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今回が初作品です。これからも気まぐれに物語という名の俗物をあげていきます。一読でもしていただけると幸いです。感想、評価、批判等心よりお待ちしております。
ほんのちょっと昔のことでした。ある科学者がロボットをつくりました。生まれたてのそのロボットは、みんなを楽しませるために作られました。科学者は、ロボット自身もみんなと一緒に楽しい時間を過ごしてほしいと考えて、そのロボットに心をプログラムすることにしました。
「おまえはみんなと楽しい時間を過ごすんだよ。」そう言って科学者はロボットを旅に出させてやりました。
ずんぐりした体をがたがたいわせながら、大きなブラウン管のような頭をゆらゆらゆらしながら、ロボットは最初の村に向かいました。
さて、ロボットは村に着くなり大人子供もみんなを呼び集めました。「これから君たちと一緒に遊んであげるよ。」村の人々はなんだなんだとざわざわ騒ぎ、ぞろぞろと集まって来ます。
ロボットはたまのりが得意でした。懐から自分の体より大きなたまを取り出して、派手に乗りこなして見せました。ほとんどの人はわぁすごいやと拍手を送りました。しかしある人が言いました。「それが何だ。お前の見せ物は面白くない。」ロボットは悲しくなりました。
悲しくなったロボットは科学者のもとへ戻ってきました。そしてこのことを科学者に話しました。科学者は「いいんだよ。ほとんどの人は喜んでくれたじゃないか。気にしないでいいんだよ。」と言いました。ロボットは自信を取り戻し、次の村へと出かけました。