豪運
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うーん。この町の冒険者の質が問題だ。有用な職業が残り過ぎている。候補には上がらなかったが、ヒーラーで将来有望な人も見かけたし、デバッファーで良い職業の人も見かけたりした。まあ、今回のパーティーには合わないと思うので、泣く泣く却下になったんだがな。普通に考えれば、ここにいる冒険者でパーティーを組めば、Cランク冒険者には成れる。ポテンシャルだけならSランクも夢じゃない。まあ、それにはスキルブックが必要になってくるんだが。それを狙わないといけないのは確かである。
ただ、バッファーもどっちにしようかって問題があるんだよな。どちらも良い感じのバッファーなんだけど、問題はサポーターになるんだよな。アタッカーも熟せるサポーターとなると、色々と限られる。候補は幾つか見繕ったんだが、さて、どちらの組み合わせにしようか。
「えっと、何処に張れば良いんだろう……。こんなに沢山あるなんて。……これでパーティーが組めなかったら、生活できない。何とか良い人に見つけてもらえますように」
「ん? 新人なのか? パーティーを組むのを待つのも良いが、自分でスカウトに動かないと、この数ではかなりの問題が出てくると思うぞ。恐らくだが、これだけの冒険者の中から、自分を見つけてもらうのは難しい。ならば、自分で探す方がいいとは思うぞ」
「ええ? ……そうなんですけど、あたしってサポーターなんですよね。アタッカーも出来ない訳じゃないって言われたんですけど、賭博師だとどうしても安定感が無いからって、パーティーに組み込むのは難しいって言われたんですよ」
「賭博師か。良い職業なんだがな。クリティカルアタッカーになれる素質がある。後は、スキルツリー次第ではあるが、その方面を伸ばしていける。初期ツリーに恵まれているのであれば、パーティーには困らないとは思うがな。一応、ステータス表を見せてもらっていいか?」
「構いませんよ。どうせ誰かに見てもらう事になるんですし」
そうして、彼女のステータス表を見せてもらった。そこには、このゲーム世界では必須とまで言われたスキルツリーが載っていた。
――――――――――
名前:マリアナ
年齢:15
職業:賭博師
Lv 0
HP 13/13
MP 16/16
攻撃力 16
防御力 3
魔法力 17
素早さ 23
スキルツリー
【賭けの対価】〈0/100〉
【豪運】〈0/100〉
【攻撃力上昇】〈0/100〉
スキル
称号
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賭けの対価という賭博師の専用のスキルツリーがあるのはどうでもいい。このスキルツリーは、普通なら使わない。Sランク冒険者になって初めて生きると言っても過言では無いからな。それよりもだ。豪運。このスキルツリーが強すぎるんだ。効果は単純明快。運の上昇のみである。が、レアドロップを必要とするのであれば、確定で欲しいと考えてもいいスキルツリーだ。しかも、賭博師は初期の運が高い傾向にある。マスクデータだから、何処まで信用できるのかは解らないが、豪運があるだけでも採用の余地がある。
「良かったら、俺と組むか? このスキルツリーなら、パーティーの要になってくれると思う」
「本当ですか!? 良かったー。ちゃんとパーティーが組めるなら安心です。参加させてください」
「ああ、こっちとしても、願っても無いことだしな。豪運を持っている賭博師がパーティーに入るなんて、勝ち確と言っても良いからな」
「そこまで言われると、ちょっと困るんですが……。そこまで期待はして欲しい訳では」
「まあ、戦闘は期待していないが。序盤はとにかく資金稼ぎが必要になるからな。アタッカーとして活躍できるのは終盤になる。まあ、スキルブックが手に入れば、十分にアタッカーとしても使えるんだけどな。ビルドに関してはこちらに任せてくれ。最強のパーティーを目指していこうとは思っている」
「最強って、凄いですね。でも、アタッカーが居ないんじゃあ、どうやって魔物を倒すんですか?」
