 勿論、最初は催した時点で、トイレに連れていってほしいと訴えてみたのだ。全く伝わらなかったけれど。

 未だ舌が回らないせいで形にならない言葉と、身振り手振りで必死に訴えてはみたよ。結果、駄々をこねていると思われたらしい。私のご機嫌を取ろうと、一杯一杯あやしてくれた。違うの。


 赤ん坊に、我慢する、なんて機能は備わっていない。限界を迎えたのはすぐだった。


 放心する私を他所に、その後の使用人さん達は素早かった。恥ずかしいと嫌がる私の抵抗などものともせずに、おむつ替えは行われた。暴れる私を叱るでもなく、無理やり押さえつけるでもなく、無駄なく交換を終わらせた使用人さん達は素直に凄いと思う。

 恥ずかしいのは避けられないにしても、不快感はまるで無かった。

 お湯で温かく湿らせたタオルでお尻の谷間まで丁寧に拭かれて、私の乙女心はガリガリと削られたけれども。


 当然ながら、これが1日に何回も起こる。私の乙女心は重体です。


 でも大丈夫。

 赤子の私は、まだ物心がついていない。だからこの記憶は残らない。絶対に、残したりしない……!




 それはさておき。

 首が座ったお陰で視界が広がって、漸く異世界に転生した確証を得た。


 この世界、汚い。


 黒いモヤモヤしたものが、そこら中に付着している。

 私の知っている世界では有り得ない。

 首を動かせるようになって、初めて私の胸にもモヤモヤが付いているのを見てしまった時は慌てて払った。

 幸い、払うとすぐに消えてくれる。

 手が汚れるのも嫌ですぐ拭おうとしたけれど、モヤモヤは手に移っていなかった。良かった、良かった。


 この日から、目覚めると身体をできる限り拭うのが日課になった。清潔大事。

 体の可動域が限られて、全身を拭えないのが悩ましい。


 でも誰も気にならないのか、お母さんも使用人さん達も汚れたままで生活している。

 この世界ではこれが普通なの?

 掃除も洗濯もしているみたいなのに、何故かモヤモヤ汚れだけは気にしないらしい。変だよね。


 でも、私は受け入れない。

 元が付くけど、私は日本人。不潔は絶対に無理。


 だから、抱き上げられた際にはこそっと払う。特に、お母さんの胸の周りは念入りに。私が口をつけるところだからね。

 できるなら部屋中丸洗いしたいけど、今の私には叶わない。

 早く大きくなりたい理由が増えた。


 いつか撲滅してやるからなー!

お読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] おっぱいは念入り・・・ ふむ、続けて。
[一言] 清潔なのを好むのは人間特有の感情なのかもしれないですね。犬や猫は排泄しても拭いたりしないし、むしろ子供のお尻舐めてやったりしてるし。排泄物だからそれなりに臭いはずなのに無頓着。嗅覚は人間の数…
[一言] やはり赤ん坊スタートはハードモード……ッッ!!
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