10.自由行動!?
10.自由行動!?
食事を終えてレストランを出ると、りきてっくすが日下部に尋ねた。
「日下部ちゃん、この後はどうするんだ?みんなでだらだら歩いて回るのかい?」
「ガイドさんが案内してくれることになっていますから」
「はい!精いっぱいご案内させていただきますね」
ガイドの瑠璃が旗を掲げてにっこり微笑んだ。
「そう…。僕は自由に動きたいから自由行動でもいいかな?」
「ええ、かまいませんよ。その代わり、2時までにちゃんとバスへ戻って下さいね」
「よし!じゃあ、フレッシュ三人娘は僕と一緒に行くにゃん」
「えっ?私はガイドさんと一緒の方がいいなあ」
いろはがそう言うと、めいとなつも頷いた。
「ちぇっ!しょうがない。じゃあ、まゆゆ、一緒に行こう」
「いやよ!私は日下部さんたちと行くの」
「かおりん…」
「ごめんなさいね」
「りった…」
律子は既に日下部の腕にしがみついていた。
「くそっ」
「あら、りっき先生。私がお供して差し上げましょうか?」
美子がりきてっくすに同情して声を掛けた。
「うーん…。しょうがないからみんなと一緒について行ってやるよ」
「まあ、私じゃ不満なのね?」
「そうじゃないよ…」
「ならば、私とご一緒していただけますかな?こう見えてもこの辺りの歴史には自信があるんですよ。きっとガイドさんより面白い話をご披露できると思いますよ」
「じゃあ、私もご一緒させてもらっていいですか?」
「もちろんですとも」
結局、齋藤と午雲、美子の三人が別行動をすることになった。
ガイド組の方も大橋、水無月、めい、いろはがひとまとまりになり、まゆと圭織になつが加わった。日下部と律子は相変わらずで、りきてっくすだけが孤立した形となった。しかし、りきてっくすもタダでは転ばない。ガイドの瑠璃をぴったりマークした。瑠璃も熱心なりきてっくすにご機嫌で案内をしているようだ。
りきてっくすと齋藤が別行動を取ったこともあり、何のもめ事も無く、みんな時間通りにバスに戻って来た。