第二十八話 『旅立ちの時』
~中央砂漠地帯 某所
タケル達はサムライザーを止め、休んでいた
「アル。テメーがオニギリ、オニギリ言ってるから
とりあえず、こんな場所に着陸したわいいがな、
サムライザーのエンジンが焼き付いちまったじゃねーか!!
どうすんだアホ!!」
タケルは怒っている
「まったくだ。
この砂漠地帯で修理屋を通信で呼んだとしても
3日はかかるな。」
ブロウはタバコをふかしている
「ストリーミング。ロックロック。」
R2は音楽を聴いている
「おめーは話しを聞かない人工知能しかインプットされてねぇーだろ!」
タケルは文句を言う
「しかし、先のクラウディアに寄生していた幻魔は
結局見つからなかったな・・」
ブロウはつぶやく
ブォオォォォォォォォーーーーーーーーーン
シュァァァァァーーーーーーーー
遠くからエンジン音が聴こえる
「ん?なんだ?」
ブロウはエンジン音がする方角を見た
「こっちに近づいてくるな・・・」
ブロウはタバコの火をブーツで消すと
ホルスターに手をかける
ブォォォォーーーー
ブシューーーーー
タケル達の前で1台のホバーバイクが止まった
「誰だ?」
タケルはホバーバイクを見る
「ふぅー。
暑いわねぇ。
この時代の砂漠は。」
ホバーバイクから一人の少女が降りて来た
「あ!?
お前は、この間の!!」
タケルは何かに気づく
「ほう・・」
ブロウは腕組みをした
「どうしたのかしら?
エンジントラブル?」
少女はタケルに近づく
「お前、何の用だ?」
タケルは訝しげな顔をした
「それはご挨拶ね。
申し遅れたわ。
わたしの名前はリンダ。
リンダ・コールフィールド。
未来から来たメカニックプログラマーよ。
ごきげんよう。」
リンダはおじぎをした
「そうか。
リンダ。
メカには強いのか?」
ブロウは尋ねる
「ええ。
天才的にね。」
リンダは即答した
「では、このセスナを見てもらえるか?」
ブロウはサムライザーを指差した
「いいわ。」
リンダはそういうとサムライザーの下に潜り込んだ
「おいおい。ブロウ、ちょい待てよ。
このガキは敵だぞ?」
タケルはブロウに文句を言う
「まぁそうだったかもしれないが、
誤解は解けている。」
ブロウはタケルをなだめると、
リンダのいるサムライザーを覗き込む
「ところで、リンダ。
どうやって、この場所が分かった?」
ブロウはテキパキと仕事をするリンダに尋ねる
「ええ。
そこのタイプR2さんが、
私の発信したストリーミングサウンドを受信していて
受信場所をIPアドレスから割り当てたのよ。」
リンダは淡々と答える
「ほう・・」
ブロウは感心している
「アル。ロックロック♪」
R2は踊っている
「つーか、お前があれを配信してたのか!?」
タケルは驚く
「ええ。そうよ。
家から持って来たMP3データ。
200年前の音源でも劣化していないわ。」
リンダは作業を続ける
「なんで俺の曲を持ってやがるんだ!?
しかもまだ録音してない曲もあったぜ!?」
タケルは不思議な顔をして尋ねた
「それは簡単な話よ。
私は未来から来たのだから。」
リンダは淡々と作業を続ける
「・・・・未来・・・。」
タケルは訝しげな顔をする
「タケル。
この子の言う事に耳を傾ける価値があるかもしれんな。」
ブロウはタケルを見る
「そうそう。
まだ音源化されてない、あんたの曲をアレンジしておいたわ。」
リンダはそういうとポケットから装置を取り出し、タケルに投げた
ポイッ
「おっと。なんじゃこりゃ?」
タケルは装置を受け取った
「イヤホンを耳に入れて、ボタンを押すのよ」
タケルは言われるままにした
ジャーン♪
「うぁ!?音が出た!?」
タケルは驚いた
「この時代にはいったん消滅したものかもね。
この時代の以前からあるMP3プレイヤーよ。」
リンダは説明した
「こ、これは俺の曲だ・・・」
タケルは驚愕した
「私、音楽でもプログラムは得意なの。」
リンダは得意げに言う
「お前・・すごいな・・」
タケルはリンダを見た
「今、この曲データを過去に送信するプログラムを組んでいるわ。」
リンダは作業を続けた
「過去に?」
ブロウは訝しげな顔をする
「そうよ。
幻魔は人々の怒りや悲しみという負の感情が生み出したディアボロ。
過去の人々にそれを伝えるためにね。」
リンダは真面目な顔で言った
「お前。何者だ?」
タケルはリンダを見た。
「できたわ。」
リンダは作業を終え、サムライザーのエンジンを回す
ブロロロォォォォォォォーーーーーー
「もう直ったのか?」
ブロウは目を丸くした
「言ったでしょう?
メカについては天才的だって。」
リンダは鼻をこすった
「さぁてと。」
リンダはホバーバイクから自分の荷物を取り出した
「お前、なぜ荷物を運ぶ?」
タケルはリンダの様子をうかがっている
「決まってるでしょ。
あんたについて行くからよ。」
リンダはサムライザーに荷物を載せた
「はぁ!?」
タケルは変顔をした
ブツブツ
「あんたがユウシャ様かどうか確認しないと
乙女の気がおさまらないのよね・・・」
リンダはサムライザーに乗り込むと、小さな声でつぶやいた
「まぁ、タケル。
整備士がいるのは心強い。
それに、これも何かの縁だろう。」
ブロウがタケルの肩に手を置いた
「俺ぁ、認めねーぞ!
なぜこんなガキと!!」
タケルは憤慨した
「アル。お子様ランチ。タベタイ。」
R2は操縦席に乗り込む
ブロロォォーーー
「タケル。置いてくぞ。」
ブロウはサムライザーに乗り込んだ
「あんた。砂漠の真ん中に置いてかれるわよ?ふふふ」
リンダは笑った
「おお、ちょい待て!おめぇーら!」
タケルはサムライザーに飛び乗った
「Flying high!」
サムライザーは高く舞い上がった
こうしてタケル・ブロウ・R2の三人は
未来から来た少女リンダと共に
旅立ったのだった
「おい!くそガキー!!」
「なによツンツン頭!」
「やれやれ先が思いやられるな・・」
「お子様ランチ☆(キラーン)」
~第二十八話 『旅立ちの時』 終わり




