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世界最強の守護者  作者: ルケア


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ギリギリの戦い

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

「大挑発! ここで食い止める! マリアナは雑魚の処理を! 俺は死ぬ気でゴブリンを集める!」


「ソーンバインド! ソーンバインド! こっちに来る敵は何とかするよ!」


「助かる! メリアはヒールをこっちに! 余裕がなくなった!」


「解りました!」


 Dランク冒険者が壊走してしまい、それにつられてFランク冒険者も逃げてしまった。最悪の状態だ。もしもう1組のDランク冒険者が崩れたら、死地になる。ある程度のゴブリンは引き付けるが、出来ない事は出来ないからな。死んでなんかやるものか。まだまだ先があるのに、死んでなんかやるものか。


「パリイ! っく、完全に互角だな。こっちから攻撃できる隙は無い。しかも、他のゴブリンの攻撃を捌いている余裕もない!」


「ヒール! 持ちこたえてください!」


「簡単に死んでなんかやるものか! やれるところまでやってやる! 大挑発!」


「無茶ですよ!? 引き付け過ぎです!」


「無茶でもやるしかない! 死ぬわけにはいかないが、今の状況で、壊走した冒険者たちを追わせるわけにはいかない! パリイ!」


 Fランク冒険者でなければ、もう少し手段があったんだがな。今の俺ではこれが精いっぱいだ。食い止めるだけ食い止める。……賭けに出るしかない。もう1組のDランク冒険者が、ゴブリンリーダーを倒して援軍に来てくれることを願うしかないんだ。


「死ぬまで遊んでやるよ! かかって来いゴブリンども! 大挑発! ヒールは出来るだけ温存! 俺のHPが半分以下になったらでいい!」


「ですが、それでは……」


「出来るだけ戦闘を長引かせるぞ! 勝機はそこにしかない!」


 他人に自分の命を賭けるなんて、馬鹿のすることだ。しかし、馬鹿でいい。俺はこんな所で死んでやるわけにはいかないんだ。とっととEランクに上がって、夢幻の世界に入って、経験値を荒稼ぎするんだよ。それまでは死ねない。こんな所で死んでたまるか。危険なのは承知だ。だけど、こんな所で終わる様じゃあ、最強には成れない。


 マリアナが何とか1体ずつゴブリンを処理していく。その分、俺が死ぬ時間が遠くなる。どっちが先か、勝負するしかない。俺が先に死ぬか、ゴブリンどもが居なくなるのが先か。耐えてやる。耐えきってやる。出来ないとは言わせない。無理だなんて言わせない。俺はやる。先を読め。未来を見ろ。ゲームの経験で、何処に攻撃が来るかなんて、大体わかっているだろう? ならば出来るはずだ。限界の限界まで、自分のポジションに誇りを持てよ。俺はタンク。皆の盾だ。限界まで耐えきってやる。タンクが崩れたら、皆の命が無いんだ。歯を食いしばれ。スタンなんかしている余裕はない。ダウンなんて以ての外だ。両足を地面に縫い付けろ。不退転の覚悟をきめろ。


「ソーンバインド!」


「はぁああ! ダイス! せいやー!」


「大挑発! まだだ! まだ倒れんぞ! 死地に活路を見いだせこの野郎!」


 心臓の音が聞こえてくるようだ。酸素をどんどんと脳へと送ってくれ。限界の限界までやってやる。耐えるだけなら出来るだろう? やってやれない事は無い。踏みとどまれ。


「こっちは覚悟決まってんだこらぁ! こっちに来やがれ! 大挑発!」


 これでこの辺一帯のゴブリンは全部こっちに来たんじゃないか? 向こうでDランク冒険者が戦っているゴブリンリーダー以外は引き付けてやっただろうとは思う。ガシガシと攻撃が当たる。盾だけでは防ぎぎれない攻撃が当たる。幾らバフをかけてもらっているからと言っても、これだけ攻撃されたらHPがガンガンと減っていく。だが、ゴブリンリーダーの攻撃は当たってやれない。致命傷になるかもしれないからな。それだけは死守する。


