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SAMURAI 近未来冒険活劇  作者: 姫宮誠
第1章 SAMURAI
6/28

第六話 『信じるもの』

2198年


~特務機関SNK B棟 地下室



「悪いな。老い先短いのに。

それもこれも、あんたの孫娘が頑固なせいでね。」



「うぐっ・・・」



「リンダ・コールフィールド君、

おじいさんをこんな目に合わせてどんな気分だい?」



「司令・・。

なぜここまで・・・」



「思い違いをしないでくれ。

君は大罪を犯しているのだよ?

彼はその罪人を逃がそうとした。

仕方のない処置だよ。」



「そんなに上が怖いのですか!?」



「分からんのかね?

これが組織というものだよ。」



「私は過去の伝説の戦士と共に幻魔人の根源を絶ちに行きます。」



「ならん。」



「でしたら、正式に実行命令を下していただけるよう要請します。」



「甘いな。

その前に君の命がなくなるようだよ。」




バンッッ!!


何処からともなく銃声が聞こえる。



「誰だ!?」



バンッ!!!



「ぐはっ!!!」


ガクッ



ゲリアスはわき腹を押さえ、片膝を地面についた。



「リンダちゃん!逃げろ!!」



「貴様・・・。」



「カル!!」



「貴様、うちの隊員か・・・。

ぐっ・・。

こんなことをしてただで済むと思っているのか・・?」



「後は任せろ!

リンダちゃん早く!!」



「でも・・・」



「もう事は起きた!

迷ってるうちにゲームオーバーになるか、

今すぐに行動するか、道はそれしかねー!」



「だって・・・」





「部下を信用しろ!!!

俺はリンダちゃんを行かせるためにここに来た!


じいさんも、俺も、俺が助けるから!!


リンダちゃんはリンダちゃんにしかできないことをしろ!」





「・・う、うん!

分かったわ!」





リンダはジルを気にかけながら走り去る。





「ゲリアス司令。

覚悟は出来てます。

煮るなり焼くなり好きにしてください。」



「くっ・・。貴様。

訳もわからずしゃしゃり出おって・・。

何をしたのか、誰を撃ったのか、

分かっておらんようだな・・。ぐっ・・」




「訳は知らねーよ。

俺はあんたじゃなくて、チーフを信じてるからここで働いてきた。

あんたは部下を疑うことしかできねー。

でも、チーフには世界を変える力がある。

兵器を作り、幻魔と戦い、この世界からどんどん人がいなくなる。

その手助けをするだけの組織なんざ、こっちから願い下げだ!!」




「ぐ・・・カルや・・・」




「何を偉そうに・・・。」




「時の流れは誰にも変えられねー。

チーフは時の流れを正しに行くんだ。

あんたらの都合でこの偉業を白紙になんかさせやしねー!」



「カル!逃げるんじゃ!!」



「おい。・・・やれ。」



「はっ」




「逃げろーーー!!!」


バシュッ!!



ゲリアスの部下がカルの胸を撃ち抜く。



「グハッ・・。ヘッ・・へへへ・・。」







ドサッ





---


~特務機関SNK内部



リンダは時空転送装置のある開発ルームへと走る。



「(もうカルは消されたかもしれない。

おじいちゃんも・・?

全部わたしのせいだ。

こんなことに・・こんなことになるなんて。)」




ウ~~~




サイレンが鳴り響く



エマージェンシー エマージェンシー

第一ゲートにて火災発生

隊員は戦闘配置につけ

繰り返す・・




「な。なに!?火災!?

何が起こったの!?」




ボン!!!!!!!!!




「きゃーー!!」


リンダの目の前で大爆発が起こる。





「(敵襲!?まさか!?

ドーム内に幻魔は入り込めないはず!?)」




「チーフ!?どうしてこんなところに?」


隊員の一人がリンダへと駆け寄る。




「どうしたの?この騒ぎは・・」



「とにかくここは危険です!走って下さい!」



「分かったわ。」


リンダは言われるまま走り出す。


「状況は把握してる!?」


「出火原因は人工的な爆発物。出火元は第一ゲートから徐々に内部に広がっているようです。」



「敵襲の可能性は!?」


「分かりません。

自分は第二ゲートに配置しますので、ここで失礼します!」




「分かったわ。ありがとう。」




リンダは開発ルームCへと向かう。




「(助かったわ。

この騒ぎに便乗して逃げ切るか・・)」


ボンッ!!!



リンダの背中越しに爆発が起こる。



「きゃっ!!」




「(まずいわ。こっちまで爆発が及んでる。

早く装置を作動させないと電源供給が断たれるかもしれない。


しかしこの爆発は定期的に起こっているわね。


そして徐々に内部へと進行している・・・。


時限装置!?人為的なもの?


しかもこのセキュリティを突破して爆薬を仕掛けられるのは・・・


まさか!?)」







リンダは息を切らしながら開発ルームCへと辿り着く。




カチッ


リンダはカードキーを差し込み扉を開けた。




プシュー

ウィーン





~開発ルームC





「お待ちしていました。

リンダ・コールフィールド三佐。」



カチャ


リンダの後頭部に拳銃が突き当てられる。




「!?」




リンダが振り返るとそこにはゲリアスの部下、

コリンスが立っていた。






~第六話 『信じるもの』おわり




ーーーーーーー

<次回予告>


人はたった一人で産まれ


人はたった一人で死んで行く


大いなる旅立ちのそのときは常に孤独である



次回『過去へ』


爆音が響く中、少女は光に包まれる・・・



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