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40.ロケットパンチ!

40.ロケットパンチ!


 極上の牛たんを堪能した二人は青葉城址へやって来た。青葉城は1601年に伊達政宗によって築城された仙台城の雅称である。

「日本中に色んな像があるけれど、私はこの政宗公騎馬像がいちばん好き」

 その騎馬像の前で杜の都仙台の街並みを眺めながらしおんが言った。

「私は桂浜の竜馬像が好きです」

「そっか。地元がそっちの方だもんね。さて、そろそろ仙台駅であの人たちを待ちましょうか」


 ババ抜きは佳境に入っていた。齋藤が残り1枚になった瑠璃に当りを引かせて瑠璃が一抜けした。続いて午雲が日下部から当りをもぎ取って二抜け。日下部は午雲に上がられたものの、なつに当りを引かせてなつが抜けた。罰ゲームの行方は残りの三人に委ねられた。手札は三人とも2枚ずつ。

「齋藤さん、頑張って下さい」

 瑠璃が必死の形相で訴える。

「黒川さんはよほど、齋藤さんにキスをされたくないみたいですね」

 午雲が言うと齋藤がにっこり笑って「安心しなさい」と、余裕を見せた。この時点でババは齋藤の手にあった。しかし、次に日下部がばばを引いてしまった。

「あっ!」

 なつが思わず声をあげた。圭織が警戒する。圭織の手札は2枚。圭織が日下部の手札に手を伸ばす。ダイヤの7を引いた。日下部の手元にはババだけが残された。これで勝負は決まった。

「ビンゴ!」

 圭織が7のペアを場に捨てる。そして、手元に残った札を齋藤が引いて圭織が抜けた。これで、午雲・圭織ペアは罰ゲームを逃れた。同時に齋藤もペアが揃って日下部・なつペアの罰ゲームが決まった。

「なっちゃん、ごめん…」

 日下部はなつに向かって両手を合わせた。

「どこにするかは決められていませんでしたよね」

 そう言うと、なつは間髪いれずに日下部の頬にキスをした。

「はい、おしまい!」

「さすが、なつさん。男前ですね」

 その瞬間、日下部の後頭部にロケットパンチが飛んできた。

「あたっ!」

 振り向くと、律子が日下部を睨みつけていた。



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