婚約者を作れと言われまして
結局更新できなかったですね。
2話更新でお許しを…
その日は突然訪れた。
「はぁ?!婚約者を作れ?!」
「えぇ。」
「そんな!なんで婚約者?」
母が、父もとい王太子様と結婚して数日たった頃だった。
王様と王妃様に呼ばれて、王族のみ使用することが出来る応接間に通されてのこと。
「王太子妃、君の母親と君のことで、国内外によからぬ噂が回っているのだ。」
「噂?」
「王太子と結婚したのは君の母親だが、実は君こそが本当の恋人で、母親はその恋路を邪魔して、王太子をうばったのではないかという…」
「なんですか!その根も葉もない噂!」
あたしがお父さんの恋人?!どこに目つけてんだ!連れてこい!そいつ!!
と頭の中で毒づく私。
思ったより、声が大きく出てしまった。
王様達は私の剣幕に驚いて、座っているソファーで軽く仰け反っている。
まぁ、落ち着け私。
めっちゃムカつくけど、今はそんなこと言えない。
落ち着いて、この話を推理して精査しよう…。
確かに、母と父は15も年が離れていて、私の方が父との年が近い。
初婚の王太子が、再婚の母を選んだっていうのも、スキャンダラスだわ。
ワイドショーなら、朝から晩までこの話でもちきりだろう…。
ふうと息を吸って深呼吸する私を見て、目の前にいる王様達も若干安心したのか、表情が標準にもどったきがする。
「話だけを聞くと、うちの母は、とんでもない悪女って見えますね。」
「そうなのだよ。」
私の多少の理解が見えて、王様達は頷いた。
「城内でもその噂は広がり、王太子妃の評判が悪くなってきている。このままでは、民衆に理解を得られず、国が荒れる。そこで、」
「私に婚約者を作って、噂が事実無根と証明したいんですね?」
私は王様の言葉を受けて言葉を続けた。
王妃様は、「理解が早い子で助かるわ。」と、失礼なことを言った後、目の前の応接テーブルに何枚か書類を置いた。
「候補者をこちらで選別してみたわ。貴女は、王太子妃の子供ですからね。おいそれと、相手を選んでいい立場ではないわ。家柄、身分、職業。全部それなりにそろった人間の元に嫁がなくては駄目よ。」
つくづくこの王妃様は、勘に触る事をいう…。それなりってなんだ!?みんな必死に生きてるぞ?!
と思うが、王妃様の言葉も一理ある。
母は王太子妃になった。
その連れ子がどっかの変な奴とくっついたりしたら、王族の沽券にかかわると思う。しかもそいつが、王様や王妃様、お父さんやお母さんに危害を加えるかもしれない。
身分はしっかりしてるに越したことはないってことだ。
私は、視線で書類に触れていいか窺うと、王様が頷いたので、一枚ずつ手に取りその内容を読んだ。
“ アレク=ロシュタイン 17歳 王都学院に通う。平民出の騎士候補生。”
添付してある手のひら大の肖像画には、茶色の長めの短髪、目は、釣り目で大きく色は赤。整った顔立ちだ。均整のとれた身体で、モテそうだ。
“ イアン=ジョービス 18歳 王都学院に通う。有名貴族の四男坊。”
同じく肖像画が添付してある。金髪の肩口迄ある長髪、目は切れ長な青。綺麗な顔立ちだけど、絵からも性格悪そうなのが滲み出てる。顔は綺麗なのに。
“ クロード=バレー 25歳 王都学院に勤務。有名貴族の出だが、医者。”
肖像画を見ると、髪は短髪の灰色、目は、紫色。医者というだけあって、賢そうな顔立ち。優しそうな空気が絵からも出ている。
と、この3人の中から選ばないといけないらしい。
が!
こんなイケメン達、あたしに選ばれたところで断るだろうよ!!
自分の髪や目は、母に似て綺麗だとは思うけど、顔立ちは至って普通。
こんな私にこの人たちが婚約者にしてくれないと思うわ。
ワンチャンあったとして、結婚しても、ある日捨てられる日がきそう。
うーーーーーんと、唸りながら書類を見ていると、王様達は軽く笑いながら私に言った。
「この3人の中から、好きな者を選べ。まだこの3人には話を通しておらんが、大丈夫だ。選ばれたものは光栄と喜ぶはずだ。なに、すぐに正式に婚約者として発表しようじゃないか!」
「え!まさかこの人たち、このこと知らないの?!」
「あぁ、そうだ。でも、大丈夫だ。なんたって、王の命令だからな。」
は?なんつった?え?この人たち、知らない間に品定めされて、あたしに選ばれたら問答無用で婚約者にされちゃうの?
私は、王様達の言葉に軽蔑すら覚えながら、考えた。
……ここであたしが誰も選ばなかったら……母が大変なんだよね。
でも、この中の誰かを選んでも、その人からしたら、あたしは人生狂わす女になるわけで…………。
とんでもない2択を迫られて、あたしは自分のこめかみを指で押しながら、書類を眺めた。
そして、今この場で決められないと判断する。
この人たちの人生掛かってるんだもん。おいそれと、勢いで決めらんない。
この人たちを調査して、大丈夫そうな人を選ぼう。
そして、その人の負担にならないように最善の方法を取って、時期が来たら解放してあげよう。
母の居場所に私は、必要ないと思うから。
「王様、王妃様。このお話し、少しお待ちいただけますか?私自身の将来のことですから、じっくり考えたいのです。この書類、持って行ってもかまいませんか?」
「あぁ。いいとも。ただ、悩むのもいいが、時間がない。早めに決めて、報告してくれ。」
「分かりました。」
私は頷くと、座っていたソファーから立ち上がり、王様達に礼をとり、部屋を退室した。
手には、王様から貰った書類。
長い廊下を歩きながら、私は考えていた。
自分の将来について。
徐々に話の核が揃ってきました。
ヒーローは誰になるでしょうか。




