表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
SAMURAI 近未来冒険活劇  作者: 姫宮誠
第1章 SAMURAI
5/28

第五話 『砂漠の海賊』

2099年



~サキタ一味アジト



「バカヤローー!!!!!」


ドカッ



サキタはイスを蹴り飛ばした。



「すいやせん!!

あのヤロー、ガキをうまーく使ってやして。」


「お前らが勝手に間違っただけじゃ!!ボケイ!」


「すいやせんでした。ピロピロ部隊、一生の不覚!

今一度チャンスを!」



「もうええ。

ワシはそんなことで怒りよる靴下の穴が小さい男じゃないけんのぉ。」



「サキタさん。靴下の穴はあまり関係が・・」




「よし!!今から奴のところに乗り込むぞ!

待っとけよ!!タケル!!!」






------



~空賊第二アジト渓谷



テントの中からタケルとアールツーの話し声が聞こえる。



「タケル。本部。帰るか?」


「ああ。そろそろな。」


「分かった。タケル。オニギリ食べる。」


「お前は何が分かったのか?」


「はい。オニギリ。」


「・・・・・。」



「具なし。」


「しかも具なしかよ!?」



「違う。ノリ。」


「ああ。ノリは巻いてあるな。」



「塗った。」


「それは食えるほうのだよな?」


「アル。いつも。食べてる。」


「おめーは何でも食おうとしてるだけだろが。

ロボットに胃はねーだろ。」


「ロボット。違う。アンドロイド。」


「分かった分かった。オニギリはもういい。」


「シクシク・・・。」


「シクシク言うな!」


「サクサク・・・」


「意味がわからん。」


「クイッククイック・・」


「・・・もういい。食うから。」


「オニギリ。おかわり。ある。」


「分かった分かった。あっちで調べもんしてくっから。んじゃーな。」





「あ、アルさん。」


隊員がテントの中に入ってきた。



「オハヨウゴザイマス。」


「いや、もう夕方なんすけど?」


「オバンデス。」


「いや、それはそうと、あのガキ、

ほんとにうちで面倒見るんでいいんすか?

さっきはタケルさん、あのガキ殺しちまうのかと思いましたけど。」



「タケルのやり方。

あの子。タケルと同じ。」



「え?」



「タケルも小さい時、

戦争でお母さん死んだ。

人間に殺された。」



「タケルさんはエヴィルボムの爆心地にいたって聞いてましたけど、

その時に・・・。」



「あの子。ひとり。

タケル。気持ち分かる」



「だから・・・・」



「あの子。アルからもお願いします。

アル。頑張ってオニギリ作る。」



「いや、オニギリは・・・」





------




ブロロロォーン!

ブォン!ブォン!ブォーン!



無数のホバーバイクが空賊のアジトを取り囲んでいる。





「なんだ!?」


「砂漠の海賊だ!!!」


「またサキタが来たぞ!!」


「早く!子供は中へ!」


隊員達は警戒体制を取る。





「くぉらーー!!!タケルはおるか!!!

俺様にバビってクワクワ震えてんじゃろー?ああ!?」



「サキタさん。

クワクワじゃなくてガタガタっすよ。」



「勝負は先手必勝じゃけんのぉー!

弱みー見せたらあかん。

脅してナンボじゃい!」



「サキタさん。

脅しになってるかはビミョーですぜ。」



「このデンジャラス サキタ。

ギリギリのとこで生きる男じゃ。」


「おおー!さすがサキタさん!

もうすでにギリギリ!」



「よぅし。貴様ら、もっと俺様をほめろ!」



「はい!」



「タケルぐぉら!

砂漠の海賊王じゃ!!

サキタじゃ!出てこんかい!!

今日こそ殺してやる!!

勝負せいや!!!」







隊員の1人がタケルのテントに飛び込む。



「タケルさん!!

あ。アル!外にサキタ一味が!」



「タケル。今。オニギリ中。」


「そ、それどんな状態・・。」




「あ?どーした?」


タケルはおにぎりを食べながら奥から出てくる。



「外にサキタ一味が来てます!」


「あ?サキタ?・・。

ほうっておけ。

そのうち腹へって帰るべ。」



「そんな!

