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「ふーん、いい店だな。」
店に着き私はすたすたとカウンターの席に座った。
「でしょう?なかなかのおすすめよ。」
ニッコリ微笑み返した。
「って、居酒屋かよっ!!」
どこかのお笑いさんのように突っ込む彼
「そーよ。お手ごろ価格で とってもおいしいのよ。」
目の前にあるメニューで食べ物を決めようと広げた。
「いら・・・ってコバかよ。久しぶりだな。またココ使ってくれよ。彼氏と二人もいいけど。」
お絞りを持ってきた店員が言った。
「彼氏じゃない。ビールを・・・あんた今日、車?」
メニューと睨めっこしている彼に聞いた。
「あーぁ、ウーロンでいい」
本気で食べ物を悩んでいるらしい・・・
「どこのガキだよ。とりえずビールとウーロン茶とサラダと刺身とほっけとギョウザね。」
定番メニューを頼む私。そんな様子に隣で唖然としている彼
「お前、遠慮とかないのかよ。しかもなんだよそのセレクト・・・どこの親父だよ。」
そういい自分のオーダーをした。
「遠慮なんてしないわよ。お酒は飲みたいときに飲むものよ。それとも何?遠慮してほしかった??」
でてきたビールを一気に飲み、はぁ~と大きく息を吐く
「まじ親父だし。」
小さな声で言ったがはっきりと聞こえたため、私は思いっきり睨んだ。
「睨むな。飲むなとはいっていない。俺はお前のそーゆーところが気に入ったんだ。」
嫌味かと聞き流そうとしたが声のトーンがそれとは違う気がし、彼の言葉に私は首をかしげた。
「誰にでも気取らないところがな」
そういった彼の少し耳が赤くなっていた気がしたがきっと気のせいだろう。
「ほめ言葉として、いただきます。」
そういい目の前の料理を頂くことにした。
「意味、わかってないし・・」
彼がボソッと言った言葉は聞こえなかった。
いや、料理に夢中で聞いていなかった。
なんだかんだと嫌な時間が過ぎるかと思っていたが思いのほか楽し時間が過ぎていったこおんい気が付いたのは終電の時間近くになってからだった。
車で送ると言ってくれたが断るとすんなりと駅までは送ると駅まで送ってくれた。
「どうしたんだよ、行くぞ。」
彼の反応にあっけにとられていると腕をとられ一緒に歩き出した。
「・・・もっと強引に来るかと思った。」
ぼそっと呟くいた。
「そんなに驚くことかよ。」
私の反応に苦笑いしながら答えた。
「そんなに俺のこと信用されているとは思ってないよ。そんな男の車に乗れっていえないだろう?まだな?」
語尾のまだをやたらと強調するのを聞いて少しは感心したのに・・・と気づかれないようにため息をはいた。