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「えっ!社長の話って御曹司との結婚話・・・」

経理の仕事をしているといろんなところに出向かわなくていけなくなる。

そのせいで聞かなくていい話まで聞かなくていい話までも・・・

特にここ秘書課では・・・

ふーん、確か御曹司ってここで働いてんだっけ?

あまり興味のない私はいつものように聞き流していた。

「合コンにも こないのによくあんたが目にとまったものね。」

さっき叫んでいた秘書とは別の人が言った。

合コンにこないんだ。

じゃあ、私は知らないわね。

オダノブマサみたいな人他にもいるのね。

正直軽く考えていた。

その名前が出るまでは・・・

「社長が偶然私の父が広告関係の会社を経営してるって聞いたらしいのよ。

それで、今回社長から直接ね。」

ふぅ~とわざとらしくため息をはく秘書

「ってことは、あんたは今日から信雅さんの婚約者!!」

ノブマサ?いまノブマサって言った?

えっと・・・織田・・・ノブマサ

まさかあいつが御曹司・・・・

「いいなぁゆくゆくは 友里香は社長夫人!!いいわね。私も社長秘書やってれば チャンスあったのかしら・・・」

私の耳にはもうなにも入らなかった。

「今夜さっそくデートなのよ。かなり楽しみだわ。」

さすがにこれは聞こえた。

秘書課から離れ、頭の中を整理しようとした。

しかし動かない。

とりあえず、誰かに確認しなきゃ・・・

「あれ、小林さん総務に何か用ですか?」

気が付くと経理とは違う階にエレベーターを降りていたらしく 総務課に来ていた。

「川合ちゃん・・・ねぇ、奴って・・・」

聞こうか悩んだ。

聞いたところで何も変わらないことを私は知っている。

「奴・・・?あっ、織田さんですか?どうかしましたか?」

川合ちゃんには奴で通用するらしい・・・

「奴って 御曹司なの??」

私のいきなりの質問に驚き笑い出した川合ちゃん

「小林さん、知らないで付き合っていたんですか!?」

その反応に目を丸くする私 

誰が付き合っているって??

「あっ、川合さん・・・小林さんも大ニュースですよ。」

遠くから総務課の情報網の彼女がやってきた。

『織田信雅』さんが、秘書課の『冷泉友里香』と婚約したって」

それに対し私はしれーっと聞いていた。

が、川合ちゃんは目を見開いて驚いている・・そして私の方を見た。

「嘘・・・」

すがるように私に視線を流す彼女を見て私はため息を付いていった。

「本当の話よ。さっき彼女本人が秘書課の人たちに話していたわ」

投げ捨てるように言う私

「それで、さっきぼーっとしていたんですか?」

情報網になっていた子はさっさと次の人たちに言いふらしに言っていた。

「そんな訳ないでしょう?御曹司って聞いてびっくりしただけよ。」

はぁ~とため息を付く私。

しかし心の中は全然穏やかではない。

「でも・・・さい・・・」

川合ちゃんは途中まで言ったが口を噤んだ。

「サトがなにを言ってるかは知らないけど、私たちの間にはなにもないわ。二人の仲がいいのは喜ばしいことだけどね。」

そういい総務課をあとにした。

彼女がなぜ途中で口を噤んだかを知らずに・・・


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