12話 絶え絶えし血統
両端が尖った針状の暗器——通称、千本——が空中に並べられ、九ミリ経の鉄塊に向かって一斉に発射される時にはもう既に、それによる怪我人が出ていた。
「おいジジイ、もう十分だ」
「夜霞さん、無茶しすぎです。お身体がよくないんですから自重してください」
最前線で醜い姿を晒していた凸凹コンビが後退する。
「やれやれ……困った人だ。人間の皆さん、また近いうちに」
捨て台詞は飛鳥だった。入試の時とはまるで印象が違ってみえる。
地面から生えた氷の手が毛皮を強引に剥ぎ取ったところを視覚補助越しに確認したとの連絡を受け、戦闘は終了となった。犠牲者を出さなかったことが一つの戦果だろうか。あるいは、唯一の成果というべきだろうか。敵の討伐、及び逮捕には至らなかった。
近年、獣人による犯罪行為が後を絶たない。昨年は全体の三割以上が彼らだった。また、テロリズムによるものは九割を占める。
花梅花皮の柄が、事件を治めた魔法闘士の身に付けていた鞘と刀の柄がそれで装飾されていた、という理由で流行するくらいには近年の社会に与える影響が大きい。
「一人ぐらいはいっときたかったな」
中年の魔法闘士が自戒の意を込めて呟く。第二小隊に対する批判とするのは野暮だった。
魔法の発展に伴い現場での犯人殺害が増え、そのデータは正確性に欠けるところだが、彼らが社会——というより人間——に不信感を募らせていることは火を見るより明らかだ。生い立ちを鑑みれば、募らせるまでもなく初めからメーターが振り切れていてもおかしくないだろう。
因みに、犯人の殺害については国家公安委員会内部でも意見が割れており、日本闘士軍が所属する魔法部と一部の役人を除き反対派が多数となっている。
現場とお役所の齟齬というのはどの時代にも存在するものだ。
「千鹿ちゃん!もう終わりだよ」
身体が振り返るくらい腕を強く引いて首を横に振る撫子と、それを見て肩の力が抜ける千鹿。
やはり、隊長としての判断力は少なからず備わっているらしい。その証拠に、魔法闘士が誰も彼らの後を追おうとはしていない。
「撫子、ありがと」
そして一人。頭に血が昇っていた戦士が砕けゆく自身の剣を看取ると同時に、支えを失くし受け身さえも取ることが出来ずに倒れる。
「えぇ!?あー、どーしよう。ちかちゃんの。ちかちゃんの」
それだけ気を張っていたということか、いつもの調子に戻るのは早かった。
「あぁ、大丈夫大丈夫。こいつ模擬剣だから。家を出てく時、腹いせに奪ってきたのよ」
言いながら立ち上がろうとするも、怪我を思い出した今、そう簡単にはいかない。
「今日だけは勘弁してやる。もう少しそうしておけ」
ジルクに痛みすら感じない腕を踏みつけられ、そして、最後まで立っていられなかった未熟さを痛感するのだった。
千鹿は周りを見渡した。身体がいうことを聞かないから首だけで。
横になっているのが自分だけという事実は、ニーチェのルサンチマンとは真逆の弱者思想に染まった彼女にとって好餌である。けれども、隣で涼しい顔を浮かべながら尻をつけるジルクだけは癇に障った。
「いや〜、疲れたわ〜」
嫌味ったらしく大きく身体を伸ばす日本闘士軍第一支部戦闘部隊第二小隊長の佐官特士官。
少し斜めっている床。それが、座るには丁度よかった。都合よく残った天井が雨を遮り、頭の後ろで手を組み寝っ転がりたいところをぐっと堪え、身体の横に手を突いた。
「なに?説教でもするつもり?」
正式な合格発表、所謂入学式すら経ていない中学最強の魔法剣士が、一昔前の娼婦や家出少女でよく聞いたようなセリフを返す。
「月島の……。こいつを診てやってくれ」
