強くなるには、金
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「ぜえ、ぜえ。な、なんとかなりましたね」
「全くだ。鬼蜘蛛はEランクの魔物だぞ。こっちの手数が揃ってなかったら、普通に負けてた可能性だってあるんだ」
「Eランクなんですか!? じゃあ、さっきのは……」
「大方、楽勝だったから奥に行きすぎたんだろうね。それで面倒な魔物に目をつけられてしまったと」
「迷惑がかかるのですから、引き際も弁えないといけないとは思いますわね」
「死んでは元も子もないからな。そもそも、斥候の職業の奴らが見えなかった。3人だったという事は、そもそもアタッカーだけでパーティーを組んだんだろうな」
何と無謀な。責めて1人くらいバッファーかデバッファーを入れておけばと思わなくもない。デバッファーは強力だ。特に外の狩りでは敵なしと言ってもいい。アタッカーとも相性が良いし、組むのであれば、デバッファーを入れるべきだ。夢幻の世界の攻略には、余り有用では無いんだけどな。ボスにはデバフ耐性が備わっていることが多いし。だから編成するならバッファーなんだよ。こっちのアタッカーを強化する方がいいんだ。
「あ! ドロップアイテムがありますよ! これもレアなんじゃないですか?」
「鬼蜘蛛のレアドロップはスパイダーシルクだ。かなり高く買い取ってくれるんじゃないか?」
「そんなに高いのかい?」
「まあ、毛皮よりはな。現実的に考えれば、これからは鬼蜘蛛を狙った方がいいのかもしれない。こうやって狩れている訳だからな」
「それもありかもしれませんね。Eランクの魔物の方が実入りは良いでしょうから」
「マリアナはどうする? 多少厳しくはなるが、Eランクの魔物を狙っていくか?」
「強くなれる方にしましょう。Eランクの魔物を狙う方が強くなれるんですよね?」
「まあ、そうなるな。それに、明日でレベル10にはなるだろう。そうなれば、昇格試験を受ける事が出来るようになる」
「だったら、少し危険かもしれませんが、Eランクの魔物を狩りましょう。狩ってはいけない決まりなんて無い訳ですよね?」
「ああ、無いはずだ。冒険者が背伸びすることはままあるからな」
効率を考えれば、鬼蜘蛛を相手にした方がいいだろう。それに、鬼蜘蛛が居るという場所には、キラープラントもいるはずだ。正直、美味しいだけしかない魔物でもある。ドロップは鬼蜘蛛の方がいいんだが、経験値効率を考えれば、キラープラントを狙うのも良いだろう。……もしかしたら、そっちの話を聞いて、奥に手を出したのかもしれない。鬼蜘蛛はあれでも結構強いのだ。攻撃スキルを使ってくるし、舐めてはいけない敵なのだよ。
「それじゃあ、移動するか。明日もレベルを上げられるように努力しよう」
「そうですね。強くなるには、ある程度のリスクも負うべきでしょう」
「だね。まあ、結局はマリアナ次第って事になるんだけど」
「あたしなら大丈夫ですよ! 問題なく戦えます!」
「メインアタッカーが良いって言っているんだから、問題ないでしょ。時間はどうする?」
「今日よりも少しばかり早く、だな。朝起きて直ぐでいいと思うが」
「賛成ですね。今日は安全を見越して、少し遅く出発しましたから」
「どうせ休むのであれば、多少早く出発しても良いとは思うね」
決まりだな。では、明日は今日よりも少し早めに出発をして、万全の状態でEランクの魔物を狩るという事で。格上の相手をする方が、レベル上げには良いからな。早い所Eランク冒険者には成っておきたいし、俺はそれでも構わない。
そして、冒険者ギルドで換金をした。レアドロップが多いから、結構な金額になってくれた。1人当たり1,200ライムの報酬があったのだ。流石は豪運持ち。これで資金には困ることは無いだろう。今後も大量にドロップアイテムを稼いでくれると思う。
豪運持ちが居なければ、基本的には厳しい状況になるからな。資金的な意味で。資金に余裕があるのは良い事だ。それがたとえ少しだとしても。共用のお金も結構な額貯まったから、これで一度装備を整えてもいいかもしれない。多少は攻略難易度が変わってくるとは思う。
