第二十七話 『それぞれの思い』
~空賊アジト本部
カンカンカン トントン
「オーライオーライ!」
空賊の隊員達が大工仕事をしている
「くぉらーーー!!
おめぇら!!
サクサク動くんじゃボケイ!!!」
サキタは部下に檄を飛ばす
「サキタさぁ~~ん。
そろそろ休憩しやしょうよ~。」
部下の一人が泣きついてくる
「ダメじゃダメじゃ!!!
この間の幻魔戦でブチ壊れた城壁を
一刻も早く直すんじゃき!!
タケルが居なくなった今、
サキタ様がこの賊達を守らなイカンのじゃきのぉ!!」
「へ~い・・・」
ブツブツ・・
「サキタさん、
ここを任されてから人が変わったよな・・・」
「んだな。
あの人。なんだかんだでタケルをライバルだと認めてたからな。」
「空賊の俺らもサキタについて行く覚悟だ。
実際、サキタはよくやってくれてるぜ。」
「そうだな。タケルさん、元気にやってっかなぁ?」
隊員達は仕事場に戻って行く
サキタはその様子をうかがっていた
「(タケル、ブロウ先生・・・
ワシはここで踏ん張るき。
おめぇーもくたばる前に一花咲かせろや・・・
この世界を変えるために・・・・・・)」
サキタは空を見上げた・・・
ーーー
~パブロ新都心
「アンジー!
戻ってらっしゃい!お昼の時間を守るのよ!」
アリシアは外で男達と話しをしているアンジーに声をかける
「ママー!ちょっと待って!
いま、こんぴゅーたぁしてるの!」
アンジーは遠くからアリシアに言う
「ふー。
まったく。あの子ったら、リンダさんの真似ばかりして・・・」
アリシアは苦笑いをした
「(リンダさん、
元気にしていますか?
『会うべき人』には会えましたか?
私もアンジーも今日も元気ですよ・・・・・・・)」
アリシアは遠くの雲を見つめていた・・・
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2198年
~特務機関SNK医務室
「おお。ジルや。
今日も天気がええのぉ。
・・・よっこらせと。」
外科医のゴールディは病室に入るとベッドに座る
「ああ。ゴールディ。
おかげで足もだいぶ良くなったわい。」
横になっていたジルは起き上がると足をさする
「お前さんが撃たれたときは
もうダメかと思ったがな。
この老体であの出血量じゃな。」
「そうじゃの。
みんなのおかげ・・・
いや、リンダを慕ってくれたあやつらのおかげじゃ。
リンダには足を向けられんわ。」
ジルは窓の外を見る
「隊員達がお前さんをここまで運んで
血ぃまでくれたったんじゃからの。」
ゴールディは注射をする真似をした
「あれからコリンスに話しは聞いとるが、
あの爆発の後、リンダのいた開発ルームには
リンダは跡形も無く消えていたとな・・・」
「そうじゃ・・・・
遺体は発見されなかったようじゃ・・」
ゴールディは目をそらした
「ゴールディ。
あれは行くべき場所へと向かったんじゃ。
死んでなんかおらん。」
ジルは少し怒った口調で言った
「そうじゃな。そうだとええがの。
たしかにあの装置のコックピッドの内部は破損しておらんかった。
あの中にリンダちゃんがいたとすると・・・
お主の話しもはたまた・・」
ゴールディは立ち上がる
「ところで、ゴールディ。
あのあとゲリアス指令がいなくなったと聞いたが
まだ見つからんのか?」
「そのようじゃ。
爆発に巻き込まれたのやもしれん・・」
ゴールディはアゴに手を当てる
「そうか・・・・」
ジルは感慨深い表情をした
「そうじゃった。そうじゃった。
ジルや。
今日はちょいと耳に入れておきたいことがあってな。」
ゴールディは部屋のドアの前に立つ
「はて?」
ジルは面食らった
「カルのな・・・・
意識が戻ったぞ。」
「・・・・・・」
ジルは上を見た
「・・・・
ありがとう・・・・」
「礼は神にでも捧げとくれ。」
ガラガラッ
ゴールディは部屋を出て行った
「・・・・・リンダ
元気にしとるかのぉ。」
ジルは空を見上げた
涙をこらえるように・・・・
~第二十七話 『それぞれの思い』 終わり
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<次回予告>
僕たちは夢を見た
平和な世界
人々が笑い
人々が歌う
僕たちは夢を見た
子供達が駆け回り
犬がジャンプする
愛する人との平穏な世界
緑の木々は風と踊り
美しい花々はたくましく花を咲かせる
雄大な川の流れ 山々のささやき
どこまでも広がる海 全てを照らす太陽
僕たちは夢を見た
君たちと手をつなぎ 壮大な夢を見る そんな夢を
次回最終回『旅立ちの時』
さぁ、行こう 僕たちの未来へ




