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38.そして、仙台

38.そして、仙台


 りきてっくすと齋藤がバスに乗り込んできた。二人とも両手にいっぱいの荷物を抱えている。

「ずいぶん買い込みましたね!」

 日下部が尋ねると、りきてっくすは得意げに言った。

「復興支援だし」

「その通り。スマイルジャパンでは被災者の心に呼びかけました。そして、この地にやって来たのですから少しでも経済的な支援をするのが“粋”というものです」

「みんなは何も買わなかったの?」

「宅配で送ったわ。それにこんな手段もあるのよ」

 美子は『葵ちゃん』であゆみに貰っいたネット通販のカタログを差し出した。りきてっくすと齋藤は顔を見合わせた。

「ここで買うことに意味があるにゃん」

「そうですとも」

 二人は負け惜しみを言って座席に腰を下ろした。

「みなさんお揃いのようですね」

 頃合いを見計らってガイドの瑠璃が日下部に声を掛けた。日下部が頷くと瑠璃は運転手の弥欷助に合図をした。一行は葵とあゆみに見送られ、南三陸町を後にした。

「それではこれから仙台駅へ向かってまいります。みなさんとはそこでお別れになります」

 瑠璃のあいさつを聞いた、りきてっくすが駄々をこねた。

「えー!もう終わりなの?日下部ちゃん、このままバスで東京まで帰ろうよ。瑠璃ちゃんともせっかく仲良くなったのに」

「そうはいきませんよ」

 日下部と瑠璃は苦笑した。


 そのころ、こちらでの仕事を終えたしおんと刹那は東京へ戻るべく仙台駅に居た。刹那は昨夜の二次会で律子に頼まれたことをしおんに伝えた。

「面白そうじゃない。それで、あの人たちは何時頃にここへ来るの?」

「先ほど南三陸町を出たみたいです」

「じゃあ、まだずいぶん時間があるわね。お昼も過ぎたし、腹ごしらえでもしましょう」

「牛タン食べたいです!」

「あら、この子ったら。ま、せっかくだからそうね。ちょうどいいお店を知っているわ」

 しおんが刹那を連れて来たのは炭火焼の牛タンが有名な『牛タンおやま』だった。しおんは限定の極上牛タン焼き定食を二人分注文した。



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