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カモメが飛ぶ日  作者: Tohna
序章 最終節
8/46

8. 202x年シーズン最終節(8)

自動残留を決められなかったガビアータ。

サポーターの怒りは心頭に来ていて……


 数秒の静寂の後、サポーターたちからの攻撃が始まった。

 

「お前らやる気あんのか!」


「最後のプレー、あれはねえよな! お前ら本当にプロかよ!」


「フロントは出てこねえのかよ!!」


「今日と言う今日は許せねえ! お前ら全員丸刈りにして来いよ!」


 ありとあらゆる罵詈雑言が飛んできた。

 

 選手の中には、あまりの酷い野次に激高する者もいたが、他の選手に止められた。

 激高したって自分たちが不甲斐ないのは事実は変わらない。


 この不当に酷い野次を止めさせるには、自分たちが入れ替え戦で勝利を勝ち取るしか他ない。


 鈴木は大声で、


「次はきっと満足する試合をするから、みんなまたカワアリに来てくれ! これはオレの約束だ!」

 と叫んだ。


 すると、

「オレたちはお前たち選手だけに文句言ってるんじゃねえんだ。頭を下げなきゃいけない奴はあそこにいるだろう?」

 と、サポーターをまとめているリーダーらしき男がスタンド中央の上段を指さして叫び返した。


 男が指さした先のスタジアムの貴賓席で観戦していた球団社長である山際徳克は頭を抱えていた。


「おいおい、なんかサポーターと鈴木が揉めているようだな。ところでソノさんはどこ行った? おい、君、園さんを見なかったか?」


「い、いえ。 園田さんは試合が終わると直ぐに部屋から出て行かれましたよ」

 山際はGMである園田を探させたが貴賓室から姿を消していた。


「なんだって? これから高橋君と入れ替え戦の対策を感がねばならんのに」

 イライラする山際から逃げるように、質問された若手社員は山際の側を離れた。


 ぽつん、と取り残された山際は、


「入れ替え戦か。いよいよチームも、オレも崖っぷちだ」

 と、独り言ちた。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

「確かにウチのチームはいろいろと問題があるかもしれない。でも、結局は選手であるオレたちにこれまでの責任がある」

 鈴木は貴賓室を指を差したサポーターのリーダーにそう言った。


「キャプテン、責任責任っていうけど、毎年毎年なんで戦力の積み上げができない? いい選手はみんな売っぱらっちまうじゃねえか! それもお前の責任なのかよ!?」


 鈴木は返答に困ったが、


「君の名前はなんていうんだ? 教えてくれ。自分ではコントロールできないことも確かにある。オレがきちんと会社と話をして答えを出すよ!」


「オレの名前なんてどうでもいいさ。球団はどうせオレたちのことは邪魔な存在だと思っているだろうし」


「邪魔なんかじゃない! 君たちがこうして厳しいことを言ってくれることだったオレたちの力になるんだ。オレも諦めないから、君たちも諦めないでくれ!」

 そう力強く鈴木はいうと、頭上で拍手をしながら再度頭を下げて、選手全員を引き上げさせた。


「逃げんのかよ!」

 と言う声も聞こえてきたが、お構いなしに。


「園さんはともかく、山際さんを悪く言わせているのはオレたちの責任だ」

 鈴木は唇をかんだ。

序章、最終節はこの回で終わりです。

テンポが大切なWeb小説でこの冗長さは致命的ですね(笑)。


次話からはガビアータ幕張の大改革の第一歩が始まります!

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