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外に出ると、目の前に1台の車が止まりそこに寄りかかってタバコを吸っている人物がいた。

「ストーカー?」

私がその人にそういうと暗くてよくわからないが、ばつが悪そうな顔で

「みなまでいうな。自分でもそう思ってんだから」

明らかに拗ねている彼

「マサ?」

クスッと自然と笑みがこぼれた。そして、初めて彼の名を呼んだ。

いままでなんだか照れくさくて名前で呼んだことはなかった。

「あ゛?」

あまりに自然だったからだろうか・・・彼の反応は普通・・・

もう、初めて名前でよんだのに・・・そう思いながら、彼の唇に軽くキスをした。

「好きよ。」

さすがに、キスにはびっくりした様子

「あいつは?」

彼は、手元のタバコを携帯灰皿で消し言った。

「なんのこと?」

私は、きょとんっとして言った。

「政木さん」

マサは、名前だけ言った。

「あーぁ、5年前に言わなかったサヨナラをちゃんと言ってきたわよ?」

本当にこの人は なにをいているのだろか・・・

「はぁ~」

いきなり目の前に座り込むマサ

「どうしたのよ。」

私はびっくりし彼の前にしゃがみこんだ。

「より戻されたらどうしようって思ってた。」

顔を下に向けて を見てくれない。

「私は誰かれ構わず中途半端にベッドには入らないわよ?」

彼の言葉に多少むっとしながら言った。

「わかってるよ。だからこそ怖かったんだ。一瞬でお前を奪われそうで。」

私は、いつも自信満々な彼がそんなことを思っていたことにびっくりした。

「私は、あなただけしか見ていないわ。あなたの気持ちもいいかげん教えてくれない?」

彼を立たせ言った。

「沙耶・・・」

彼は言葉を続けようとしたが、私は止めた。

「こんなときにちゃんと名前呼ばないで。ねぇ、知ってる?私、あなたのさぁやっていう言葉がとても心地よくて好きだってこと」

彼は私の手をとり優しく手の甲にキスをした。

「さぁや、愛してる。どうしようもないほど・・・まさか自分がこんな言葉を言うなんてな・・・」

悪態をつきながら 私を抱きしめるマサ

「よく出来ました。私もあなたのこと狂うほど、愛しているわ。さぁマサ、家に帰ろう。そして、いっぱい抱きしめて頂戴」

マサの腕の中で彼にだけ聞こえるように言った。

「了解しました女王様」

車に乗り私たちはマサの部屋に行った。

「さぁや、結婚しよう。まだ、指輪もなにも用意してないけど」

部屋に入ったとたんのことだった。

車の中では、何もしゃべらなかったマサがいきなり口を開いて言った。

私はなにも言わなかった。正確には、言えなかったのだ。目から溢れる大量の涙。さっきの言葉だけでも、私は十分だったのに・・・この人は、私のほしい言葉を 一日に何回言うつもりなのだろうか・・・

「なんで泣くんだよ。」ちょっと焦っているマサ

「いきなりすぎるのよ、バカ」

マサはそんな私を見てほっとしたかのように 優しく微笑み抱きしめてくれた。

「きっとじー様が反対すると思う。その時は、迷わずお前を選ぶ。何もない俺でもいいか?」

少し落ち着いた私は、彼から離れ鼻をつまんでやった。

「あたりまえじゃない。私はあなたしかいらない。」

でも大丈夫だと思うわ。そう思ったが、口には出さなかった。かわりにキスをたくさんした。


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