四話目怨念の大群(後編)
「うおらぁぁぁぁぁ!」バァン!ズバァ!
怨念をひたすら叩き切る。父親の軍刀で怨念をひたすら撃つ。俺の愛銃で
「・・・?あいつは・・・」
怨念のなかに一人だけ恐ろしいものが見えた。他の怨念よりドス黒いものに覆われた人形・・・あいつが噂の上位種?
「こちら太刀風・・・上位種と思わしき怨念を見つけた。」
「こちら天龍。了解援護する」
「いや大丈夫だ。引き続きそちらの指揮を頼む」
・・・このとき他の上位種がいる可能性に気づくべきだった。もっと一匹の上位種のみに警戒せず周囲を見るべきだった。
「・・・」ドォォォォン!
「え?」
からだが動かない。足がすくむ。
ヒュゥゥゥン!
砲弾はすぐそこまで来ているのに。そんなときだった。
「ウォォォオ!」ブン!
ドカァァァン!
「・・・え?」
右目が見えない。真っ暗だ。それだけじゃない右耳が耳鳴りがひどい・・・砲撃は直撃したはず・・・何故生きている?そんなことを考えているときだった。
「・・・大丈夫か?」
右から誰かがつかむ感触がする。見てみると血で真っ赤になった天龍が居た。
「天龍!!大丈夫か!?」
大丈夫じゃないのは一目で分かった。だがそう声をかけずにはいられなかった。
「・・・へへ・・・しくっちまった・・・」
「・・・」
そして
「全砲門勢射!撃てーい!」ドォォォォン!
「ッ!?」
指揮官と思わしき数匹の上位種に直撃し撃沈した。すると
『・・・全艦撤退せよ・・・』
ぼんやりそんな声が聞こえた。すると怨念達はすぐさま撤退しだした。
「・・・どういうことだ?」
長門が言う
「そんなことより天龍だ!急いで集中治療室へ!」
そのあとしばらくして・・・天龍の死が確認された。来た総大将には
「・・・職務停止処分だ。今後の対処は後日伝える。荷物をまとめておけ。」
とのことだった。