プロローグ
やぁ僕は谷坂直樹、16歳だ。
僕は高校1年生、一人で暮らしている。両親は小学校の時事故でなくなってしまった。妹がいたんだが別の親戚に引き取られて離ればなれになってしまった。
僕を引き取った叔父さんは、パチンコなどをするろくでもない人だった。負けると僕や叔母さんを殴ったり、叔母さんからお金を奪ってパチンコへいったり、というのが、毎日のようにあった。
だけどたまに妹から手紙が来て、みてみると、楽しくやっている、と書いてあったので、安心した。僕も手紙を送るが本当のことは隠して出している。心配させたくないからだ。
こんなことが続き、もう嫌になり始めた頃、急に叔父さんが倒れた。病院にいったけど助からなかったらしい。死因は心臓マヒだった。そのつぎに叔母さんもあとを追うように死んでいった。だから今は僕一人だ。
アルバイトが忙しくて学校もろくにいけなくなってしまった。そのせいか、友達がいない。そんなこんなで学校もやめて、妹とも連絡をとらなくなった。
さぁ僕は独りぼっち。何をしても許されるぞ~
やったぜ......と思えれば楽なんだけどな~
やっぱりね一人でいるとね寂しいもんですよ。
アルバイトもしなくなって、親戚から送られてくるお金だけで生活している。もうこの生活も飽き飽きしていた。自分で料理したり、洗濯したり、掃除したり、すごく苦しい生活をしてたらそう感じるよね。
そんな独り言みたいなことを考えているほど彼は精神が壊れかけていた。
そんなある日、彼のところに一通の手紙が届いた。誰宛かみたけどわからなかった。薄気味悪くて最初は放置していたけど、気になってしまって中身を見ることにした。
その手紙の内容は、『やぁ直樹くん。何故君の名前を知っているかって?それは内緒さ。と、早速なんだが、君、この世界にもう飽き飽きしていないかい?退屈していないかい?もしそうならば君にいいことを教えよう。実はこの世界とはまた別の世界があるのさ。驚いたかい?驚いただろう。この別の世界では、君たちのいる世界とにているんだが、ちょっと違っていてね、つまり.....と、これは自分の目で見てもらった方が早いか。もし君がそれを望むのならば喜んで向かい入れよう。君は辛い思いをたくさんしてきたからね。これは僕からのサプライズプレゼントだと思えばいい。君にはこの世界で暮らしてもらいたい。そうすれば君は幸せになる。もし決心がついたら、もう一枚の紙に書いてある言葉を、読んでくれ。そうしたら、君は異世界にいくことができる。ただし、君が異世界にいってしまったらもう二度ともとの世界には帰れない。そう二度とだ。君が来ることを楽しみにしているよ。それじゃまたあとで。』
その紙と一緒にもう一枚の紙があった。それを見てみると、この世界の文字ではない言葉が書かれていた。
「これを読むんだよね。何て書いてあるかわからないから無理じゃないか。」
そう思っていると、どこからか、声が聞こえてきた。
『おーっとそうだ、そーだった。忘れるところだった。何て読むかわからないよね。だってそれは異世界の文字だからね。これはすまなかった。という事で覚えてもらおうか。』
「待ってくれ、まだ僕は行くと一言も言ってないぞ。だいたい何で僕のことを知っている。あんたは一体なんなんだ。」
『まぁね、突然のこと過ぎてね、わからなくなっちゃうよね。そういうことってあんまりないからね。わかるよ、君の気持ち。でも君にはね、是非ともいってもらいたいんだ。お願いだ。頼む。教えるからさ、ね。』
うぐぐ、そこまでして僕を行かせたいのか。まぁ僕なんかここにいても意味ないしね。だけど二度と戻れないのか。唯一の気がかりは、妹のことだけだな。
そう考えていることがまるでわかっているかのように、その声の主は直樹に言った。
『あーっと、もう一つ。君の妹さんね。あの子も、君みたいに、親にひどい目にあわされていたみたいだよ。でも兄に心配をかけさせないように嘘のことを書いて出してたみたいだね。兄妹愛がすごいね。同じ事を考えているなんて。僕は、僕は感動した。く~~~~』
な、何だって~~~
あ、あいつが僕と同じ事をされていたなんて。
何で書かなかったんだ!って、僕も同じか。
ん、待てよ。そしたらあいつも僕と同じようになっていたのか。
そう思った直樹は声の主に聞いてみた。
「おい、そこの人。妹と一緒とかいっていたよな。て、ことは妹は異世界に行ったって言うのか?」
『正解、正解、大正解。そう君の妹さんは、行ったんだよ、異世界に。君とまた会えると信じて。君はどうする?行かないのかい?妹さんとまた会えるチャンスなんだよ。ここでいかなければ妹さんの願いが水の泡だ。さぁ、どうする?直樹くん?』
くそ。これは行くしかないだろ。妹が待っているんだ。
そうしていくことを決めた直樹は、声の主の教えのもと、異世界の言葉や文字を書く練習などたくさん学んだ。直樹は頭がいい方なので一週間で異世界すべての言語を習得した。
そして異世界へ行く当日の日....
