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最弱魔王と最強の杖  作者: 絶兎
9/15

今日から冒険者始めます。

今日は俺の誕生日ジャー!


ちょっと頑張って長め

 俺達は森の奥からの威圧感を感じていた。


 俺は何が来るのか少しやばいくらい不安だが、リムはしゃんとして立っている。


 しかし俺は逃げ出したい。

 つまりどうするか。


 俺はリムごと、念力を使って森の外の方へと弾き飛ばした。



「うばばばばばばばばぁぁぁぁぁっ!!」


 リムの口に風が入り込み変な顔になっている。

 俺は融合で手に入れた力を最大限に発揮し、木々に当たる前に右に左にと避ける。

 気がつけば森の外に飛び出た。

 止まる頃には街についた。


 リムはというと。


「おろろろろろろ。」


 可愛い少女が街の外壁に手を付き、口から破壊光線をダダ流ししていた。


「ヴァンひどい。」


「と、飛ばそうと思って飛ばしたんじゃないぜ・・・、気がついたら飛んでただけだぜ(汗」


 そんなこんなでやばそうなところから逃げ出したのであった。



 〜森の中〜

「ちぇっ。面白そうなのきたと思ったんだがなぁ?」


 男は一言いい、森の奥へ帰った。


 〜街の入口〜

 俺達は、街に入るところで止められていた。

 俺は杖の状態で、ヨロヨロするリムの支えとなっていた。

 俺たちは、渡された路銀を使用して休息を取ることにした。



 次の日


「いいか?リム。こういう時は大体冒険者ギルドを頼れば何とかなったりするんだよ。だから今日は冒険者ギルドへ行くぞ!」


 俺は昨日の森でゴブリンを倒したこともあり(寝てたけど)、やっと異世界に来たという自覚ができてきた。


 スキルを吸収とか融合とか装備がすべてにレベルが付く等、チートスキルが多々あるが、これは異世界に来た俺の特権だとでも思っておこう。


 一つ心残りなのが微妙に弱い魔王様ってところかな。


 この子はかわいいけどそれ以外何も取り柄がない。


 つまりかわいいだけだ。


 置物にはいいが、スキルを一度使うと1か月も何もできない。

 従魔が増えれば力も増すようだが、こればかりは時がたたないと無理だ。


 他に従魔を増やす方法があればいいのだが、吸血スキルで出来る眷属はあくまで俺の眷属であって、従魔にはならないようだ。


 しかも、産み出した時のシーマのレベルは3を超えていたが、融合されてレベルが1になった。


 吸血で眷属にできるのは自分よりレベルが低いもの限定のようなのだ。


 つまり、レベルが低いと出来ないことが多いのだ。

 ちなみに自分もギルド登録してみようと思う。


 一方リムは、まだ寝ぼけていた。


 俺は寝間着のリムを眺めていた。


 眼福眼福。


 さて、そろそろリムに準備させていくか。


「リムー行くぞー。」


「ちょっと待ってー、後2時間くらいー・・・すやぁ。」


「おい寝るなあああ!」



 さて、ギルドにつきました。


 なんかこの前来た時より人が多くがやがやしている。


 いかついモヒカンのお兄さんがいる。


「今日はギルドがにぎやかですね。何かあったんですか?」


「おん?見ねえ顔だな。まあいい。俺はギルティーヌだ。街の外によ、モンスターが大量発生しているみたいなんだ。まだ出所がわからなくてよ、まあ、なんだ、緊急クエストだ。」


「なるほど。ありがとうございます。」


 俺はそう告げる。

 街の外で魔物が大量発生しているみたいだな。


 よく見ると回復職の人がせわしなく回復させている。


 今度は魔法をかけているお姉さんに話しかける。


「おはようございます。このたくさんのけが人は?」


「ん?みんな街の外でやられてきたのさ。もうMPがなくて辛いわ。ポーションのせいでおなかたぷたぷだし。街の外のモンスターは聞く限り、オークやら、ウィンドウルフ、ビッグフロッグなんかが多いみたいね。」