まあ、それは後の話だな。まずはEランク冒険者にならなければならない。そうしないと、スキルポイントが余る事になるからな。余らせても良いんだが、出来れば、使い切った状態を維持したいって思いもあるんだよ。それにはスキルブックが必要になってくるんだけどな。スキルブックは最低でも1000万ライム。高い買い物になるだろうな。
そんな訳で次の日。ラビットやコボルトを蹴散らしながら、鬼蜘蛛とキラープラントの居る場所に向かっていた。キラープラントは、経験値的には美味しい敵だ。積極的に狙っていきたいとは思う。鬼蜘蛛も、ドロップアイテムを狙っていきたいので、積極的に狩るんだけどな。
「せいやー!」
「……」
「キラープラントってこんなに楽勝なんですね……。鬼蜘蛛よりもドロップアイテムは良くないみたいですけど」
「まあな。キラープラントは基本的に動かないし、こっちに気が付いても攻撃手段が乏しいからな。狩るだけなら簡単だ。問題は気が付かずに睡眠状態にされる事なんだけどな」
「睡眠攻撃も知っていれば回避できてしまいますからね。誰かが眠りそうなときは、軽く小突けば起きますし」
「そう言う事だな。睡眠の状態異常は強力だが、あると解ってしまえば簡単だ。対処が簡単な攻撃なら、何もしてこないのと同じだ。その分、ドロップアイテムは眠りのお香になる訳なんだが。睡眠不足の人にはちょうどいいものにはなるらしいな」
「そうなんですか? でも、やっぱりスパイダーシルクの方がいいですよね。お金になりますし」
「魔石も馬鹿にならないけどね。やっぱりFランクとEランクだと、魔石の価値が違うよ」
それはそうだろうな。魔石の価値はランクによって違う。魔石は確定のドロップであるため、換金はし易い方である。それで魔法の袋を作ったり、魔石袋を作ったりするんだから。容量を多くしようと思えば、それなりの魔石を使わないといけないが、まだ容量なんて気にするような事じゃない。考えないといけないのは、Dランクになってからだろうな。そうすれば、もっとドロップアイテムが増える事にもなるし、耐性装備なんかも必要になってくる。それらを集めるには、豪運持ちが居ないと、資金的に厳しい。
魔石もそうだが、お金稼ぎの方法も考えておかないといけないな。スキルブックを購入するには資金が必要になる。金策の手段も考えておかないといけないだろう。色々と方法があるわけだが、どの手段にするべきか。ただ、そうなると夢幻の世界の兼ね合いも出てくる。確定で出てくるものでも無いからな。夢幻の世界は、封印された創造神ガウロデンが見ている夢とも言われているんだ。都合よくその夢幻の世界に通じるゲートが開いているとも限らないんだよな。
何にしても、まずは金。次も金。強くなるためには、金が必要になってくる。スキルが整えば、簡単に夢幻の世界も攻略できるし、そうなれば冒険者ランクだって上がる。無茶な事をやらないといけない訳では無い。確定で勝てる状況を作って、それで挑めばいいだけの話である。何も難しいことをしようとしている訳では無い。ちゃんと準備をすれば、攻略できない夢幻の世界は無いんだよ。難易度の関係で、放置されている夢幻の穴もあるかもしれない。そういう夢幻の世界を攻略していかないといけない訳で。
ある程度はお貴族様が処理してくれるとは思うんだけど、こっちでも把握はしておかないといけないだろうからな。難易度が難しすぎるのは放置するしかないが、簡単なものであれば、処理してしまえばいいだけだ。ボスを倒すだけでいいんだし、豪運があるんだから、討伐報酬も魅力的なものになるだろう。だが、そうだな。まずはアタッカー問題を何とかしなければならないとは思う。俺かマリアナが、まともなアタッカーとして運用できるのかどうか。それを見極めてからじゃないと動きにくいのは確かだ。
本当であれば、俺のアタッカー化を急ぎたいところではあるんだけど、贅沢は言わない。不安定ながらも、爆発力があるマリアナをアタッカーにするのはありだと思う。既にサポーターとしては優秀なんだけど、本領を発揮してもらわないと困るからな。




