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今日は気軽に一人でランチ気分だった。
なので一人で会社に近くのレストランに来ていた。
これが最悪なことになるなんて・・・
さすがにお昼少しずつお店が混んできた。
もうすぐ食べ終わる天気もいいし早く出て公園でゆっくりしよう。
「あっ、相席でかまわないです。知り合いを見つけましたから。」
後ろのほうでその声が聞こえてきた。
あーぁ、その知り合いってかわいそう。
いいように使われて・・・店員さんは安心してるけど。
「こんにちは、小林さん。」
はっ?私なわけ?
そう思い顔をあげると笑顔の男がいた。
オダノブマサ・・・
「この前はどうも」
そういいながら目の前に座る。
「どうしてここにくるわけ?」
反射的についきつい言葉が出てしまった。
「席が無くて店員さんが困ってるところに小林さんが見えたから。」
助かりましたよ。
と私の態度をまったく気にしていない様子で仮面のような笑顔で微笑む
疲れないのかしら・・・
「サトは?」
この二人がペアを組んでいるのはこの前の合コンで知った。
サトはどうやらこいつの世話係りらしい
「今日は、お留守番なんですよ。小林さんが食べてるのなんですか?俺もそれにしよう。」
メニューすら開かずに言う彼
「普通にランチよ。じゃ。」
私はちょうど食べ終わったところだったので立ち上がった。
「ちょっと待ってよ。一人で食べろっていうわけ?」
こいつ何様?
「そうだけど?」
なにか問題でも?と伝票に手を伸ばした。
するとその手を阻むように別の手が伸びてきた。
「小林 なにさん??」
「知る必要ないと思うけど?」
即答する私。
しかし急いでこの場から離れたい。
頭にはそのことしかなかった。
「小林 沙耶よ。わかったら手を離して」
手をつかまれ 離してもらうためにすんなり名前を教えた。
なのに・・・手を離さない。
「今夜一緒に食事に行かない?」
「いきま・・・」
いつものように即答しようとした。
「OKだったら手を離すけど?」
取引かよ。
「NOだったら?」
つい言ってしまった。
そしてすぐに後悔することになる。
彼は握っていた手を持ち上げ手の甲にわざと音が出るように
chuとキスをした。
「ここで同じことを今度は唇にする。」
ガタッ!!
私はびっくりして椅子から落ちてしまった。
周りから注目されているのがわかった・・・
しかし
「一旦死んでこい。」
と大声で叫んで出て行った。
「あーぁ、逃げられちゃった・・・」