想像とは違った、というよりも印象とは違った気遣いに、千鹿の虚勢が行き場を失った。
「今回の闘い、正直なところお前は死んでも構わないと思っていた。俺も俺の部下も。今後のことも考えれば尚更そうなって欲しかったわけだが、これに懲りて——、なんて言うつもりはない。言ったところで聞くような玉じゃないことは知ってるしな。そんなことよりも聞きたいことがあるんだわ」
正座するほど畏まってはいないが、ジルクは姿勢を改める。突いていた右腕を股の間に持ってきて膝を内側に折り畳む。そして、向き直って千鹿と顔を合わせる。
「お姫さんに——自分の剣を賭けているんです、って言われたんよ。その物を指してるのか概念的なことなのか、それも含めてお前にとって剣ってなに?」
なんとも抽象的な質問に頭を悩ませたのではなく、予想外の質問に困惑したのだった。
しかしながら、実際に言葉にしたことがなかった為、話し始めるまでに少しの時間を要した。
「多分、概念だと思う。お義父さんから教わったことと風早の道場とかで見たもの、そのどれもが私を形容する上では欠かせないからものだから、もっと大袈裟に言えば、私をこの世界に繋ぎ止めているものだから、それらを失うことは死ぬことと同義って撫子は思ってるんじゃないかな。まあ実際は、死ぬことをそんなに辛いと思ってないだけなんだけどね。あ……、これは撫子には絶対言わないでよ。めんどくさいことになるから」
大局観さえ備わればあるいは、平然と自身を歩兵として捨て兼ねない彼女の羅針盤にジルクは恐怖を覚えた。正確すぎるからこそ余計に。
「ますますイカれた血だ」
ジルクは、誰の耳にも届かない小さな声で呟いた。
自然に、記憶の中の人物と混同してしまうくらいだった。
俺が賭していたそれは命の次に重い何かだった。しかしこいつは、十五そこそこで命よりも重い剣を持ちながら、それを微塵も躊躇うことなくベットしてやがったのか。
〈悪戯好きの神槍〉。基本的な付与系の魔法である『能力の向上』を極大化させた魔法である。戦闘後卓上に乗せた賭け金を失う代わりに、その程度に応じて能力を得る。
その極致は命を賭すことだと専らの解釈だったが、千鹿を前にしてそれ以上があるのかもしれないとジルクは思った。それ同時に、そこには至れないとも思った。
「お二人は知り合いなんですか?」
先程から、千鹿の右腕と左脚にかけられた魔法を診ている玲桜が、闘いの最中からずっと気になっていた疑問をぶつけた。
「こいつの親戚と昔ちょっとあってな。それ繋がりで知ってるってだけだが、それがどうかしたか?」
「いえ……。ジルクさんは言わずもがな有名人で、我々学生からしたら憧れの存在なんですけど、千鹿ちゃんは有名と言ってもごく限られたコミュニティでの話だから、なんともミスマッチというか羨ましくて聞いてみただけです」
その言葉は、まるで弟の月島隼颯が発したかのような棘を持っていた。けれども、思い返してみれば玲桜も消極的なだけでわりと肯定的だった様に見えた。
「サインが欲しかったら、この後支部に来るか?」
こういうものは本来、提供する側が持ち出すものではない。
浮かれて鼻高々というわけではなく断られた時の恥ずかしさから逃げ道を用意しているところは、格好をつける為ではなくむしろ、むず痒い肌を掻き毟る様な感覚だった。
「よ、よろしくお願いします……。千鹿ちゃんの手脚は、さすがにもう魔法はかけられていないから恐らく麻酔的なものだったんじゃないかと思います」
「今日は色々とありがとな」
魔法を行使する者には、効果範囲という優劣を決める一つの指標が存在する。
