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世界最強の守護者  作者: ルケア


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トレイン

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 ゴブリンとの戦闘で、Fランク冒険者の精神はどんどんと擦り切れていく。集落に到着するまでに、余りにも戦闘回数が多すぎる。これで10回目だ。ゴブリンは毎回5体前後。どう考えても班を作って行動している。それは、統率個体が優秀であるという事でもあるんだ。俺の中の懸念は、確信に変わっている。これは面倒な事が起きる。単純なゴブリンの集落を潰すだけの依頼では無いことは明らかだ。統率個体がゴブリンリーダーであれば、まだいい方である。これがホブゴブリンであれば、確実にCランク冒険者が出てくる事態になっているだろうからな。


 ちなみに、ゴブリンリーダーとホブゴブリンのステータスはこんな感じである。


――――――――――

名前:ゴブリンリーダー


HP 1253/1253

MP 56/56

――――――――――


――――――――――

名前:ホブゴブリン


HP 1857/1857

MP 102/102

――――――――――


 Cランク冒険者なら、簡単に蹴散らすレベルではあるんだが、Dランク冒険者には荷が重い。スキルツリーが3つとも揃っていて、かつ35まで育てているのであれば、レベル150程度で攻略できるだろうとは思う。それだけの経験値を得ているのかどうかが疑問なんだ。斥候1アタッカー5の編成では、夢幻の世界の攻略は難しい。となれば、主戦場は外になる訳なんだが、それでも敵を見つけるのに時間がかかる。今回の様なゴブリンの集落を見つけて叩くような冒険者じゃない限り厳しいんだよな。


 ただ、後ろの方から漂ってくる空気が、どうにも楽観視しているというか、何というか。危機感がまるでない。斥候役も特に警戒している様子は無いし、本当は強いのかもしれない。俺にはとてもじゃないがそう見えないが。油断しきっている。正直、どちらかのパーティーがやらかす未来が見えるほどだ。頼むからホブゴブリンは出ないでくれ。ホブゴブリンを相手に、立ち回れるだけのステータスは持ち合わせていないのだ。ゴブリンリーダーなら、何とか出来るとは思う。だが、ホブゴブリンは無理だ。無茶が過ぎる。


 そして、漸くと集落に到着した。……戦闘が出来る状態のFランク冒険者が30人居ればいい方だ。もうすでに、撤退をしたいって感じの冒険者が多い。俺たちは毎回参戦しているが、元気のあるFランク冒険者はもういないと言っても過言ではない。


「それじゃあ、作戦はそのままだ。雑魚共の相手をしていろ。その間に、俺たちが上位個体を片付けるからよ」


「それじゃあ、本気を出そうかね! そら、行くぞ!」


 単純な突撃。作戦も何もあったものではない。自分たちよりも格下だと疑わないその姿勢。見習いたいとは思わない。常に自分たちよりも格上だと思うべきだ。格下と思っていたら、格上だったという時のケアをしないといけない訳なんだよ。そのケアがまるでなっていない。楽勝だと思っているんだろうな。そんな簡単には行かないとは思うがね。


「それじゃあ、俺たちは俺たちの仕事をするぞ。大挑発! ガードスタンス!」


「バフをかけるよ。魔法力アップ! 防御力アップ! 攻撃力アップ! 素早さアップ!」


「ダイス! ああ、4でした。それじゃあ通常攻撃で! ていやー!」


「ガンガン攻撃していけ! パリイ! こっちも攻撃出来たら攻撃する!」


「ヒールはまだまだ必要なさそうですね。頑張ってください」


「メリアは他のFランク冒険者を見てやってくれ! こっちは暫くは大丈夫だ!」


「解りました」


 ゴブリンがガンガンと攻撃してくるが、こっちにだって意地がある。簡単に崩れる訳にはいかない。最強を目指すんだ。こんな所で躓いてなんていられない。タンクとしてだけではなく、アタッカーとしても攻撃していく。ノーデンのお陰で、かなり余裕があるんだからな。


