8.Active Mother
屋敷に怒声が響き渡る。
「どういうことなのこれは⁈」怒りに満ちた目で足が竦み上がった男と目を瞑ったまま礼儀正しく直立している女性をそれぞれ見比べる。
「オフィサー、説明しなさい。明確に・隠さず・にね。」
「旦那様が当主の課題を〇〇〇〇様にやらせろとのことでしたので…」と言い終わるのを待たず、銃声が鳴り響いた。弾は数り㎜を横切り壁に当たった。
「アーナータァ、馬を用意してくださいな。」
「レナよ、まず…怒らないで聞いておくれ、、、この課題を受けさせるのは娘のためでもある。たのむからオフィサーに当たらないでくれ。」
「自分の家のためではなくて?私は子供を失うのはごめんよ、行かせてもらうわ。」颯爽と彼女は外に出て行き、地馬の鳴き声と共に去っていく音が聞こえた。
「オフィサー、あとは……頼むよ。」
「ご自身がはじめたことなので片付けはご自身で頼みます。」
ジト目でオフィサーを見続ける男はあまりにも頼りなかった顔なので溜息をついた。オフィサーは仕方なく、主の命令を受諾した。
「わかりました。本当に仕事以外はダメ男なところ治らないんですかねェ、坊ちゃん。」
「スマヌ。」