この間もサキタ一味に襲われたんですよ!?」



「死人が出たか?」


「いや。」


「じゃ、ほうっておけ。

演習だ。演習。」



「でも・・。」



「わかったわかった。

あのゴリラには花占いでもして待っててもらえ。」





サキタは外で叫んでいる。



「ぐぉら!タケル!!!

早く出てこんかい!」



「サキタさん、奴は出てこないつもりですぜ。」



「クックックッククルックー。

俺様にはナイスアイデーアがある。

タケルのアホがふと外へ出たくなる作戦だ。」



「何ですか?」




「こうだ。


ターケールくん!!!

あーそーぼーーー!!!!!


ほら、おめーらもやれ。」




「さすがサキタさん。

これはさすがの奴もうっかり外へ出ちまいますぜ!」




「だろ?

童心を思い出させ、出てきたところへ、グサっと一突きよ。」



「悪いですね!悪いですね!!

サキタさん!」



「そうじゃろーそうじゃろー。

悪いじゃろー?ウッハッハッハ」






「おめーはバカなんだろうが。ゴリタ。」


タケルはいつの間にかサキタの目の前に立っていた。




「サキタさん!出てきましたぜ!」


「ふっ。作戦通りだ。」



「んで、ゴリタ。

今日は何の用?」




「俺様は砂漠の海賊団、統領サキタじゃボケィ!

用もなにもテメーを殺しに来たんじゃ!!」



「それ、何回目?」



「まぁー。かれこれ、2058回目かのー。」


「お前もヒマだな。ゴリタ。」



「なめるなボケが!!今日こそブチ殺す!!!」


「つーか、俺、殺されるようなことしてねーし」



「貴様、この間の旧トーキョー!

俺様率いる砂漠の海賊団の手柄を横取りしただろうが!!」



「あ?おめーら、あそこいたの?気付かなかった。」


「くっ。

しかも、うちのピロピロ部隊3人衆もやってくれたようじゃねーか!?」



「あ?なにそれ?バンドかなんか?」



「くっ。貴様のそのナメた口が腹立たしいんじゃ!!」


「まぁまぁ。

人間同士、斬りあっても仕方ねーべ。

今日は許すからもう帰れよ。」



「なめんなこのヤロー!!

むかし、俺様のランドセルにゲジゲジ入れたこと、

忘れたとは言わさんぞ!!」



「またそれか?

もういいだろ。ガキの時のことなんかよ」



「殺す!!

ぜってぇー殺す!!」



「はいはい。

わかったわかった。

じゃよ、決闘の準備すっから、

おめーんとこのアジトで待ってろ。」



「あ?

そ?

そうか?」



「ああ。んじゃ、後でな。」




「・・・お、おう。」






--------


2198年


~特務機関SNK B棟 地下室



カチャカチャ


「リンダ。今、開けてやるぞ。」


「おじいちゃん。

おじいちゃんまで危ない目に合わせられないよ!

ここからすぐに出てって!」



「そうはいかん。お前は早くここから出て・・」




「ジルさん。

いくら孫娘だからって罪人を逃がしちゃダメですよ。」



ジルが振り返ると、そこにはゲリアスが銃を構えて立っていた。




「し、司令・・・。」




「ジルさん、ここで何を?」



「いやぁ~、孫の顔が見たくてのぉ。」



「・・・・・。」



バシュッ!!!!!!




「グァァァァァーーーーーーーー!!!!!」


ゲリアスはジルの足を撃ち抜いた。





「キャァァーーーーー!!!おじいちゃん!!!!」







------

2099年


~サキタ一味アジト




「サキタさん。

もう夜中の3時ですぜ・・・。

あいつ、もう来ないんじゃ・・・。」




「言うな。」




「サキタさん・・・。」



「・・・。

ま~ちぼ~うけ~♪ま~ちぼ~うけぇ~・・・♪」




「サキタさん・・・。」



「おめーらも歌え。」



「はい。」



「ま~ちぼ~うけ~♪ま~ちぼ~うけぇ~・・・♪」






~第五話 『砂漠の海賊』おわり






ーーーーーーー

<次回予告>


人は人に愛され


愛されたものに命を削る


今ここにいる奇跡は築かれた絆



次回『信じるもの』


少女は走った信じるもののために


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