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「さぁや?斉藤さん引き受けてくれたよ。明日の昼には実家に戻るらしい。」

家に帰り、川合ちゃんをお風呂にいれ 落ち着かせた時、彼から連絡が来た。

「わかったわ。あとは、こっちで話をするわ。明日、行くんでしょう?私も行くわ。うん、わかった、おやすみなさい。」

彼からの電話が終わりふぅーとため息をつく。

「小林さん、ごめんなさい。迷惑かけちゃって・・・」

やっと乾いた涙がまた出てきそうな勢いだった。

「迷惑じゃないわ。川合ちゃん、あなたの気持ちを聞かせてくれる?あなたはこれからどうしたい?」

彼女の頭を撫でながらいった。

「・・・私、あの時和樹さんと会わなかったらつまんない人生になっていたと思います。実は、合コンに行くのあの時が初めてだったんです。小林さんの名前は知っていました。でも合コンに行く勇気がなくて・・・あの時、友達が誘ってくれたから行ったんです。男性の方と付き合うのも和樹さんが初めてなんです。私には、和樹さんしか考えられない。彼、先週プロポーズしてくれていたんです。小林さん彼の実家知ってますか?和樹さんが小林さんとは学生時代から知っているって言っていました。私、ご迷惑かけるかもしれませんが、会社を辞めます。彼がそんなことしても喜ばないとは思うけど、追いかけます。」

川合ちゃんの真剣な言葉に私は 安心した。

「じゃぁ、明日の新幹線 抑えなきゃね。向こうでお出迎えをしてあげて。きっと驚くわよ。

えっと、明日の時間わからないから 今から荷造りしよっか。とりあえず、向こうのマンスリーでも借りて・・・仕事はね、あいつのお父さんが雇ってくれるって。こっちのこともあいつがどうにかするわよ。引継ぎだけは電話でもいいからちゃんとしてね。」

いそいそと外に出る準備をする私。っと、その前に、マンスリーの手続きを・・・おもむろに携帯を取り出した。

「もしもし?久しぶりぃーあのさ、お願いがあるの。その辺のマンスリーで明日から使えるところある?」

電話が終わり、よしっとカバンを持つ。

「あの、ありがとうございます。でも今からじゃなくても・・・」

私の行動に、戸惑う川合ちゃん

ピーンポーン

二人は、いきなりの訪問者に固まる。

「こんな時間にだれよ。」

そう呟きながら玄関に向かう。

「はい?」

私は不機嫌に玄関を開ける。

「おい。誰か確認してから開けろよ。」

訪問者は織田信雅だった。

「どうしたの?」

びっくりして、声が裏返った。

「織田さん。ちょうどよかった、小林さんを止めてください。今から向こうに行く準備するって・・・」

奥から川合ちゃんがやってきて言った。

「やっぱり、今からするわけね。」

ニヤッと私を見ていった。

「どうしてわかったのよ、私の行動を。」

余裕な彼にムカつき言った。

「わかるよ。さぁやのことなら、川合さん行こうか。車下につけてるから。」

二人のやり取りに呆気にとられる彼女

「・・・ふたりともやっぱりお似合いです。」

はぁーとため息をつき呟いた川合ちゃん

「そうだ。川合ちゃんいいこと教えてあげる。あの合コンね。サトが言いだしっぺなのよ?一目ぼれした子がいるから その人と話したいって誰のことか、わかるわよね?」

エレベーターの中で 思い出しサトの思いをばらした。

「さぁや、言っていいのかよ。」

どうやら彼も知っていたらしい

「いいのよ。川合ちゃんを泣かせた罰よ。」


「サトのバカっ!!なんで相談もナシなのよ。」

新幹線のホームで私はサトに思いっきり叫んだ。

「ごめんな。でも、わざわざこなくていいのに・・・」

呆れたようにいうサト

「もう、サトなんか知らない。でも、連絡ぐらいよこしなさいよ。」

天邪鬼な私にプッと吹き出すサト

「コバ、お前はもう俺がいなくても大丈夫だよな?」

ちらっと売店で飲み物を買っているやつに視線を向けて言った。

「そうね。いままで、ありがとう。サトがいてくれてよかった。」

私はサトに抱きついた。

「おいっ。ちょっ・・・何で抱きついてんだよ。」

売店から戻ってきて叫んでいる。

「織田。こいつのことよろしくな。会社のこときついだろうけど、頑張ってくれ。それから、俺の跡はお前だから、月曜から大変だと思うよ。」

抱きついている私の頭を撫でながらとんでもないことをさらりというサト

「・・・斉藤さん、勘弁してくださいよ」

彼は呆れていた。

「っと、時間だな。コバ 少しはその天邪鬼どうにかしろ。」

そういい彼は新幹線に乗った。

私達はというと、出発した新幹線を見ながら、

「さて、サトは向こうでどんな反応するのかぁ~」

先にサトの実家に向かった川合ちゃんを思いながら言った。

「あの二人うまくいけばいいな。」

私は彼の言葉に頷きホームを後にした。


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