視覚的に分かりやすい放出系魔法で鍛錬するのだが、距離が伸びれば伸びるほど指数関数的に修行時間が増え、二百メートルあたりが潮時だろうとされている。戦闘シチュエーションのみを考えるのならば百メートルでも過剰である。
ここでも狙撃手というものの不遇たる遠因がみられる。魔法との親和性が全く無いかというと、望遠スコープが必要なくなり取り回しが良くなったところや、弾道の変更により狙撃地点の隠匿性が向上したところなど、無いわけではない。ただ、極めて少ない。
例えば、発射した弾丸の分身を幾つか作ったとして、それらは着弾時には形を保っていられず跡形もなく消えているのだ。属性の付与だったり回転数の増加だったりも、途中からは全く意味を為さない。
膨大な魔力を要する干渉系魔法によるベクトルの変更でない限り、曲げる角度が鋭くなるに従って威力は減衰するものであり、狙撃地点を絞らせることなく威力をある程度保つ為に、初撃は谷の様な地形、もしくは連山を背に飛ばすという定石が出来てしまった。
中には、まだ一撃必殺の看板を下ろしていない狙撃手も存在するが、絶滅危惧種である。
「もし神経系が切断されていたら、手術後のリハビリは協力するからね」
ウィンク一つ、お辞儀一つ。それぞれ別の人物に交わし、玲桜はその場を後にする。
病気であればHPカプセルによって治すことが出来るのだが、怪我ではそうはいかない。
技術の進歩により殆どの手術において後遺症は残らなくなった。とはいっても、やはり魔法と相伴って発展できなかったものと魔法技術の産物とでは、その速度に違いがありすぎる。
「そういえば、よくあんなもの使えたな」
ジルクの言うあんなものとは、走攻守で比類なき活躍を見せたワイヤーのことである。
空中戦を得意とする風早家によって早々に目を付けられたが、どうやっても使用することが出来ず、魔工具——魔力を流し入れる魔力流動の技術と共に開発された戦闘補助道具——であるはずなのに汎用魔力では扱うことが出来ない現代のオーパーツと一部では云われていた。
その謎が解明されたのは一年前のBOSのこと。
礎生家の魔法闘士が使用し再び脚光を浴びたと同時に、器用貧乏という評価が観客席の大半を占めていた。また、使用者には——扱いが難しいわりに突出した強みがない、と辛口を叩かれる始末だった。散々なデビュー戦である。
「お前、あの魔力は持ってないだろ?」
ジルクの疑問は、当然そこだった。扱うことが出来たということは礎生家の固有魔力を持っているということになる。
「うん」
けれども、千鹿は持っていないと言う。
「おじちゃんに教わったのよ」
続けて、ジルクにだけ伝わるような言い方をする。周りに誰もいないのだから分かりやすく話せばいいものを、あるいは、だからこそなのかもしれない。
「その魔力はお前の性に合いすぎてるな。扱い方だけは間違えてくれるなよ。この先、もしお前が犯罪者になったら、確実に倒せる自信がないわ。今のままなら余裕なんだけどな」
風早千鹿は、自身の下に他人を置かない。自身の隣にも他人を置かない。常に貧しく、常に愚かであり続ける彼女は、富んだ才を卑しく貪り食す。
この星の魔力“無形”とは比べられない程に出来る事が多い千鹿の魔力は、その性格によって如何様にも曲解させられるだろう。ジルクの想像の遥か及ばない所で。
「あんたなんかに負ける訳ないでしょ」
「よく言うわ。誰のおかげで命があると思ってんだか」
犯罪者になったら——。千鹿自身もそれは分からなかった。
今更無理に起きるような真似はしない。けれども、口だけは気丈に振る舞う。それこそが彼女を彼女たらしめている強さだった。
