スライムVS狼
遅れやした
フォレス森林 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
がふぁっ、、、くそっマジてヤバいっ!森に狼とか相性良すぎなんだよ!
「スラ(招雷)」
あ~最悪過ぎて乙い。この狼マジどうなってんだよ。速すぎなんだよマジで。くそが。
つーか何でオレが森担当なん?相性考えろよ。ほらさ、今の招雷だって周りの木に当たっただけで狼には掠りもしてねぇんだよ。知ってるか?雷は高いものに引き寄せられるんだぜ?不利過ぎて死ぬわ!
まあ、ジャンケンに負けたのはオレだけどさあ。んでも3スラ揃って心理戦仕掛けてくるのは卑怯だと思うんだよね。あいつらどんだけオレのこと森に押しやりたかったんだか。
ガササッ!
「ス"ラ"ッ(ガッフゥー)」
いてーんだよあの狼。マジで。え?狼はレベルお前より低いだろって?ムリムリムリ、孤高の狼とかいうチートに勝てるわけねーじゃん。なによ相対性理論て?オレチートキライよ?何で速ければ速い程攻撃力が上がるんだよ。そういうスキル?うっせぇ黙ってろ。
しかも孤高の狼って最大で俊敏性4.5倍まで上がるんだぜ?やってられるかってんだ。
「スラァ(ゲフゥゥ)」
はぁ、狼ホントパネェよ。オレも狼に生まれたかったわ。まーでも、どーせここで狼に殺されるんだろうし、せめて相討ち覚悟でいくかぁ・・・
「スラ(壊雷)」
:壊雷 自身に秒間1%のHPダメージ。自身の俊敏性を6倍。知力値2.5倍。防御力75%ダウン。自身のHP回復を阻害する。
HPはだいたい残り71%・・・つまり狼に何もされなきゃ71秒か、、、まあ、じゅうぶんだな。
「スラ(反発)」
オレの体は良く跳ねる。森ん中走るよりも木々を弾んだほうが速い。
Seid・URUFU
あ?殺雷が動き出しやがったな。βんときゃプルプル震えてるだけだったんだが、、、検証王が言ってやがった性格の差ってことか?
・・・つっ!?隣にいるだぁ!?
「スラ(滅雷)」
:滅雷 自身のHP10%を消費。自身から放射状に雷撃ダメージ。最大ダメージ数知力値×10倍
っぶねえ!っんとにどんな威力してやがんだっ。咄嗟のとこで中央付近は避けたが、HPが25%も減りやがったっ!!
「スラッ(放雷・激豪)」
:放雷・激豪 HPを50%使用。15m以内に使用MP分の防御貫通ダメージ。
森中に響き渡る雷音とともに、雷が俺に突き刺さった。
『HP4025/13750』
やべぇわこのスライム。フィエルタんとこの温泉スライム並みにやべえ。
「ーーー迅風、加速等式」
スキルを使って加速する。が、
「スラ(反発)」
速ぇ、木の幹に当たる度に加速してんのか?くそっ槍ーカには謝っとくか。少なくともこのスライムは俺の手にやぁ負えねぇ。
「スラッ(爆絶雷雷)」
:知力値、精神力が0になる。知力値+精神力分の防御貫通ダメージ。
『スキル ど根性が発動しました』
:ど根性 攻撃を受けた際、気合いでHP残り1で耐える。
残りHPは1。何とかど根性で耐えたが次はねぇ。つっ!?足が動かねぇ!!スタンか!くっ、、、まあ、ここまでくりゃあ逆に清々しいな。
嗚呼、いっそ、最高の気分だ、、、あ?
「ス、ラァ~(も、げんかい)」
ペチョンッ
殺雷之素羅異夢が液状になり、地面に広がった。
『殺雷之素羅異夢の死亡を確認。プレイヤーURUFUによる外部ダメージが次点最多。これによりプレイヤーURUFUに経験値を譲渡します』
は?どういうことだ?次点・・・最多!?自傷系スキルかっ!!くそっ納得いかねぇ。あいつぁ俺に勝ってたっつーのに俺のレベルが上がるとかよぉ。・・・まあ、過ぎちまったもんは仕様がねぇ。あの殺雷に勝てるようもっと鍛えるか・・・
一方、アルーパ平原 ーーーーーーーーーーーーーーー
「随分と狂暴な四スラ皇だね。まさか僕が襲われるとは。とても驚いているよ」
黒い、金の装飾がなされたコートを羽織った男が、ボロボロになった殺嵐之素羅異夢を手でわしずかみにしていた。
「領主様!ご無事でしたか!!?」
遅れて来たであろう騎士が、馬から飛び降り男へとかけよった。
「ああ、大丈夫だよ。僕は騎士からの叩き上げだからね。この程度の魔物なら素手で充分かな」
男は騎士へと微笑んでみせ、手から殺嵐を落とした。
殺嵐は地面に落ちると同時に崩れていき、やがて跡形もなく消え去った。
「さ、いこうか。エルシェとエミリが待ち遠しそうにしているからね」
男は殺嵐が消えて行くのを気にも止めずに歩きだす。
「ですが、このようなこともあります。やはり、身を守るためにも町からでないほうが、、、」
「騎士君、確かハーレンスだったかな?安心していい。僕は強いから」
騎士の忠告を意に介せず、男は娘たちのいる馬車へと歩を進めた。
領主、いい父親ですが、一般常識から見るとドクズ野郎です。
書き忘れてましたが、四スラ皇のステータスは全員同じです。