8-side-
「コバと飯!?二人でか??」
あれから俺は時間があるときには沙耶に声をかけ夕食を一緒にしていた。
しかし、その度に・・・
「そうですよ。ってか、信じられませんよ。行きたい店っていったからどこかと思えば居酒屋ですよ。しかも毎回・・・それに俺が仕事で車でも容赦なく酒飲むわ、メインはほっけやギョウザだし・・・」
言いたいことを叫び、はぁ~と大きくため息をついた。
「お前が感情を表にだすなんて珍しいな。」
斉藤さんは手に持っているタバコを灰皿に押し付け言った。
「あいつといると調子が狂うんです。いつもの俺なんて微塵もでてこない・・・」
あいつといるといつも作っている自分から巣の自分が出てくる。
斉藤さんには仕事初日でばれて素で話しているけど、女ではあいつが初めてだ。
「そりゃー、いろいろとみのもだな。」
俺の頭をぽんと叩き足を進めた。
「斉藤さん、あいつ絶対俺の素性知らないでしょう?」
ちょっと不思議だったので聞いてみた。
自分で言うのもなんだが、俺は結構有名人らしい・・・
「知らないだろうな。名前聞いてもぴんっとこなかったからな。
でも仮に知っていたとしても、コバは態度を変える奴じゃないぞ?」
斉藤さんはきっと俺の心を読んだ。
素で斉藤さんとはやり取りしているが俺自身の話はしたことがない。しかし、きちんと話がわかってくれるのだ。そんな斉藤さんを俺は尊敬している。
「織田君、社長がお呼びだそうだ。」
部署に戻ると部長が俺に近づき言った。
「わかりました。」
そういい、タバコを机に置いた。
「気に入ったのか?」
斉藤先輩がすれ違いざまに言った。
「なんていうか、なびかない女っていいと思いません?」
俺はそういい部署を出た。
本音をいうとかなり気に入っている・・・・というかマジに近い・・・
「コバの場合は特別なんだがな。」
部署ではぼそっと斉藤さんがそういっていたのを俺は知らなかった。
「失礼します。」
社長室をノックし俺は入っていった。
「じー様、用事って何でしょうか?もうすぐ出なきゃいけないんですけど」
めんどくさそうに言い放つ。
いや、めんどくさいのか・・・
「信雅、入社して何年だ?」
いきなりの社長からの一言
「もうすぐ2年ですね。じー様の力は借りるつもりはありませんよ。俺は自分の力で上り詰めて見せますから。」
じー様はおれの言葉に頷きいった。
「もちろんだ。甘やかした経営者にはさせん。お前は見込みがある。
それに比べてお前の親父は・・・」
いきなり出てきた親父の話
「なにをしでかしたんですか??」
親父は今、系列子会社で社長としてやっているハズ・・・
「あのばかめ、会社を破産さえたんだよ。こっちの負担が大きくなるようなやり方しやがって・・・」
じー様の頭の中にはお金のことしかない。
社員のことなんかこれっぽっちも頭の中にはない。
そんなじー様を見切った親父・・・
そして、そんなじー様の下に残った俺・・・
「そうですか。でも今の俺には関係のないことです。」
俺の言葉にふっと笑い
「確かに今はな。だが、のちに関係ないとはいわせない。」
このやり取り一体何度したのだろうか・・・
じー様はどうしても俺に後を継がせたいらしい
「じゃー、そん時になったら、言ってください。」
俺はさっさと部屋から出ようと足を進めた。
次回更新は、14日婚約者のバレンタイン番外編になります。
アネモネは翌24日(水)です。