「まぁいいわ。それより、あの最初の〈十閃〉って魔法だか技術だかはどういう意図で使ったんだ?恐らくだが、威力を分散させて斬撃の数を増やすんだろ?だったら横薙ぎでもした方がダメージは期待できたぞ。リスクなんてあってないようなもんだし、何よりあの状況でガードは考えられないだろ。普通」
闘いが終わった魔法闘士がすることは休息ではない。反省会と称した感想戦を繰り広げる。
まずは、近くにいた魔法闘士が息を呑んだ連携から振り返る。その前にあった夜霞との闘いは、千鹿は観ていないだろうというジルクの見立てだった。
「ガードされるでしょ。普通に考えて。実際防がれたし」
「あぁ、そう」
ジルクの言う『普通』とは、学生だったら、と前置く。それに対して千鹿の言う『普通』とは、世間一般的にみて、というそのままの意味である。
ジルクは、チューニングをするみたいに相槌を打った。
「因みに、聞くまでもないと思うがあの時はなんか策があったのか?」
「ある訳ないでしょ」
当然の事をいちいち聞くな、と言わんばかりに千鹿は臨戦態勢の時と同じ口調になる。
それが感想戦というものなのだが、旧知である二人の間に礼儀は必要ないのだろうか。それともジルクが慣れたのだろうか。気持ちばかり尻に敷かれているような気がしなくもない。
「その後のも……まぁ、そうだよな」
ジルクが言葉を並べるその途中でもう、千鹿は睨み返すだけである。
続いて、戦局を二分されてからの話がジルクの口から出かけたところだった。再び遮られ、ジルクは天を仰いだ。願い事はただ一つ。——早く帰りたい。
「お邪魔します」
演技派女優の如く姿を変える撫子が、膝を曲げて身体を屈め、尻の曲線をなぞりドレスの裾を前に持ってくると、飲み物と共に乾いた床に腰を落とした。
所作は淑やかに。そして、座る場所を甚だ以て間違う。何とも撫子らしかった。
「ちょっと、汚れるよ」
すかさず千鹿が、慣れた口調で容喙する。が、撫子とて慣れた様子で軽く黙殺する。
「はい。オレンジジュース」
「ありがとう」
氷のグラスにブロック状の氷が入れられている。飲み物を冷やすにしては過剰だった。
「ジルク隊長も、どうぞ」
「お、おう……」
同じくオレンジジュースを受け取ると、周辺の巡回警備を残すジルクの心に暗雲が立ち込めた。魔法によって、大気中の水分から作ったそれを汚らしく思ったから、ではない。そんなものは、隣で撫子に身体を支えられながらゴクゴクと喉を鳴らす千鹿を見れば、一目瞭然である。気にする必要はない。
ジルクが気にするところはやはり、逸早く感想戦を終わらせる事。撫子が来なければ後少しで終わりだったところに飲み物まで持って来て、彼女もその気なのだろう。
千鹿とだけ済ませて、——じゃ、俺はそういうことで、更にこの後に仕事がある旨を伝えれば切り上げることは難しくないだろう。普段でこそお転婆や我儘といった感想を抱かせる困り者の姫は、格式に相応しいだけの礼節を持ち合わせている。
そして、こと勉学においては大仰なほど真面目になる。
無視するとどこか映りが悪い、と思ったジルクは、渋々相手をすることにした。
「都合良くお姫さんが来たことだから、氷の足場を作ったところを聞いてみようか」
ジルクが千鹿の三段攻撃に触れなかった理由は、昔と変わっていなかった為である。ひどく傲慢的なその内容からしてみても、先刻の千鹿の反応からしてみても、戦闘時における自分本位な性格が想像を越える応えを返すとは考えにも及ばなかった。
「あれは何の目的があったんだ?その後、俺に上へ行くよう言った通りこっちの戦力を分散するんだったら、情報が足りないでしょ。俺の部下も他連中も大して闘ってなかったし」
「…………」
隊長を任された、その事実が、撫子の口を固く閉ざした。
