スキルブック狙い
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『狡猾な悪魔の町:推奨レベル60』
「えげつないレベルですけど、大丈夫なんですよね?」
「問題ないな。先頭は俺が歩く。メリアはバックアタックの警戒を。最悪、メリアが時間稼ぎをしてくれ。まあ、大挑発でヘイトは貰う予定では居るけどな」
「解りました。しかし、出来るだけ早くフォローに入ってくださいね?」
「それはもちろんだ」
「しかし、思ったよりも普通の町なんだね。もっと可笑しな場所なのかと思っていたよ」
「いや、思っている以上に狡猾だからな? そこなんてまさにそうだ。大挑発!」
「ケケケケケケ!」
「ひぃ! 悪魔が隠れてました!?」
「パリイ! こんな感じで窓から悪魔が襲ってくる。経験値稼ぎにはもってこいの場所ではあるけどな」
オブジェクトの窓から悪魔が飛び出てきた。それを大挑発で引き受ける。パリイで十分受け流せる。それだけの防御力はあるつもりだからな。守護者は防御力を伸ばせる職業だ。ガンガンと攻撃を食らっていこう。
「ソーンペイン!」
「エンチャント聖!」
「ダイス! てやぁあ!」
「ケケケケ!?」
やっぱりエンチャント聖が強すぎる。今の攻撃で8割持っていったぞ。圧倒的な魔法力からのエンチャント。しかも聖属性だからな。悪魔にはよく効くのだ。逆に天使にはあまり効かない。でも、聖属性を無効化してくる敵は居ない。無効化してこないという事は、それだけ汎用性が高いって事なんだよ。
「あれ? 意外と簡単に倒せましたね?」
「まあ、聖女が居るからな。普通は聖女なんてパーティーを組めないなんて事は無いんだ。この町がおかしいだけなんだよ」
「アタッカーしか要らないと言うのは、リスクしか無いとは思うのですが、その方がいいと考える人も多いのですよね?」
「まあ、僕らには解らない何かがあるんじゃないかな。普通で良いと思うけどね。でも、アタッカーなしでは、パーティーを組むのも厳しいし、こうやって職業やスキルツリーに詳しい人なんてそうそういないから」
「そういえばそうですよね? アーデルムさんは何処でそんな勉強をしたんですか?」
「色々とあるぞ。冒険者ギルドの資料室を当たらせてもらったり、普通の家にも何故か本が置いてあったりするからな。そういうのを読み漁ってきた。誰よりも詳しいとは言わないが、これでも十分な知識があると思っている」
まあ、ゲーム時代の話ではあるんだけどな。色んな場所に色んな資料があった。勿論攻略サイトなんかも見ていたが、秘匿されている様な情報もあったし。まあ、大体は判明しているんだけど、それでも未知のスキルツリーが偶に出てくる程度には、新しい発見があった。まあ、運営が後で追加したんだろうとは言われていたっけ。とんでもないスキル構成が飛んでくることもあった。俺のこの情報だって、何処まで正しいのかは解らないんだし。
「居たぞ。あれが歪魔だ」
「ええ……。可愛くないですね」
「可愛さを求めてどうするんだい?」
「まあ、倒しにくくはありますね。触れたくないのは解ります」
そんな歪魔がこちら。
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名前:歪魔
HP 1305/1305
MP 234/234
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ステータスも可愛くはない。攻撃力特化の歪魔だ。この夢幻の世界では、高レベルの存在となっている。HPも高いが、そんな事よりもクリティカル率が高くていやらしい。タンクにとっては嫌なタイプの魔物だ。まあ、敵ではないんだが。
各種バフを乗せて、マリアナが攻撃する。ただそれだけなんだけど、それだけで歪魔のHPの50%以上が飛んだ。まあ、クリティカルだし、そんなもんだよな。エンチャント聖がぶっ壊れているって事もあるんだけど。平気で100以上の上乗せをしてくるからな。聖女が壊れている事なんていつもの事ではあるけど。