「ソーンバインド!」


「マリアナはバインドしているゴブリンを狙え! 積極的にクリティカルを狙っていけ!」


「ダイス! でも、クリティカルってどうやって狙うんですか!?」


「急所になる場所を積極的に狙うんだ! ゴブリンなら首や心臓のある部分になる!」


「解りました! せいやー!」


 単純な攻撃と、クリティカルではダメージ効率が違うからな。6がコンスタントに出れば、話は違うんだが、そんな確率の偏りが起きるのかって事なんだよ。運が高いんだから、多分だが4割くらいの確率で6が引けるとは思う。ただ、安定してクリティカルを出せるなら、出した方がいい。1が出ても、クリティカルになる場所が限定されるだけで、出ない訳では無いからな。マリアナにはクリティカルアタッカーを目指してもらうんだ。狙ってクリティカルを出せるようになってもらわないと。


 メリアのヒールで、他のFランク冒険者が盛り返してくれているんだ。何とか処理を続けたいところではあるんだが、最前線組が中々帰ってこない。リーダー格を倒して、普通のゴブリンを処理してくれないと、こっちの戦列が崩れかねない。今はまだ何とかなっているが、離脱者が増えている。ヒールで回復してやっているのにも関わらずだ。戦意喪失していっている冒険者が多すぎる。このままでは不味い。


「ノーデン! バインドはこっちじゃなくて、他の冒険者に切り替えてくれ! こっちはそうそう崩れない! 崩れそうなところをフォローしてくれ!」


「了解したよ! でも、危ないと思ったらこっちを優先するから!」


「少々危険な橋を渡るつもりだ! こっちの事はある程度放置で良い! ヒールが間に合えば何とでもなる!」


「MPは心配いりませんよ。まだまだ余裕はありますから」


「あたしも! もっと早く! たぁあ!」


「こっちがもっと引き付ける! 大挑発! パリイ!」


 ゴブリンを多く引き寄せる。他のFランク冒険者では厳しい。処理速度が全然追いついていない。最前線は何をしているんだ。苦戦しているのであれば、囮を立ててでも、雑魚の処理を優先して欲しい所なんだけどな。雑魚とは言っても、Fランク冒険者にとっては、かなりの強敵なんだ。無双できるだけの技量はあるはず。雑魚をとりあえず早く処理してくれなければ、本当にFランク冒険者が死にかねないぞ。


「メリア! MPはどのくらい残っている!」


「まだ半分はあります!」


「4分の1になったら、仕方がないがこっちに集中してくれ! ノーデンはどのくらい残っている!」


「こっちはまだまだ残ってる! バフをかけ直すよ!」


「バフは出来るだけ早めに切り替えてくれ! 切れるのが一番拙い! 大挑発!」


「あたしはどうしたらいいですか!?」


「とにかくクリティカルを狙いつつ、攻撃優先! 回復はメリアに任せておくんだ! 多少のダメージは考慮していけ!」


 ダメージを受けて良いとは思わないが、それでも処理を優先していかないといけない。ヒールが出来なくなった時、俺たちが死ぬことになる。逃げる事は出来るかもしれないが、こんな状況で逃げて良いのかって事もあるんだよな。ここでFランク冒険者が全員脱落したら、Dランク冒険者も危うくなるかもしれない。


 出来るだけ戦線を維持する。……逃げるのは、本当に最後の手段だ。最後の最後まで諦めてなんかやるものか。意地でもEランクに昇格するんだよ。こんな所で負けてなんかやるものか。


「うがあああああ!?」


「ひぃいいい!? 来るな! 来るな!」


「死にたくねえ! 俺はまだ死ねないんだ!」


「……クソ。最悪だ。これがDランク冒険者のする事か!?」


 トレインだ。ヘイトを集め過ぎたんだな。Dランク冒険者の1組が俺たちの横を通り抜けていった。……最悪だ。となると、来るのは。


「ガァアアアア!!」


――――――――――

名前:ゴブリンリーダー


HP 849/1413

MP 0/56

――――――――――


 まあ、こうなるよな。


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