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5話目異動処分

「ここか」

おんぼろな鎮守府の前でそう言った。俺が言い渡された処分はこの鎮守府への異動。降格処分の二つだった。右目には天龍の眼帯(最後に天龍が俺に渡すよう言ったそうだ)をつけている。総大将からは軍資金などの一切の支援も与えられない。そしてこの町は皆から捨てられた町と言われている。怨念の襲撃で軍基地や鎮守府は壊滅。生き残った町民もほとんど居ない。ここの前任は襲撃の際真っ先に逃げ出したそうだ。そんな前任に怒りを覚えつつ中へ入ると

「誰も居ない・・・」

当たり前である。援助なんてないんだから。とりあえず一通り見て回ることにした。

「・・・ここって」

入渠場だ。一般の鎮守府では治療室ではなく入渠によって対処されている。

「入ってみるか・・・」

そう言い開けてみると地獄だった。

「・・・これ血だよな?」

誰かが這いずったような跡・・・底に残る血。そこら中に血が飛び散り弾痕もある・・・提督が居ないとここは機能しないはず・・・

「・・・最後まで前任の帰りを待ってたのか・・・」

そしてここに怨念が現れ、皆殺しにされたのか・・・

「・・・」

胸が締め付けられるような気持ちだった。入渠場をでてしばらく歩くと

「食堂か・・・」

ここだけ他のところよりは少しきれいに感じる・・・

「・・・」グゥゥゥゥ

そう言えば何も食べていない。何やら人の気配もする

「・・・冷蔵庫確認・・・」

開けてみると

「・・・電気はついてる・・・食べ物も腐ってない。」

・・・確信した。ここには誰かいる。

「すみませーん!誰かいますかー!」

・・・反応がない

「・・・かといって冷蔵庫から勝手に食べ物取り出すのもダメだよな。」

昔それやったら拳骨された。

「券売機・・・これだ。」

券売機で券を買った。少し悩みさばの味噌煮定食を買うことにした。

「俺の予想通りなら・・・たぶん気づいてくれるはず・・・」

そう言い券を置き去った。そして

「ここが執務室・・・」

扉はボロボロ、椅子も机も壊れかけカーペットは穴が開きソファーも汚れている。

「・・・」

これは酷いな。だが不注意で仲間を死なせてしまったのだ。この程度で済むのは甘過ぎだろう。

「・・・後は・・・」

銃人だ・・・主に出撃で仲間になるのだが・・・

「出撃する銃人も居ないし・・・」

何より一応艤装が使えるとはいえ複数の怨念は相手取れない。何より燃料がない。そして野良銃人は燃料がほとんどないため分けるほどの余裕がないと連れて帰るのも難しい

「ボートがあったよな。それに乗るか。」

そう考えたが燃料がない・・・

「ガソリンスタンド行くか・・・」

一応お金は持っている。

      ~ガソリンスタンド~

「・・・すみませーん」

「いらっしゃい・・・貴方・・・提督?」

殺意にもにた気配を感じた。

「・・・はい。」

「提督がなんのよう?」

「・・・それが・・・ボートの燃料をください。お金はこれで」

「・・・ボート・・・まさかあのオンボロに乗るつもり?」

「?はい。銃人も居ませんし燃料をかき集めなければいけないので」

「・・・ふぅーんにしてもこんなガキにここ任せるなんて、本当に軍はここを見捨てたのね。」

「・・・」

こんなことをしたところでこの人の怒りを買うことになる・・・それはわかっているが今の俺にはこれしか出来ない

「・・・前の提督のせいでこんなことにしてしまってすみませんでした!」

そう言い俺は土下座した。

「何?喧嘩売ってんの?止めて」

とても冷ややかな目でそう言った。

「今の俺にはこれしかできません。今は信じてもらうほかないですが必ずこの町を守ります。信じてください。」

「・・・」

「もし期待に添える結果がでなければ俺の身柄を町の皆さんに引き渡すつもりです。痛め付けるなり殺すなり遠慮なく好きにしてください。元々前任は昔の部下でした。」

「ッ!」

「ですがもしその時俺の所に銃人がいたらそいつらは見逃してください」

事実だ。司令長官のころ前任は俺の部下で俺がしっかり監視するべき人物だった。それを怠りこの結果を招いた。直接の責任は俺にある。

「ですがそのために信じていや監視してください」

元々こうなっても仕方ない身だった。それが何故か助けられたのだ。そんなんなら生きようが死のうが関係ない。町民えの罪滅ぼしになるしね。「・・・・」

店員はとても冷ややかな目でこちらを見ていた。信じてもらうのはまだ無理そうだな。

「・・・それでわ。」

そう言い俺は去ることにした。

「・・・ん?」

提督が去った後店員は違和感に気づいた。

「・・・燃料忘れてる・・・」

そのあと俺は他の店を回り自分が提督であることを伝えた。反応は様々だった。怯えるもの。罵るもの。物を売ってくれなくなるもの殴られることもあった。そして心ではわかってたが

「誰一人俺の味方は居ないんだな。けど皆に頑張って認めてもらおう!そのために銃人は必要!さてボートに必要なものをいれて・・・あれ?」

燃料がない。

「ガソスタに忘れたか・・・取りに戻ろう・・・いや止めよ「取りに来なさいよ。」

「うわびっくりした!」

「はいこれ忘れ物。」

「あ、ありがとうございます。」

「んでこれでどうするの?逃げるの?」

「資材集めです。後銃人達も」

「これで?」

「はい。」

「馬鹿なの?」

そう言われるのも仕方ない

「・・・軍からの支援は無いからこうするしかないんですよ。」

「・・・一切?」

「電話機一つくれません」

「だからって急すぎない?少し時間をおいてからでも」

「そう言うわけにもいかないんです。」

軍での決まりで着任してから一週間いないに試験があるのだ。それが・・・

        ~少し前~

『明日ヒトゴーマルマルに審査をすることになった。』

「もし落ちたら?再試?」

『即憲兵』

「・・・」

「と言うことがあって」

「新人には決まってるけど・・・いくらなんでも早すぎるんじゃ」

「仕方無いですよ。では俺はそろそろ行きますよありがとうございました店員さん。」

「明石よ。」

「?」

「私の名前よ。」

「そうですか。良い名前ですね。昔仲間に同じ名前の娘がいました。それでは」

「待て待て待て待て!」

「え?」

「だから私の名前は明石!」

「はい。知ってますよ?聞きましたし。」

「分かってない!」

「?」

「・・・はぁーもういいですさあ行きましょ?」

「え?」

「監視よ。」

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