「せいやー! アーデルムさん、待っていてくださいね!」


「当たり前だ! 死ぬ気でやってやるよ!」


「ヒール! 残り4分の1です!」


「まだいける! マリアナは処理速度を上げてくれ!」


「今以上ですか!? やってやりますよ!?」


 俺の周囲から、1体、また1体とゴブリンが減っていく。経験値は大量に入ってくるだろうな。ただ、戦闘が終わるまでは経験値は入らない。そういうシステムになっているからな。まあ、こんな状況でレベルアップしたって、意味は無いんだけどな。レベルが上がっても、攻撃力なんかは上がらない。それはスキルツリーでしか上げる事は出来ない。土壇場で強くなるなんて事は無いんだよ。


 さあ、まだまだ耐えられる。ヒールもまだ残っている。まだまだいける。このペースなら、俺がギリギリ死ぬかどうかのラインだろう。まだだ、まだまだ遊べる。限界を超えろ。ステータス以上の動きを要求してきているぞ。まだ倒れる訳にはいかないんだ。ダウンなんてしてやるものか。


「ダイス! はぁああ!」


「マリアナ! 6を引いたらカスダメでいい! 絶対にクリティカルになるんだからな!」


「っは! なるほど! それならいけます!」


「ソーンバインド! バフをかけ直すよ!」


「ヒールを我慢するのは、精神的に厳しいです。耐えられるのは解っているんですが……」


「無駄な回復をしている余裕なんて無いからな! 助けが来るまでそのままだ!」


 バフがかかる。これでまだ耐えられる。何とかしないといけない。ただ、手段が乏しい。出来る事が限られているからな。耐えるしかない。


「ヒール!」


 また1回、ヒールが使われた。まだ戦える。まだ舞える。さあ、このHPを削り取って見せろよゴブリンども。簡単に削りきれると思うな。


 耐えて耐えて、まだ耐える。外周では、さっきよりも早いペースでマリアナがゴブリンを処理してくれている。袋叩き状態はまだまだ解除されないけどな!


「大挑発! 絶対にヘイトだけは渡さないからな!」


「ダイス! せい! ダイス! てりゃあ!」


「ソーンバインド!」


「ヒール!」


「ノーデン! 今度からはゴブリンリーダーをターゲットに! こっちも攻撃に回る!」


「了解したけど! 防御は大丈夫なのかい!?」


「ゴブリンリーダーが止まれば何とかなる隙はある! これだけ減ってきたんだ! 勝機はあるぞ!」


 マリアナの運は本当に凄い。ここぞという時に6が出る。さっきから豪運を発揮して、外周のゴブリンを蹴散らしていっている。それなら、ゴブリンリーダーの攻撃以外を止めるよりも、ゴブリンリーダーの動きを阻害してくれた方が、俺も処理に回れる。マリアナが活路を見出してくれた。それを綱渡りでも良いから渡るんだ。


「ダイス! せい! ダイス! やあ! ダイス! はぁああ!」


「バフをかけ直すよ!」


「ヒール! 8分の1です!」


「いける! 処理の順番を間違えるなよ!」


 いける。これなら何とかギリギリ耐えられる。油断は出来ないが、活路はなんとか切り開いた。ただ、そうなってくると、ゴブリンリーダーが問題になってくる。倒し切るには、かなりの時間がかかる。何とかしないといけないし、出来ない事は無い。ただ、それで他にもゴブリンが残っていた場合は厳しくなってくる。


「うぉらあ! 耐えきれるぞ! マリアナ! 俺の後ろ側を優先!」


「ソーンバインド! リーダーは何とか止めてるけど、厳しいからね! 前は見ておいてよ!」


「せいやー! 蹴散らしますよ!」


「ヒール!」


 ゴブリンの包囲網が崩れていく。ゴブリンリーダー以外の攻撃は甘んじて受ける。その隙に、俺も攻撃に回る。何とか処理しきれるだろう。そんな感じだ。この死線を潜る感覚。これが現実。ゲームでは味わえない苦戦。死闘。まだだ、まだ楽しめる。笑っていけ。恐怖に縛られるな。


「よく耐えた! 後は任せろ!」


「ハイスラッシュ!」


 ったく。遅いぞ。援軍は有難いけどな。


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― 新着の感想 ―
敵や飛んできた攻撃を盾や武器で好きなところに弾き飛ばせるスキルや、敵や攻撃が近づくほど自分の速度が上がるカウンタースキルや、敵が近づくほどダメージを与えられる属性結界スキルがあればいいな
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