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それでもボクはヤっていない。

 「お前、いい加減にしろよな!」


 オレは思わず無責任な事を抜かす由紀に向かい声を荒げた。

 いくらなんでも、コイツの態度は無いだろ?

 自分達は裁判でレイプ殺人と言う罪が確定して、極刑である性犯罪者更生プログラムが適応され、天使にされているわけだから。

 つまり、本人が何と言おうと公には罪が決まっている事だ。

 かくいう自分も、悪役令嬢をレイプして、この姿にさせられている訳だし……。

 

 「お前が天使にされていると言うことは、もう確定してる事だろ?」


 それをコイツはよりにもよって――自分は濡れ衣(無実)ですと言って、ヌケヌケと罪から逃げようとするなんて、盗人猛々しいを地で言ってるよ。

 せめて表向きだけでも、反省の態度をしめせよな……。

 ゆうなみたいに、記憶に自分の罪に無い何時も向き合っていた あの人をほんの少しでも見習えよな。

 オレみたいに、何時か殺した娘が夢枕に化けて出るぞ……。

 そんな事を思っていると、


 「杏子さん。

 ――99,99%、この数字何か判ります?」

 

 由紀は表情を変えることも無く、遠い目をしながら言葉を吐いていた。


 「それがどうしたんだよ?」

 「この数字は刑事裁判の有罪率。

 ――つまり、捕まって起訴された時点でホボアウトなんですよ」


 そりゃそうだろ……。

 昔の拷問で吐かせる時代じゃあるましいし、物証で固めて起訴する今の裁判でぽこぽこ無罪が出たら、警察組織の威信に関わるよ。

 自分の場合でも、合意の有無なんかは二の次で、ドロがついた彼女の服やら、ショーツについて居たオレの証拠品がレイプの動かぬ証拠になって、起訴されたわけだし。

 ――で、閻魔クソババアに裁かれてこの姿になった訳だから。


 「でも、その中には無罪の人も確実に居るんですよ」


 「どうしてそんな事がわかるんだ?」

 

 「自分はヤっていないから」


 由紀はまっすぐオレを見ながら迷い無くきっぱり言い切り、更に言葉を続けた。


 「いくら状況証拠が揃い、凶器や彼女の中に残されたDNAという物証があっても、自分がヤっていないのは、僕自身が一番しっているからね」


 由紀は、はっきりと言い切った。

 自分はヤっていない、と。

 ――其処まで言えなるなら、コイツはマジで無実?

 

 「で、お前が濡れ衣として、一体何をやったの?」

 「――自分は……」


 由紀は、そう言うと真顔で自分の事を話し出した。

残りは早いうちに投稿します~。


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