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銀髪美少女の正体は?


 学校で妹に近付くのは困難を要する。

 クラス女子の殆どが妹の所に集まる。


 

 ただ、一緒に歩いていても、一緒に出掛けていても、それが噂になる事は無い程度に俺は皆から知られているので、当たり前だが他の男よりも近付く事は容易だ。

 しかし、栞軍団に割り込んで行く程、俺には勇気も気概もない。


 栞と話したい女子は多い、しかしやたらと全員がこぞって集まってるわけではない。

 皆、妹に迷惑が掛からないように遠慮しあい集まっている。まるでどこかの歌劇団のファンの様だ。


 そして妹の凄い所は、そんな風に集まって来ても、自分がでしゃばる事はない。

 相手の話を聞いて的確に答えたり、時には自分よりも詳しい人に話を振ったりと、臨機応変に対応している。


 個々の情報が全て頭に入っているのだろうか、集団の中にいる妹は、さながらオーケストラの指揮者の様だった。


 そして昼休み、相変わらずチャイムと同時に妹の周囲に人が群がる。

 当然一緒に食べる事は困難だった。

 

 俺は妹からあらかじめ受け取ったお弁当をどこで食べようか悩んでいた。


 自分の席で食べるのが普通なんだが、近くには麻紗美が座っている。

 麻紗美の事だ、一緒に食べようと言ってくるかも知れない。


 しかし、麻紗美と一緒に食べるのは危険だ。

 確か麻紗美は料理が得意と聞いた事がある。


 一緒に食べると必然、おかずの交換とかやっちゃうかも知れない。

 俺は頼まれると断れ無い性格なのだ。それに加えて麻紗美のお弁当に興味がある。

 しかしだ、俺のお弁当は妹が作った物、そして妹は現在俺の彼女って事になっている。

 つまり、麻紗美と一緒にお弁当を食べて、そしておかずの交換をするって事は、彼女の前で、女友達のおかずを彼女の作ったおかずと交換するって事なのだ。


 恋愛経験皆無の俺でもわかる……アウトって事は。


 この間妹を置いて麻紗美と帰っただけであれだ、そんな事をしたら、俺はどれだけ妹に気を使いそして宥めなければならないかと考えるだけで冷や汗が止まらなくなる。


 なので俺は弁当を手にそそくさと教室を後にした。


 まあ、麻紗美は俺とは違い最近じゃ友達も出来るようになったから心配はいらないだろう。


 俺は高校入学早々ボッチ飯の場所を探して校内をさまよう。


 そして裏庭の木陰にポツンと置かれているベンチを渡り廊下から発見した。


 あそこだ! 早く行って確保しなければ、俺は直ぐに外に出ると、さっき見つけたベンチに向かった。


 すると上から見た時は誰もいなかったベンチには一歩遅かったのか?先客が座っていた。

 ちょうど木の陰のせいで顔は見えない。しかし制服から女子と思える。


 さすがに見ず知らずの女子と相席するわけには行かず、俺は諦めて横を通り過ぎようとしたその時、その女子が手でベンチを軽くポンポンと2回叩いた。


「え?」


「……どうぞ」


「あ、えっと……」


「どうぞ!」


「す、すみません」

 2回も隣に座る事を勧められた。

 断る事の苦手な俺、ましてやこれから違う場所を探していたら、お弁当を食べる時間が無くなってしまうとそう思い俺は素直に彼女の隣に座った。


 隣に座りチラリと彼女を見る。

 そこにいたのは銀髪碧眼の美少女だった。


 透き通る様な肌、フランス人形の様な顔立ち、人間とは思えない一見異世界からやって来た妖精の様だった。


 それはまるで高価な指輪の様な、手に触れてはいけない絵画の様な、そんな雰囲気が彼女から感じられる。


 駄目だ、初対面の女の子をジロジロと見ちゃいけない。

 俺は緊張を隠す様に震える手を抑え弁当を食べようとするも、ポロポロとご飯が箸からこぼれていく。

 おかしいな、美人は見慣れている筈なのに……。


「ぷっ」

 すると隣から妙な音が聞こえてくる。

 俺は思わず彼女をガン見した。


「ぷぷ、ふふふ、あははは、あっははははははははははは」

 澄まし顔だった彼女が突如破顔し大笑いし出す。

 

「え?」

 その容姿に似合わない程の大爆笑に俺は思わずたじろいだ。

 な、なんだ? なんなんだ? 危ない奴なのか?

 俺が呆気に取られていると、彼女は涙を拭き今度は俺を真剣な顔でじっと見つめた。


「よお、久しぶりだな、元気だったか? 相棒」

 その顔、その髪、その瞳、そしてその口調を聞いて俺は、はっきりと思い出す。

 

「お、おおおおおお、おま、お前! 女だったのかあああああああ!」

 銀髪に碧眼と、こんなにも分かりやすい特徴が揃っているのに、女という事、そしてその容姿の美しさに俺は全く気付かなかった。


「あははははは、ようやく認識してくれたか?! よしよし、僕も立派になった」

 そう言うとそいつは自分の胸を両手でつか、掴んでる?


「いや、そこは成長してないな」

 あの頃のままだ。


「うっせえよ!」


「おおお、みつる! みつるだみつる!」

 俺の相棒、小学生の時の親友。


 俺がそう言うとみつるはベンチから立ち上がり、俺の前でスカートの裾を持ち、異世界の令嬢の様に膝を曲げ頭を下げた。


「……僕の名前は……美智瑠だ、渡ヶ瀬美智瑠(わたがせ みちる)だ」


「み、みちる? そうか……だからあれだけ探しても見付からなかったのか」


「……ごめんな、会いたかったよ相棒」

 その屈託の無い少年のような笑顔、こいつは間違いなく俺の親友だと今確信が持てた。


「ああ、俺もだ」

 ようやく会えた、ずっと会いたかった俺の相棒にようやく……。


まあ、書き直しなんてこんなもんか……(´・ω・`)ダレモコナイ

そもそも、あっちも読んでる人はもういないのかも知れない( ̄□||||!!

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     処女作『妹に突然』の完全改稿版を書きました         
  超絶コミュ力の妹と陰キャの俺、そんな妹に突然告白され、俺の高校生活がとんでもない事になった。           
  宜しくお願いします。(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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