8話目捨て猫と監査(後編)
「・・・入渠施設も・・・大丈夫みたいです」
「そう・・・ですか」
「・・・で最後に資材ですが」
「・・・・・・」
「・・・・・・ありません」
「そうですか・・・結果・・・この鎮守府では最低限の稼働を確認できませんでした。」
「・・・」
「・・・貴殿への不合格を言い渡す」
「・・・・・・はい」
・・・もう死ぬのか・・・俺。
「ちょぉぉぉぉっと待ったぁぁぁ!」ザァァァァ!
「ん?」
「え?」
海から叫び声が聞こえた。
「資材なら・・・ここにあるぞぉ!」ドン!
「・・・夜見さん」
「何ですか?」
「これで合格と言うことに・・・」
「・・・再試すれば問題ないのでは・・・」
「もう後がないんですよ。」
「どう言うことですか?」
「それは・・・」
「何をしている。」
「ッ!総大将」
「総大将殿!」ビシッ!
「・・・天龍」
「あ?」
「鎮守府で待機してろ。」
「・・・分かった。」
そう言い天龍は鎮守府に入っていった。
「・・・総大将。資材ならあるが?どうせ全部見てたんだろ?」
「あぁ。そうともだが試験が終わる前に用意できなかったんだ。わかってるよな?」
「・・・あぁ。そう言えばそうでしたね。さっ早く殺してください。」
俺はそう言った。総大将は一言
「・・・夜見、そいつを拘束しろ。」
「・・・」
「聞こえなかったか?」
「・・・」
「夜見早くやって来れ。んなことしたって死ぬのが俺だけか二人ともかになる・・・」
「・・・」ガシッ
それを見て総大将はにやついた
「・・・何がおかしい」
「君の部下もだよ。」
「何?」
「君の部下も部分解体した後とある屋敷に売り飛ばすつもりだ。きっと高額で買い取ってくれるはずだ。」
「貴様ァ!」
夜見が押さえてなければ今頃きりかかっていただろう。
「・・・さて・・・そろそろ殺させてもらおうか。そうだ!太刀風死ぬ前に何か言うことはあるか?」
「・・・あぁ。あるな。来世でお前をぶち殺してやるよ。今お前が俺にするようにいやもっとひどい目に遭わせて。ボコボコにして銃で足から順に撃って殺してやる。」
「・・・」
「ほら。どうした。早く殺せよ。」
「・・・気が変わった。夜見。」
「はい!」
「そいつの腕を折れ。右腕だ。」
「・・・出来ません!」
「・・・それさえすればこいつの試験を免除してやると言うのにか?」
「・・・本当ですか?」
「そいつの話は聞くな夜見。どうせ嘘だ。」
そう言うと総大将は
「貴様は黙っていろ!」
思いっきり俺の頭を踏みつけた。
「グッ!」
「・・・太刀風さん。ごめんなさい。後で私にも同じことしていいですから。」
「んなことしねえよ・・・」
「・・・ごめんなさい!」バキッ!
「ッ!」
激痛が走る。
「・・・よし。これで終わりだ。」
最後に総大将はもう一度頭を踏みつけた。意識が暗転する・・・
「太刀風。これで試験は免除してやる。国のために励め行くぞ夜見」
「・・・お断りです。」
「・・・何?お前もこいつのことを嫌っていただろう。」
「それは前の話です。噂に流されて勝手に無能だと決めつけていました。今はそんな私に腹が立ちます。罰を与えるなら好きにしてください。」
「なら罰として貴様は柏鎮守府から茜鎮守府への異動を命ず。貴様の私物は持ってこさせる。分かったか。」
「はい!ありがとうございます!」