「魔物、詳しく知らなくて、説明してもらえると助かります。MPの回復ついでに少し休憩しませんか?」


「そうね。いいわよ。」


 俺はお姉さんを連れてギルドの椅子に座った。


 ギルドの中は結構広い。人が200人くらいいても大丈夫だ。

 俺は2回の吹き抜けになってる席に行く。リムも一緒だ。


「あんたたちは魔族だね?なんていうんだい?」


「あ、名乗り遅れました。ヴァンです。」


 俺はリムに視線を飛ばす。

 リムは少し首をかしげるが、わかったようだ。


「私はリム。」


 最近思うんだけどリムはテンションの上がり下がりが激しい。上がってると結構多弁なんだけど下がってると無口だ。


「アタシはリン。しがない魔法使いさ。」


 そういうとウィンクを飛ばしてきた。

 見た目は、The魔女って感じで、濃い紺色のローブに、帽子をかぶっている。ウエストポーチをその上からつけているので、ウエストがきゅっってなっててエロい。胸もでかい。


「ヨロシクです。リンさん。」


「そんなかしこまらないでくれよ。で、魔物だっけ?」


「はい。そうです。まだこの町に来たばかりなので・・・田舎から出てきたのでよくわからないんです。」


「ああ、そうなのね。まあ、この周辺に沸くのはゴブリン程度なんだけどね。魔物が沸く原理って知ってる?」


「いいえ知りません。ぜひ教えて下さい!」


「正直だね。魔物は、一定の魔力が集まるとできるのさ。ここら辺は魔力が薄いからそんな沸かないんだ。だけど今回のは、近くのどこかからか魔物が流れてきている。ただ魔物が多すぎてどこから湧いてるのかわからんのさ。」


「なるほど、ちなみに数は?」


「聞いた話だと、オーク56体、ウルフ系30匹、カエル10体倒して帰ってきたAクラスの奴が、倒しても倒してもきりがねえようわあああって泣いて帰ってくるくらいいるらしい。」


「え?そんなに?街の衛兵で守り切れるんですか?」


「門は閉めてあって、塀の上から防戦一方みたいだよ?」


「遠距離してくるのはいるんですか?」


「そうね、スナイプオークとか、ウィンドウルフくらいかな。今外で攻撃してくるの。」


「なるほど。」


「さて、あたしはMPがそろそろ回復したし回復行ってくるよ。」


「ありがとうございました!」


 リムはちんぷんかんぷんって顔をしていた。


「リム、とりあえず登録行くぞ。」


「ん。」


 俺は受付のお姉さんのところへ行く。


 冒険者の登録をするためだ。


「冒険者登録したいんですけど・・・。」


「あ、今はやめておいたほうがいいですよ?すると戦場へ駆り出されます。」


「それでもいいです。経験値がほしいので。」


「でも外は魔境ですよ?」


「何とかなりますよ。たぶん。取り合えず登録お願いします。」


「わかりました。こちらに血を垂らしてください。」


 俺は針を刺し、血を垂らす。


 水晶は赤く輝き、渦を巻く。


 光が収まった。


「はい。こちらがギルドカードです。ギルドの説明を」


「この前説明は聞いたのでいいです。職業選択へ移りましょう。」


「は、はい。では、・・・えっ。なにこれすごい。」


「え?」


「い、いえ何でもありません。」


 なんだかすごいらしい。ギルドマスターを呼ぶように後ろの子に言っている。


「職業は、たくさんありますね。これ以上にないくらい。えっと、このリストから選んでください。」


 そういうと、ギルドカードを渡してきた。後ろに表示されているらしい。


 リストを見てみる。


 基本


 冒険者

 格闘家

 召喚師

 奇術師

 その他もろもろ(冒険者あんまり関係ない土木師とか)


