呪符
こうゆうのを描きたい。
約束を失えば瓦解する価値を薄片に刷りあげて
ひとつに束ねれば頬をぶつ暴力となる
なにかを宿したわけでもないのに
手の込んだ装飾で縁取られてる数字が
力を持つから人間の世は不思議
想い 契り 慈しみ
替えられないものはあるはずだけど
ものさしがなければそのおおきさを
識ることができないのが憐れだ
こんな紙切れに誰かが魂を売り渡し
誰かが涙を瞼から溢れさす
これを呪わしいと呼ばずしてなんとしよう
恩恵にあやかる者は幸福か
知らぬが仏の顔も三度までだ
いつかおまえの身をも蝕むだろう
心しておけ
真贋を問わずとも仮初めの価値に薄氷は張り詰める
ひとたび砕ければ蚊を殺すことも叶わぬ
なにかを秘めてるわけでもないのを
気づかずに重ねてく零で膨らむ数字が
勝者を決めるは人間の世のさだめ
悼み 深く 狂おしく
逃れえない罰もあるはずだけど
積み上げて支払い 赦しを買える
思い違いしてるのが憎くて
こんな紙切れに誰かを裏切って売り飛ばし
誰かが目尻を垂れ下げてほくそ笑む
これを忌まわしいと呼ばずしてなんと呼ぶ
潤沢に持ちうる者は安泰か
容易く手にできるほど容易く去る
やがておまえの星も見放すだろう
覚悟しておけ