33.祭りの跡
33.祭りの跡
三次会も佳境に差し掛かった頃、まゆが水無月の隣に腰を据えた。
「確信犯でしょう!」
小声でボソッと呟いた。それを聞いためいが水無月をかばうように言う。
「かみむらさんが言った通り、混浴だと気付かないで入ってしまった私たちが悪いんだし…」
「でも、私と日下部さんが話しているのを聞いたうえでのことですよね?」
「す、すみません…」
一気に酔いが醒める水無月だった。
「私、この前の旅行でりっきーにやられたから、そういうの許せないんです」
「まゆさん、気持ちは解かります。私たちも裸を見られたのだからショックですよ」
いろはが話に加わった。
「何をそこでこそこそやってるのかな?」
りきてっくすが抜け目なく突っ込みを入れる。
「実は…」
観念した水無月が白状した。
「それはよくないにゃん。こうなったらカズッチも裸を見せるにゃん」
「そう言う問題ですか?」
大橋がガラガラ声で茶化そうとする。そこへいろはとめいが口をそろえて言った。
「もう、見ちゃいました」
「私は見てないよー」
律子が火に油を注ぐ。
「よし!」
りきてっくすが水無月に襲い掛かる。女性陣の悲鳴が部屋中に響く。
「失礼します!」
女性陣は一斉に部屋から逃げ出した。
「ちぇっ!今回はカズッチにみんな持って行かれたにゃん」
そう呟いてりきてっくすは布団に潜り込んだ。これが合図のように他の面々も床に就いた。
翌朝、他のメンバーがまだ寝静まっている頃、内風呂で齋藤は必死に体中を洗っていた。
「これじゃあ、大浴場にも行けないよ。もう、金輪際、酒は口にしないにゃん…。い、いかん!言葉までおかしくなってきた」