『いやぁここまで早く覚えることが出来るなんて、思わなかったよ。そうだ、早く終わった君に願い事を3つ叶えてあげよう。あ、これは妹さんにもやったことなんだが、君よりも覚えるのが遅くてね、一つだけ願いを聞いたんだ。その願いと言うのが、スマホを向こうの異世界でも使うようにしてもらえないか、というのだったよ。他の願いもあったんだけどね。君は何を願うのかな?』
ふぅーむ.....何でもいいんだよな?何にしようかな?いきなり最強って言うのもいいんだけど、それだと、退屈しそうだしな。僕も妹みたいに、スマホを使わせてもらうのは、ありだとして、あとは.....
30分ほど考えた直樹は、1つ目にスマホを向こうの世界でも使えるように、2つ目に、魔法がすべて使えるように。これは、声の主から聞いた話なんだが、向こうの異世界の方では、魔法を使うのが普通らしい。だが、すべての魔法が使えるからって、最初から使える訳じゃないらしい。そりゃそうだよな。もし、最初から使えてたら、面白くないしな。3つ目は無しにしてもらった。あとはないしね。
『あれれ、こんなんでいいんですか?欲がないですね~まぁ、貴方がそれでいいならいいでしょう。それでは張り切って、異世界へレッツGO!』
そして僕は覚えたての言葉で言ったら、急に真っ暗になってそのまま気を失ってしまった。
そして数時間後、直樹が目覚めたら、そこはなんと、違う世界になっていた。そしてまた、あの人の声が聞こえてきた。
『お~無事ついたみたいだね~よかったよかった。あ、それとね君のスマホにね、この世界の地図を入れておいたよ。そうじゃないと不便だったろ?それじゃ僕はいくね。ここからは自分の力で進むんだ。分かったかい?あ、これは言った方がいいかな。君がいるそこはね、魔物がたくさんいるところだから気を付けてね。バイバイ~』
突然言われた直樹はつい叫んでしまった。
「.......はぁ~~~~!?なんで、どうしたらそんなところに着くわけ!?最初からこんな場所に飛ばすか?普通!」
なんと直樹がいるところは魔物が大量発生するところだったのだ。
薄暗い森の中そこにはなんの武器も持っていない丸裸状態の直樹一人だけ。最初から運の悪い直樹であった。
すると突然、奥の方からカサカサ、という音がした。そこから、直樹の方へ一瞬にして来たのだ。
『お前は何者ダ?どうして人間がここにイル?俺様のことをわかって来たというのカ?ふん、人間風情がこの俺様に挑もうっていうのカ?いいだろう、受けてたとうデはないカ。俺様の名前ハ、この魔界すべてを支配している魔王ガバルティック・レイニティアダ。すぐお前を消し炭にしてやるからナ。お前がここへ来たこと後悔するがいイ。ゲヒャヒャヒャヒャヒャ。』
突然魔王とあってしまった直樹。一体どうなってしまうのか?