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「でもさぁ、こいつも大気圏を突破したんだろ?じゃあ、炎に包まれながらやってきたんじゃねぇの?なのに、どうして溶けてないんだろ」
「そりゃあ宇宙で活動するために作られたシロモンだぜ?頑丈になってんのさ」
写真を提示した男がこう説明した時、突然、電話がけたたましく鳴った。
冷や汗が流れる。
ここは田舎の、そして場末の、警察署だ。
いつもは、こんなに連絡が来ることはない。
すぐ近くに大きなそれがあるからである。
………ここは、みんな意地を張って「警察署だ」と宣言してはいるものの、交番という扱いなのだ。
「はい」
女の人が受話器を取った。
そして、横目でこっちを見ながら、素早く何度も頷いて「分かりました」だの、早口に喋りたて、通話を終了した。
「……どうしたんだ?」
「また死亡者が出たんだって。やっぱり空からの金属片」
「えっ!!」
そうだ、確かに宇宙のゴミは多い。だが、こんなにも高い確率で人にぶつかるなど、
到底信じられない。
「ってか、どうしてそれをウチに連絡して来るんだよ。こっちの仕事じゃねぇだろ。そういうのはあのデカい所に頼めば……」
「違う!最初の電話は珍事件ってことで花子が教えてくれたの。でも、今回は、外出禁止の命令が一緒。町のみんなに知らせないと」
「そんなに降ってんの??!」
「らしいよ」
わけが分からない。
こんなに穏やかな日じゃないか。
どうして大事件がやって来たんだ?
「ってか、花子の奴、事件捜査には関わらない役割だからって、写真まで送って来るとは…」