「まあ、それは地道にやるしかないだろうな。だが、資金力に物を言わせて、早期にスキルツリーを揃えていけば、Cランク冒険者になった段階で、かなりのパーティーになるはずだ」
それだけのポテンシャルがあるパーティーを組むことが可能になるからな。賭博師はクリティカルアタッカーに向いている。まあ、攻撃力上昇のスキルツリーは入れ替えないといけないけどな。その為には、色々と金が必要になってくる。スキルブックは最低でも1000万ライム。8桁の金が動くことになる。それをパーティー分、全部揃えようとなると、数億は必要になってくることになるだろう。その為には、豪運がとても役に立つ。普通にビルドしてもらえば、運頼りの賭博師でもかなりのアタッカーになれるはずだからな。
となると、自然とバッファーも決まってくる。クリティカルアタッカーが居るなら、こっちの方がいい。最終的にはという事ではあるんだが、クリティカルを狙っていくのであれば、こっちの方がパーティー的には良かったりする。スキルツリーの構成も、生贄聖女とシナジーがあるように出来るし、有用だと思うからな。
「俺はアーデルム。職業は守護者だ。よろしく頼む」
「あたしはマリアナ。職業は賭博師です。こちらこそよろしくお願いします」
「それでなんだが、この2人をパーティーに組み込みたいんだが、良いか? どちらもレベルは0だ。多分だが、この町に来たばかりだとは思う。それで4人でパーティーを組みたいと思う。それでどうだ?」
「4人ですか? もっと増やした方がいいんじゃないですか?」
「4人で十分だ。というか、増やすにしてもアタッカーだから、募集には来ないんだよ。ここの掲示板を全部見て回ったが、アタッカーの張り紙は無かった。普通にパーティーを組んでいるんだろうとは思う。この町では、アタッカーが主流になっているみたいだからな」
「なるほど……。それで斥候もいない訳ですか」
「斥候に関しては必要ないからな。斥候が欲しいのは、どちらかというと外での狩りがメインになる。俺が考えているのは、夢幻の世界を攻略していく方向で考えているんだ。だから、斥候は居なくても問題ない。まあ、居てくれても良いが、それだと5人パーティーになるからな。それだと、最終的には俺の火力が落ちる。まあ、将来的な話ではあるんだけどな」
「そうなんですね。それで、その2人をパーティーに組み込むんですか。……緑魔導士って何が出来るんですか?」
「緑魔導士はバッファーだ。初期の攻撃力不足を補うには、バフが絶対に必要になってくる。そして、終盤でも活躍できるだけのポテンシャルがある。入れておいて損は無いぞ」
「そうなんですね。……職業に詳しいんですね」
「まあな。かなり勉強はしたからな。それに、スキルツリーもある程度これで行きたいと言うのが決まっている。それも口出し出来ればなとは思っているんだ」
「スキルツリーまでですか。あたしも既に決まっているんですか?」
「そうだな。良ければ、攻撃力上昇を消して、凶刃というスキルツリーを得た方がいいとは思う。クリティカルアタッカーになるには、そっちの方がいいからな」
スキルツリーには口出しできるのかは知らない。けど、良い感じに育てたいなら、口出しさせてもらった方がいいとは思う。もっとも、そのためのスキルブックが手に入るのかどうかが問題なんだけどな。スキルブックはレアドロップだ。狙って出すには、どうしても運ビルドの職業が必須になってくる。そこで豪運持ちの賭博師が必要になってくる訳だ。稼ぎは賭博師頼りになるとは思う。
「ならそうしましょう。それで、何時パーティーを集めるんですか?」
「俺もお金に余裕があるわけでも無いし、明日には集まって会議をしたい。時間は大丈夫そうか?」
「あたしもお金に余裕が無いので、早めにやって貰える方が助かります」
まあ、色んな場所から集まってきているんだろうし、向こうも時間がないかもしれない。明日には冒険者ギルドに集まってもらおう。そこで方針を固めて、ある程度の事を決めてしまいたい。時間は有限だ。最強になるにしても、時間がかかるからな。問題は多くあるとは思うが、何とかしなければならない。