「本当に楽ですね。戦っている感じがしませんし」
「それだけパーティーの役割が機能しているという事になりますね。やはりパーティーはバランスよく整えた方がいいとは思います」
「というか、タンクが安定しすぎているんだ。普通ならこうはいかない。慌てて状態異常になったり、ダウンするはずだからね。並外れた事をやってのけているアーデルムが一番おかしい」
「タンクが崩れるなんて事はあってはならないからな。戦況に合わせて、戦い方を変えてはいる。ダウンなんて一番やってはいけない事だからな」
タンクが倒れる時は、1番始めと決まっている。だが、倒れてはいけないのもタンクなんだよ。ヒーラーのミスで倒されるなんて事もあるんだが、そんなことは基本的には起きない。タンクは常に意地でも倒れないって意思が必要になる。まあ、そのくらいの心得はある訳なんだが。
その後も、何度も何度も歪魔を倒していった。全員の経験値の伸びも良いからな。レベルもしっかりと上がっている。しかし、歪魔を10体近く倒したんだが、スキルブックはまだ出ない。まあ、レアドロップは普通に落ちているんだが、確率の偏りはあるものなんだよ。その辺りはどうしようもない。
「さっきから、これだけ狩っているのに、スキルブックが落ちませんね。レアドロップは沢山落ちるんですけど……」
「普通に考えて、100体倒したら20%くらいの確率で落ちるものだからな。10体で出てきてくれたら儲けものなんてレベルでは済まない」
「まあ、激レアドロップだしね。これくらい渋くて当然というか、さっきからレアドロップが落ち過ぎというか」
「これを買い取る冒険者ギルドが可哀想ですね」
「まあ、それは確かに。豪運持ちの冒険者が居ると、物価が壊れるからな。他の町にも売るだろうし、問題ないだろう」
「あたしって物価を破壊するんですか!?」
「そうだな。これだけレアドロップが集まれば、軽く数千万ライムは稼げることになるからな。勿論、全部買い取って貰ったら、の話だが。買い取りを拒否されるって事もあり得る」
冒険者ギルドが買いとれるかどうかだよな。そこまで金額を貯め込んでいるのかどうか。多分大丈夫だろうとは思うが、何とも言えない。
まあ、ゲームなら問答無用で買い取ってもらえたんだが、流石にな。歪魔のレアドロップは武器なんだが、汎用性がない鎌なんだよ。結構強いんだが、癖が強くてな。売れない訳では無いとは思うが……。後は素材返ししてしまうかだな。勿体ない事ではあるんだが。
「まあ、気にするな。ドロップする時はドロップする。高いものではあるんだが、狙って出てくれるとは思わないからな」
「普通にドロップ率が渋いものを狙う時は、何日もかかるんだし、仕方が無いんじゃないかな」
「そのために、キャンプ道具も揃えてきたのですし、何泊かするのは覚悟の上です」
そうだ。そもそも夢幻の世界でドロップを狙うんだから、キャンプは必須なのだよ。その上で、狙って出ないドロップなんだから。魔法の袋がいっぱいになったら帰らなければならない。ドロップ品が勿体なさ過ぎるからな。……まあ、豪運持ちが居るんだから、捨てるのも選択肢の1つではあるんだけど。
その後も歪魔を狩り続けていたんだが、結局、その日ではドロップしなかった。まあ、仕方がない。スキルブックを狙うのであれば、そのくらいの覚悟は必要なんだよ。ただ、豪運持ちで、初期の運も高いマリアナなら何とかいけるんじゃないかとは思っていたんだがな。他のスキルブックも、長丁場になりそうである。
狙っている時ほど出ないという、妖怪も居るくらいだしな。妖怪物欲センサーは強いぞ。どんなゲームにも登場してくるし、何なら現実にも存在する。最強最悪の魔物だ。いや、神と言ってもいいかもしれない。それを敵に回して、1日で済むなんて事は無かったんだ。まあ、諦めないけどな。最後まで付き合ってもらうぞ。




