表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ペルソナ  作者: ウミネコ
64/77

幕間四

 夢。

 夢を見ている。

 今は遠く離れた夢。

 姉と過ごした日々。

 それはどの時間も奇跡のようで。

 どれも宝石のようにキラキラと輝いていた。

 だけどそれは幻想。

 夢のような幻。

 私にとって姉と過ごした日々は黄金色でも。

 姉にとって私と過ごした日々は破り捨てたい――消去したい記憶なのかもしれない。


「結維、〝ペルソナ〟って知ってる?」

「〝ペルソナ〟?」

 幼い結維は姉の部屋で、キョトンと首を傾げた。

 姉はそんな私の様子を見て、クスクスと笑みをこぼす。

「そう。心理学の言葉でね、自分の外側の性格、といえばいいのかしら。人はね、皆何かを他人に演じながら生きているのよ」

 机の上に置いてある白い仮面を手にし、くるくると弄ぶ姉。

 結維は、それはどういう意味なの、と問いかける。

「うん。例えばね、友達と接する時、私はなるだけ優等生を演じ、彼女らと接している。父さんの前では、私は無口になるし、母さんの前では、学校の愚痴をこぼして困らせる娘にもなる。そして彼の前では、私は甘えた猫になって、彼を慰める立場にもなる。

 人はね、他人と接する時、様々な仮面をつけてその人達と相手をするのよ」

 そうする事で、本性を悟られないようにもしてるのよ。

 姉はそう言った。

「でも……お姉ちゃん。私は、お姉ちゃんの事、好きだよ。お姉ちゃんは、私の目標だもの!」

 私がそう言うと、姉は少し困った表情をした。

 私の後ろに周り、私を抱きしめ頭を撫でる。

「……それはね、結維。私が、〝理想の姉〟を演じてるだけなのかもしれない。子供の頃から植え付けられている様々なイメージが、私に、『妹とはこう接するのよ』と言っているだけなの。本当の、〝本性〟の私はね――」

 姉が沈黙する。

 ぶるぶる、と姉の身体は震えているようで、私は不安になり、振り向いた。

「お姉、ちゃん……?」

「――ん、なあに?」

 姉は破顔していた。

 それは見たこともない笑顔で。

 恍惚と快感が入り混じった顔で。

 まるで、愛玩動物を見るような。

 この玩具を壊したら、どんな事になるのかを頭の中で空想してるような顔だった。

 私はその時、姉が何を考えているのか見抜けず――

「お姉ちゃん、好き!」

 そう言って、姉に抱きついた。

 

 それは、本能故の行動だったのか。

 姉の本性にうっすらと気付いていながら、その現実を直視したくない故の行動だったのか。

 それも、今となっては分からない。

 セントパレスチナタワー。

 その最上階で、私は姉に殺されようとしている。

 大好きだった姉に――

 

「さあ結維、これが最後だ! 私の〝最後〟を決めるカーニヴァルを始めよう!」


 ゼロに扮した姉は、右手に握られている装置のボタンを押す。

 大爆発と轟音が鳴り響く。

「……さあ、これで終いだ。石杖裁也、私を殺しに来いッ!!」

 ハッハッハ、とゼロの哄笑が響く。

 ロスト・クリスマス事件。

 過去最低最悪の惨事が、再び幕を開けた。

Fate/stay night ubwが面白すぎて困っている。

暇さえあれば、0話と一話を繰り返して見ている。

アニメ界の進歩に感謝。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