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砂時計  作者: 夜桜 刹那
3/5

第二戦 【砂の能力者】



「私の部下を随分とあそんでくれましたね・・・」

ラルの後ろにはウィンザーがいた

「よォ・・・ウインザーだかウィンナーだか知んねェけど、砂返せ」

ラルはふと銃を腰にしまい、手を差し出した

「すいませんね、今幹部のベータ様から電話がありましてね、そこで全て渡してしまったのですよ」

ウィンザーはニコっと不気味な笑みを浮かべた

「そっかァ〜、しょうがねェな・・・ならお前ェの砂時計もらうぜ」

ラルは腰を低くして刀に手をつけた

「そう簡単にいきますかね・・・?」

ウィンザーは足に付けていた6本のクナイをかまえた

ラルはフッと笑うとウィンザーに刀を振り下ろした

カァンッ 

ウィンザーは刀をクナイで受け止めた

「甘いですよ・・・隊長をナメてるんですか・・・?」

ウィンザーはラルの隙をつきクナイを投げた

シュッ

ラルはとっさに避けたがクナイはラルの頬をかすった

ツーっと紅い血がラルの頬を流れる

「フフフ・・・やはり子供とあって戦闘経験が浅い・・・次ははずしませんよ?」

ウィンザーは微笑むとラルにクナイをかまえた

「ラル様!!」

アルファはとっさにラルの前に立った

「おっと・・・今度は女の子ですか・・・残念ですが、私、子供が大嫌いなんですよ」

ウィンザーはギロっと目を開けてアルファを睨み、構えていたクナイをアルファに振り下ろした

アルファは強く目を瞑った

「アルファ・・・お前ェは戦なんぞまだ無理だ・・」

ラルはアルファの服を掴み振り払った

「ラル様!!」

アルファは目を開けた。クナイがラルに刺さるのが見えた

ラルはアルファに薄い笑みを見せるとそのまま倒れた

「・・・あのラル様も結局こんなモノか、自分より部下を取るとは・・青い。戦場はそんなに甘くはない」

ウィンザーは倒れたラルを見て鼻で笑うと振り返り城へ歩き出した

「ラル様・・・」

アルファは倒れたラルの前で何度も名を呼んだ

「ウィンナー・・・」

ウィンザーは足を止めた。

「おいコラ、主人公死んだら始まらねェだろうが、まだ二話だぜ・・?」

ウィンザーは聞き覚えのある声にふと振り向いた

そこにはラルが立っていた

「な・・・!?」

ウィンザーはいつもの何倍も大きく目を開けて驚いた

なぜならウィンザーが投げたクナイは確かにラルの急所に刺さったからだ

血も尋常ではないほどの量が流れていて、普通の人間なら即死だ。

「悪ィね・・俺はちょっと特別でね」

ラルがそう言うとクナイが刺さっていた所がサーっと砂になってラルの体ごと風に消えクナイだけが残った

ウィンザーはあまりの衝撃に開いた口がふさがらないようだ

「どした?ウィンナー?」

ウィンザーの後ろで声がした

ウィンナー・・・じゃなくてウィンザーは恐る恐る振り返った

そこにはラルが笑顔で立っていた

ウィンザーはようやく重い口を開いた

「貴方の額の傷、どこかで見覚えがあると思ったら貴方・・・『砂の能力者』ですね」

「おっ!大正解〜」

ラルは麻酔銃に実弾を入れウィンザーに向けた

ウィンザーは降参したように下を向いた

「無実の人々の命を奪った罪を償え。。。馬鹿野郎ォ」

ドンッ―

バタッ― ウィンザーは地面に落ちた

ウィンザーのコートの裾から砂時計が転がった

ラルは砂が大量に入ったウィンザーの砂時計を拾い上げた

砂時計はしばらく砂を落とし、やがて止まった

ラルはウィンザーに目を向け一礼するとアルファを見て頷いた

アルファはラルが何を言おうとしているか解っていた

ラルは城に背を向け砂時計を大事そうに握りしめながら歩き出した

ラルが数十メートル歩いたころだろうか。。アルファがラルの後を追った

アルファとラルの後ろにあった城はゴォーっと音をたてながら激しく燃えていた

ラルはふとアルファの頭に手をあて呟いた

「悪いのはウィンザーじゃない。。。奴だ」

アルファは一瞬目をうつむかせるとラルに言った

「ラル様、そこタンコブできてるんで痛いっス。。」



二人は再び商店街を歩いていた、向かっている場所はジマンジュの駄菓子屋だ

商店街の人々はラル達が通り過ぎるのをいつまでもジーっと見ていた

「ラ・・・ラル様!!」

後ろから聞き覚えのある声がした、ラルが振り返るとそこにはジマンジュが立っていた

「ジマンジュさん。。コレ」

ラルはウィンザーの砂時計を手渡した

「ウィンザーの残りの寿命の砂です。村の人々の寿命よりは何百倍も少ないですが、受け取ってください」

ジマンジュは砂時計を受け取るとうつむき、黙って泣き始めた、そして小さな声で何度も「ありがとう」と言っていた

商店街はワーっと賑やかさを取り戻し、拍手の嵐に包まれた

ラルはフッと微笑むと商店街を再び歩き出したそして右手を高く上げ大声で言った

「ジマンジュさん!!次会う時はこの世に砂時計が無くなったときだ、それまで元気になッ!!」

アルファも大声で言った

「チョコレートの駄菓子、美味かったっス」

ラルとアルファは涼しい顔で村を後にした。


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