47.むっつりスケベ?!
47.むっつりスケベ?!
「まあまあだったな」
りきてっくすが日下部に言った。
「私は今回も充分に楽しかったですよ」
圭織は日下部を労った。りきてっくすは日下部にもたれかかって寝ている律子を見やり、苦笑しながら呟いた。
「それにしても、日下部ちゃんはなんだかんだ言って、りったんに甘いね」
「それは…。まあ、いちばん付き合いが長いですからね」
「甘いのはりったんだけじゃないですよ。女性には一様に優しいですから」
「つまり、八方美人のむっつりスケベってわけだな」
「それは言い過ぎだと思うけど…」
りきてっくすの的確な指摘に圭織は納得しながらも日下部の手前、言葉を濁した。そこに、齋藤がちゃちゃを入れてきた。
「いえいえ、閉伊さんの言う通りですよ。だから、彼の周りでは女性問題が後を絶たないんです」
隣のボックスでも4人がその会話に耳を傾けていた。いろはがめいに耳打ちする。
「めいさん、助けてあげなくていいんですか?弟子同盟の中ではめいさんがいちばん師匠のことを解かっているでしょう?」
「うーん…。解かっているから何も言えないっていうか…」
「えー!」
「めいさん、意外とクールなんですね」
大橋と水無月が苦笑する。
美子たちのボックスでは東京に着いてからの話で盛り上がっていた。
「日下部さんが河さんに贈ったギフト小説、羨ましかったですもん」
なつが言うと、午雲が頷きながら話に加わった。
「でも、クリスマスやバレンタインなどのギフトはなつさんも頂いているでしょう?」
「確かに!そう言えば、私は誕生日を公表していませんでした」
「それは私も同じね。こういうところで個人情報を公表するのはちょっとね…。ところで、日下部さんは東京に着いたら食事に付き合ってくれるかしら?」
「聞いてみたらいいじゃないですか…」
午雲はにっこり笑ってまゆに言った。
「ちなみに、私は明日から仕事なのでそのまま帰宅させてもらいますけど、日下部さんは付き合ってくれると思いますよ」