第二章『皇製薬会社の闇』第十一話
「ミカド君が、消えた……?」
コクン、と裁也は頷く。
結維と裁也は今、竜ヶ峰の食堂に居る。
サラッと重大な話をする裁也を前に、結維は箸を手からこぼれ落とした。
「……それ、どういう事なの?」
「それは俺が知りたい。最後に接触してたのは君だ。君こそ何か知らないか?」
「知らないわよ……」
そうか、と裁也は頷く。
結維は考える。
昨日、彼から電話を一日待っていても来なかった理由を。
彼はちゃらんぽらんな性格をしてそうだが、約束は守る男だと思っていた。
なので、電話がなかった時は憤慨したが、今の裁也の説明を受けると得心した。
何かトラブルに巻き込まれたのではないだろうか?
「ちなみに、昨日の昼、君とミカドが電話していたのは知ってるからな」
「え? 本当に?」
「ああ。反応と挙動で丸わかりだ。ちなみにアイツも学校の別棟にいたのも知ってる」
全て裁也に見抜かれてる事に結維は唖然とした。しかも、皇帝人が竜ヶ峰高校にいただって?
「……ミカド君がいた場所には行ったの?」
「ああ。そこでコイツを拾った」
裁也が、ある物をスッとテーブルに差し出した。
携帯電話とUSBメモリー。
その二つに赤い斑点が端々に付着している。
「これって……」
「おそらくミカドの血だろう」
「――ッ!?」
冷静な裁也に対し、結維は戦慄する。
肌が粟立ち、冷たい何かが自身の内からドッと押し寄せてきた。
「携帯はプリベイド式でナンバーはアテにならない。USBの方は……生憎、俺のパソコンは今壊れててね。まだ、何も見てない」
「……じゃあ、学校のパソコンで見る?」
「いや、やめとこう。おそらくミカドは誰かに襲われた。襲ったそいつの目的が、このUSBにあるとしたら君も危険だ」
「じゃあ、どうすんのよ?」
「一に頼む。〝エンペラー〟ってヤツにでも預けよう。データーの情報もそいつから後でもらう」
「一君……か」
「? どうした? 何か問題でもあるのか?」
「あの子の事、私、何だか苦手なのよね。悪魔じみてるというか、悪魔が子どもの姿をしているっていうか……」
何か信用出来ない、と結維は断ずる。
社長の文句を言われたので、裁也が怒るかと思ったが、逆に「いい線ついてる」と彼は言った。
「え?」
「君の懸念は最もだ。アイツは信じるに値しない。だが今は頼れるヤツであるのは間違いない」
「そうね……」
裁也が席を立つ。
「今日の放課後、事務所に行く。君も一緒に来てくれ」
「え? 私も行くの?」
「何かあった時、すぐに君を助けられる。それにミカドの事も心配だろう?」
「それはまあ……」
「じゃあ決定だ」
そう言って、裁也は去っていく。
一人残った結維は、昼食に合流した詩音に裁也との関係を根掘り葉掘り訊かれ、胃に大変な負担を強いられる結果となった。
デート・ア・ライブのアニメが面白すぎて困っています。
原作も読むか?