 中位


 探索者

 格闘術師

 召喚術師

 奇策師

 吸血の一族


 上位


 覇者

 CQBマスター

 奇術召喚王

 吸血の王



「おすすめは上位ですけど、上位になると下位には戻れません。下位のスキルがほしければ下位からお勧めします。」


 俺は迷った。基本の職からがいいのだが・・・


 召喚かっこいいなとか思った。

 召喚にしよう。


「じゃあ召喚師にします。」


「お、召喚ですか。いいですね。上位になると魔物を召喚できるようになりますし、幅は広いです。どうか頑張ってください!」


 というわけで、召喚師になった。


「少しお時間いただいてもいいですか?」


「まあ、いいですけど。」


「それではこちらへどうぞ。ギルドマスターがお待ちです。お連れ様もご一緒に。」


「はい。リム、行くぞ。」


「ん。」


 ギルドの奥の部屋、会議室へと行く。


 扉を開けるとボールのような人がいた。


「よお、待ってたんだ。」


 俺は既視感を覚えた。

 こいよベネットって叫びたくなる。


「初めまして。ヴァンです。こっちはリムです。」


「私がギルドマスターのベネットだ。」


 名前までベネットだった。


「さて、君たちに来てもらったのはほかでもない。この緊急事態を何とかしてほしい。」


「と言っても私は今登録済ませたところですよ?」


 そういうとベネットはポンッと札束を積み上げた。


「これでいいか?」


「いやいや、力があるかもわからないのによく渡せますねあんた!」


「近頃見ていたのだ。面白いのが来たと聞いてな。」


 見られてたのか。


「まあ、するだけのことはしますけど、期待しないでください。」


「終わったら金は渡す。これはクエストということにしておく。」


「わかりました。頑張ります。失礼します。」


 そういって、ギルドの広間に戻った。


「さて、仲間を探すとしますか。」


「仲間いるの?私だけじゃ不満?」


「えっ?」


「えっ?」


 とても上目使いで目をうるうるさせながら、なぜかリムが見てきた。


「まあ、必要だな。」


「ガーン。私、いらない子!?」


「うん。いらない子。スキルはいいけど、基本的に弱いからな。」


「ガーン!!」


 そういうと椅子に座っていじけた。


 俺はクエストボード横にあるパーティー掲示板に募集をかける紙を貼った。


 この張り紙はリムが作ったものだ。


 パーティメンバー募集


 魔王の配下に君はならないか?

 今ならなんと魔王の直属の配下になれるチャンス!


 お申し込みは近くのテーブルの白い髪のこんな人まで!



 そう書いて似顔絵が描いてある。


 下手だ。3歳の絵だ。



「さて、だれか来るかまってみるか。」


 そうして俺はリムの隣に座る。


 リムはジョッキに入ったリソゴのジュースを飲んでいる。ちびちびと。


 リソゴはとてもリンゴに似ている。というかリンゴだ。


 しばらーくまつと、ひとり来た。


「魔王様の配下だってよー、ひゃはは。どんな奴だと思ったらこいつじゃねえか?」


「冷やかしなら回れ右お願いします。」


「え?」


 俺は念力を使って、回れ右させる。

 そしてそのまま掲示板のところに飛ばす。


「これでよし。」


 そして、しばらく待つ。


 またひとり来た。

 今度はドワーフの女の子だ。


「あのぅ、ここに来れば人生が変わるって本当ですか?」


「え?」


「私が書いた。」


「あ、はい。」


 まさかそっちにつられるとは思わなかった。


「今なら魔王の配下になるのにたったの1万ゴールド!」


「え?お金とるんですか!?はい。払います。」


 そういうとお金を出してきた。


「え?払っちゃうの?」


「え?払わないんですか?」


「え?」


 混乱してきた。いったん落ち着こう。


「と、とりあえずお金はしまっていいから。カード見せて。」


「は、はい。これです。」



 -ステイタス-

 レベル2

 ルル・サウニール

 エルダードワーフ  職業・錬金術師

 体力 B+

 魔力 C

 敏捷 E

 器用 A

 防御 B


 スキル

 錬金 抽出 石の精霊の加護


 魔法

 クリエイト ブレイクラッシュ 




「合格。今日から君は・・・配下だ!」


「ありがとうございます!魔王様よろしくお願いします!」


 彼女は俺のほうを見て言った。


「ん?魔王様はこっちだよ?」


「え?」


「ん?」


 そうして再び困惑するのであった。


 そして、新しい仲間が増えたのだった。



「大変だー!門が破られたぞー!」


 一人の衛兵がギルドに駆け込んだ。

 その一言で、場は騒然となった。

ここまで読んでくれてありがとうございます。


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