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チュートリアルと従魔

少し特急気味で仕上げたので、みおとしがあるかもです。


ごぺんなさい。


『ここは始まりの草原。ここでメニューの使い方、戦闘の基本を教えます!』


扉の先は、草原のフィールド。

そこで、小人が説明を終えると同時に、目の前にメニューの基本操作と書かれたボードが出て来る。


「何々?基本的に使用する機能は[アイテムボックス]、[ステータス]、[マップ]、[パーティー]、[フレンド]の五つです?……他と殆ど変わらないな。スキップで」


流し見でみると他のゲームと変わらないので、スキップする。



『では戦闘のチュートリアルを始めます!

まずは、一番弱いラビットを倒してみましょう!』


「きゅ!」


メニューの説明をスキップし、戦闘チュートリアルを始める。


すると早速とばかりに目の前にごく普通の兎が出現する。

それに対し、スキルの使い方とか言わない感じか?と思いながらも、感覚で≪心魔陣≫を発動し、杖を実体化させる。

杖は一般的な箒の半分くらいの長さの木の枝みたいなものだ。


「……ていっ」


「きゅぺっーー?!」


途轍もなく分かりやすい挙動で突撃してきたので、それに合わせてバットを振る様にラビットの頭部に向けて杖を振る。

真ん中にクリーンヒット。ラビットは勢いよく外野に向かって飛ぶ野球ボールが如くお空へと飛んでいく。


「えぇ……?そんな飛ぶ?そこまで力入れてないしステータスも低いんだがなぁ」


想像以上に飛んで行った事に呆けていると、テッテレーと言う効果音と共にリザルトが現れる。

どうやらドロップアイテムやお金は自動で回収される様だ。

ラビットからドロップしたのは[ラビット皮]。一番弱い雑魚エネミーからはこんなもんだろう。


『凄いですね!では次は二番目に弱いベビーバードを倒しましょう!』


「ピヨー!」


先程のラビットより更に小さく、まん丸なヒヨコに近いエネミーが現れる。

流石の俺もこの様な可愛いらしい生き物を倒すのは忍びない。


「ピヨぉー、ピヨ!」


「その体格で飛べるんかい。……ほいっ」


「ピっ!」


少し、ほんの少し、低空も低空だがその見た目からは考えられない、飛行を行いゆっくりとこちらに近づいてくる。

その事に多少驚いたが、まぁこの世は弱肉強食。

飛んでいる所を上から杖を振り下ろして潰す。

……ドロップは[ヒナの幼羽]か。


『じゃあ最後にウルフを倒してみましょう!』


「アウゥー!グルルっ」


背の真ん中に薄い黒いラインが入っている様な灰毛と黒毛の狼。

こちらを睨み、唸る。

……こいつに≪従魔術≫使ってみるか。

見た目も好みだし、狼は基本、嗅覚や野生の感などの索敵で優秀な力を持っていることが多い。

このゲームも同じような感じならば、序盤で活躍してくれるだろう。


「確か、従魔術のテイムは相手に認めさせないといけない……だっけ?」


「グルルゥっ!」


スキルの説明テキストを思い出しながら、真正面で向かい合う。

目が合うと深く唸る。

野生を生きた動物に自分を認めさせるのに必要なのはどちらが上かと言う上下関係。

確かに、対等に接し絆を以って認めさせる方法もあるのだろう。……ただし、その方法がとれるのは相手がこちらに殺意を抱かず、こちらも相手に敵意を持たない事が前提条件。

今回は既に相手は殺意を以ってこちらに対峙している。

ならば、認めさせるのにはどうするか?……答えは簡単。

真正面からぶつかり合う。


「グルルァッ!」


「ガアアァっ!」


お互いに雄叫びを上げ、突撃する。

先程の二戦で、こちらの世界で現実と同じ動きが出来る事が分かった。

こちらに噛みつこうと飛び掛かってきたのを横に避け、がら空きに成った横腹を殴り飛ばす。


「グウゥ……ガアア!」


「せいやっ」


少し転がるが、直ぐに体制を立て直して今度は足に噛みついて来る。

それをジャンプで躱し、そのまま空ぶった事で顔を突き出した状態のウルフにかかと墜としをお見舞いする。

きゃうッ!と、可愛らしい悲鳴を上げ地面に腹ばいに伏せられる。……伏せさせたのは俺なんだけどね。


「……グルぅ」


「お、もう終わりか?」


「クゥン……」


「おお、よしよし」


その一撃が止めと成ったのか、起き上がったウルフはこちらへの敵意を亡くし、腹を見せ服従のポーズをとる。

そのままお腹を撫でて、テイムを使用する。


<ウルフが従魔になりました。名前を付けて下さい。>


名前か……こちらへの二撃とも噛みつきだったな。

よし……。


「安直だけど、お前は「ファング」だ。」


「がうっ!」


―……トクン


従魔を手に入れた途端、胸に何かが響く。

まるで、静かな湖に一粒の水が落ちる様な感覚だ。


「クゥン?」(不思議、少し心配)


「これは…?……成る程。これが心を通わせると言う事か。」


この何とも言えない感覚が過ぎた後、従魔と成ったファングの気持ちが伝わってくる。

不思議ではあるが、まぁ嫌では無い。


さて、それは置いておいて。

気になるファングのステータスを見てみよう。


―――――――――――――

ネーム「ファング」

種類:[ウルフ]Lv3


ステータス

[HP]:24

[MP]:10

[STR]:16

[VIT]:8

[INT]:20

[DEX]:8

[AGI]:24

[LUK]:5


スキル

≪爪術≫≪牙術≫≪嗅覚・狼≫


―――――――――――――



「おお……Lv3の割には高くない?」


プレイヤーより敵モブの方が同じレベルでもステータスが高いのは割とありきたりな事だ。

自分で言っておいて何だが、別段驚く事では無かった。

しかし、一様これで今使えるスキルは全て試した。


『すごーい!倒すんじゃなくて従魔にするなんて!しかも真正面から!

あなたは良いプレイヤーさんだね!これでチュートリアルは終わりだよ!

――では、存分に我らが世界をお楽しみくださいませ。』


チュートリアルが終わると、小人の別れと共に光の扉が現れる。

しかし、今度はこちらの意思関係無く開かれる。


「……楽しみだ」


これからの未来に胸を高鳴らせて、扉をくぐる。



「エンジョイ攻略の始まりだ。」



何があろうと、楽しむ心は忘れずに。―これは、遊技なのだから。




「さて、これでようやくスタートラインに立ちましたわね。―ふふ、これから楽しみですわ。」


「……あら?私ったら、出るのが少し早かったみたいね。」


「驚かせてごめんなさい。……今度はちゃんとした時にお会いしましょう。」


「【読者は自由に、作者は自在に。―物語は形を変える】……では、さようなら」


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