改めて振り返ると、自分のことを棚上げして千鹿の勝手ばかり考えていたように思う。周りが見えていなかったのは誰だろうか。とてもではないが、それ以上口に出来ない。
手元のグラスが撫子に時の流れを伝える。溶けて小さくなった中の氷が並びを変え、ぶつかり合ったことで高く透明な音を鳴らし、表面に付着した結露がグラスの上を滑り落ち、それは雨と変わらず水溜まりを作った。
「俺も敵の戦力が不明なまま上に行った。それは、敵のリーダーだろう奴を釘付けにする為」
ジルクが無駄な沈黙を切り裂いた。撫子の行動は正しかった、と云う。
「やっぱり、撫子は隊長に向いてるよ。いつも私を支えてくれるのは撫子しかいないから」
千鹿は左腕を大きく広げ、再び仰向けで寝転がる。
「ところで、氷の魔法は誰かに教わったのか?理屈は何となく想像つくけどよ、似たようなことするのすら聞いたこともないから」
ジルクの興味本位な問いに、撫子が少し気落ちした様子で応える。
「誰にも教わっていません。私の独学です」
雨空の下では最強のその魔法も、使い手は彼女ただ一人。本来の使い方ではないのだ。本家、分家を含めても、撫子と同じ魔力を有する者が誰一人として行使できない異質な魔法は、煙たがられるには十分だった。撫子は、いつしか出来るようになった氷を精製するという類稀なる魔法によって、孤独な幼少時代を過ごしてきたのである。
いつの間にか、空が薄く焼けている。あれから三十分余り、千鹿はグラスを突いたり、オレンジジュースをチビチビ飲んだり、不貞腐れたような態度を貫いた。ジルクは、帰りたい一心で早口に捲し立てた。そして、撫子はただ一人感想戦に没頭した。
思い及ばなかった手が幾つもジルクの口から出、その口撃に為す術もなく滅多打ちにされた三十分だった。しかし、撫子の今後を左右する三十分だった。
あの場は完全に撫子が支配していた。一挙手一投足に神経を注がせるだけの力があった。なればこそ、大胆不敵な攻め手は決して間違いではない。隊長としての務めを放棄して前線に加われば、敵全員の捕縛もあり得ただろう。そして、相応のリスクを負ったことだろう。
撫子を隊長にさえしなければ——。これは、ジルクの器の問題である。
帰途、頭の中でジルクとの感想戦を反芻する最中、撫子はむしゃくしゃする。理解を超越したところで駒を指され続け、無力感に苛まれる。そんな気を紛らわすように、自身の気持ちを覆い隠すように、冗談半分で愚痴をこぼした。
「重いなー」
ドレスに皺を作りながら、背中に動きやすそうな格好の親友を携え歩く。逆であれば、ヒールが壊れてしまったのかなど如何様にも想像できるが、なんとも不自然な光景だった。
「あ、女の子にそれ言う!?今は力が入らないだけだから!いつもはそんな重くないから!」
耳に直接注がれた必要以上の声量が余計に撫子を煽る。
千鹿には傘をさす余力さえもなく、二人してびしょ濡れになって帰った。訳はなく、二人の頭上には氷の傘が浮き、雨粒を避ける。
「こっちだって、こーんなに魔力が残ってて不満なのー!」
『不満』と直接的に口にする彼女の言葉は、闘志が前面に出たものではなく疎外感からだった。実際、彼女が活躍した場面は片手の指を折る程度しかない。獣人化——獣の姿と人の姿とが融合する事——をしていない相手さえも第二小隊の魔法闘士が主に闘い、彼女たちはサポートに回っていた。それでも、壮丁してから幾許も経たない彼らや、彼らと共に魔法闘士に守られていた玲桜に比べれば活躍の場はあった。
特に、敵を退かせるに至った規模の大きな魔法は彼女だからこそ成し得たものであり、それでもまだ魔力が残っていると言うのは、彼女に内包する尋常ならざる魔力量を物語っている。